2011年04月28日

両関(りょうぜき)|両関酒造株式会社

新進気鋭 酒蔵訪問の旅。
165件目の訪問蔵は、
秋田県の湯沢市で両関(りょうぜき)という日本酒を醸す両関酒造株式会社です。

両関(りょうぜき)|両関酒造株式会社

所在地:秋田県湯沢市前森4-3-18
代表銘柄:両関(りょうぜき)
創業:1874年(明治7年)
杜氏:社員杜氏(山内杜氏)
仕込み水:中軟水
訪問日:2011/4/28

代表銘柄
両関 雪月花 純米吟醸
両関 秋田酒こまち純米酒
両関 純米酒 廉士
両関 銀紋

老舗を感じさせる、古き良き酒蔵の外観。
日本酒ファンなら思わず足を踏み入れたくなる酒蔵が両関酒造です。 両関(りょうぜき) 両関酒造株式会社|蔵の外観 両関酒造株式会社は明治7年に7代仁右衛門氏によって創業した酒蔵です。

7代目仁右衛門氏の祖先は、戦国時代が終わった頃、加賀の国よりこの地に移り住んできた商人で、屋号は加賀仁屋と名乗っていました。

やがて地主となり庄屋となり、この地を治めていた佐竹家に取り入り、この地の商いを取り仕切るようになります。

江戸時代に中頃、秋田県の湯沢周辺というのは、院内銀山で潤っていており秋田市よりも人口が多かったそうです。
同時に豊富に米が取れた地域でもあった為、酒造業参入の敷居も低く、どぶろくを造って桶のまま売って商売になったくらいお酒の需要があったそうです。

そのような地域であったため、御用商人に近い立場であった両関酒造は江戸時代頃から酒造業を行っていたはずですが、残念ながら資料が見つからないとのこと。

大正時代になってから酒税方面が整備され、7代仁右衛門氏が現在の酒造免許を取得した明治7年が酒造業の創業としていますが、実際にはもっと古くから酒造業が行われていたようです。


写真は両関の1号蔵。文化庁の登録有形文化財に指定されています。
現在、吟醸酒の仕込みに用いられる長期低温発酵のルーツと言われる蔵です。 両関(りょうぜき) 両関酒造株式会社|蔵のにある蔵秋田県の内陸部にある湯沢の冬は寒く、この蔵の入口のドアの近くにあるタンクが寒さのために発酵が遅かったのです。
後から仕込んだタンクに次々と追い越させるのですが、何故かこのタンクで仕込んだ酒の香りが良いのです。

明治40年に開催された第一回全国清酒品評会にて、このタンクで仕込んだ酒を出品したところ一等賞を受賞します。

全くの無名蔵であった両関酒造は、記念すべき第一回の開催で一等賞の受賞した事により、多くの醸造関係者から注目される事となります。


両関(りょうぜき) 両関酒造株式会社|釜場 当時、科学によって酒造りの理論が解明されかけていた時代。軟水による醸造法も完成されていました。
低温で発酵させてしまうと、酵母が負けたときに「腐造」が起きてしまうため、危険という理論は当時の人々でも解っていたはずです。

両関酒造が一等賞を取った低温長期発酵というのは、当時の考えではかなり非常識な仕込み方法だったようです。

両関酒造としても自然の力によって結果的に低温長期発酵になってしまった訳であり、根拠があって行なった結果ではありません。


写真の方が両関酒造の杜氏を務める武石廉太郎氏。
所属は山内(さんない)杜氏です。 両関(りょうぜき) 両関酒造株式会社|杜氏

よくよく考えてみたら、酒造りはとても不思議です。
お米から16度以上という高いアルコール度数を持つお酒が出来てしまうわけですから。

しかも製造方法は非常に複雑。
マニュアルがあった訳ではありません。
外国から作り方を教わった訳ではありません。
偶然によって得られた発見の繰り返し。そのノウハウが蓄積され、現在の日本酒造りの手法が完成していきました。

明治時代頃までの日本酒というのは、自然が造ってたのでしょう。その結果、自然が様々な偶然という奇跡を与えました。

両関酒造にて偶然に発生した低温長期発酵。
その後、各蔵との技術交流を経て広まり、現在の長期低温発酵の先駆けになったのでは、と言われています。


写真は仕込み部屋です。 両関(りょうぜき) 両関酒造株式会社|仕込み部屋 両関酒造というと、秋田の大手蔵の一角と思われている方が多いと思います。

かつては5万石規模の大きな蔵でした。
しかし3年前、伊藤康朗氏が社長に就任した後、社員を半数に減らすなど蔵の大改革が行われます。

少量多品種生産に舵を切り替え、特定名称酒を造る蔵に方向転換中。
現社長はこだわりの日本酒造りに精力的であり、今後が期待できる蔵元です。


写真はかつて量産していたときの名残の貯蔵タンクです。 両関(りょうぜき) 両関酒造株式会社|貯蔵タンク このタンク1本に、800石の酒を貯蔵する事ができます。
4本並んでいますので、ここだけで3200石の酒の貯蔵が行えます。

大きな酒蔵は1種類の酒を、複数のタンクで仕込みますので、それぞれの仕込みで微妙に味が変化します。
味の安定化のために、ブレンド用として使われていたそうです。


最後に訪問の証の記念撮影は蔵の玄関先に陳列されている、昔ながらの酒道具の前で撮影。両関(りょうぜき) 両関酒造株式会社|記念撮影

もし明治40年に品評会が無く、両関のお酒が注目される機会がなかったら、現在の日本酒はどうなっていたのでしょうか?

他の蔵によって低温長期発酵が解明る事になったのでしょうか?もっともっと後の時代になってから発見される事になったのでしょうか?

酒造の歴史を変えたであろう蔵に訪問し、昔の道具を手に取り関心する吾郎でした。




商品の購入・質問は両関(りょうぜき)|両関酒造株式会社へお問い合せ下さい。
TEL:0183-73-3143 両関(りょうぜき)醸造元 両関酒造株式会社
ここで書かれているデーターは筆者が訪問した時点の情報となります。

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