2011年03月12日

華鳩|榎酒造株式会社

新進気鋭 酒蔵訪問の旅。
139件目の訪問蔵は、
広島県で華鳩,清盛という酒を醸す榎酒造株式会社です。

華鳩|榎酒造株式会社

所在地:広島県呉市音戸町南隠渡二丁目1-15
銘柄:華鳩,清盛
創業:明治32年 1899年 4代目
杜氏:広島杜氏
仕込み水:中軟水,弱硬水
訪問日:2011/3/12

代表銘柄
華鳩 貴醸酒8年貯蔵
華鳩 貴醸酒10年熟成大古酒
華鳩 貴醸酒の生にごり酒
華鳩 貴醸酒オーク樽貯蔵
華鳩 花見酒 純米酒

昭和49酒造年度に、全国で初めて「貴醸酒」を醸造した酒蔵、華鳩はなはと) 榎酒造株式会社
華鳩 榎酒造株式会社 煙突

華鳩 榎酒造は明治32年、榎順蔵氏によって創業した酒蔵です。

「隣の村まで行くのに人の土地を通らずに行けた」という広大な土地を所有していた豊な名主の末息子として生まれた順蔵氏は、成人した後「腕一本で生きることを決意」。

実家を出て当時、商業が盛んであった倉橋島に出てきて、現在の蔵がある土地を本拠地にして船乗りから、質屋から様々な商売を行います。

やがて呉に海軍の軍需工場が移転してくる事から、造り酒屋を創業します。


蔵の近くには、平清盛が日宋貿易の航路として開削したといわれている海峡があります。
平清盛のゆかりの地であった事から創業当初は酒名を「清盛」と名乗っていました。

地元では評判の「清盛」でしたが、源氏贔屓が多い東京では評判は今ひとつ。

平清盛は吉良上野介と同様、時代劇などで悪役で演じられる事が多い為、ゆかりの地では名君であっても、県外でも同様であるとは限りません。

そこで蔵元は新たな酒名を考えます。

戦前の国語の教科書は、冒頭が「ハナ ハト マメ・・」で始まっていることから、ハナハト読本と呼ばれていたそうです。
当時の人々にとって「ハナ ハト」とは馴染みある言葉であり、蔵が建つ地名が「鳩岡」であった事から、酒名を「華鳩はなはと)」に改めます。

華鳩_看板.jpg


創業当初の酒名「清盛」ですが、戦後、吉川英治 新・平家物語にて、平清盛が「貴族政治から武家政治に変わった第一人者」として良く描かれている事。
2012年の大河ドラマの主役が平清盛であり、近年では名君として、取り上げられる事が増えたため、現在でも商標は取得中で、清盛は現役で販売されています。


榎酒造が造る酒の持ち味は「優しい味」。
日本酒度はプラスなのに甘く感じる酒が出来てしまうそうです。

優しい味わいは水に由来すると言われていますが、それだけではなく造る人の性格、造る環境、オーナーの性格も酒に現れるような穏やかな酒。

「ホッとやすらぐ日本酒」というのが蔵のキャッチコピーですが、その最たる酒が貴醸酒です。


華鳩の代名詞と言える貴醸酒は、先代の(3代目蔵元)榎徹(えのき とおる)さんによって行われました。


写真の手前の方が、先代(3代目)の榎徹さんです。
華鳩_仕込み部屋.jpg
貴醸酒きじょうしゅ)とは、仕込み水の代わりに「日本酒」で仕込んだお酒で、とても濃醇な甘みを持つ酒になります。

大学卒業後、酒蔵に入った3代目蔵元が「人がしない事をやてみよう」と、様々な事にチャレンジをされます。

例えば「にごり酒」です。
広島県で一番最初ににごり酒を造ったのが榎酒造でした。
大型仕込みというのも行ったそうです。

そして昭和49年に、日本で一番最初に貴醸酒の醸造を開始します。

その頃と言えば日本酒の生産量が全盛期です。
そんな時代に貴醸酒のような変わった酒を造ろうとは普通は思いません。
今考えると英断でした。

蔵元が行った様々なチェレンジですが、個性を追求した貴醸酒とにごり酒は現在も健在。

貴醸酒は蔵を代表となっています。

ちなみに貴醸酒のにごり酒というのも人気だそうです。
私も試飲させていただきましたが、佐野屋即戦力商品として十分な酒質と個性を持ち合わせていあました。




写真は現在の蔵元、4代目である榎俊宏さんです。
華鳩_麹.jpg

写真は酒母室。
華鳩_酒母室.jpg

写真は貴醸酒の醪です。少しクリーム色がかって見えます。
華鳩_醪.jpg3代目のチャレンジ精神は4代目にも引き継がれています。

中でも面白いのが、貴醸酒を用いて貴醸酒を造った「大累醸」という酒。
貴醸酒を造る際、仕込み水に日本酒を用いますが、その日本酒に貴醸酒を用いた酒が「大累醸」。

その中でも、仕込み水の代わりに「20年古酒の貴醸酒」を用いて造った大累醸は、醪(もろみ)の色から茶色。お味噌のような独特の酒粕がとれたそうです。



写真は槽場の天井です。
華鳩_槽場.jpg

華鳩には地下にコンクリートで覆われた貯蔵庫があります。
夏でも20度以下の気温を保ち、更に多さがプレハブ冷蔵庫も完備。
華鳩_貯蔵庫.jpg

貴醸酒の一部はオーク樽で熟成・貯蔵を行っています。
華鳩_オーク樽.jpg蔵が海外から取材を受けた際に、向こうの方が誤って「酒はオーク樽に貯蔵されている」という記事を雑誌に掲載されてしまったそうです。

それがヒントとなり「それじゃあ実際にオーク樽で貯蔵してみよう」という事になり、貴醸酒をオーク樽に貯蔵。
その結果、貴醸酒とオーク樽の樽香とのマリアージュはとても良く、美味しくかつ個性的なお酒が出来上がりました。

私も試飲させていただきましたが、日本酒の多くはオーク樽で貯蔵すると、樽の香りに負けてしまうのですが貴醸酒だと引け劣らず、とてもバランスが良く美味しく味わえました。

蔵は「生もと造り」もされています。
生もとで造った酒は貴醸酒を造るのに向いているそうです。
華鳩_商品.jpg

最後に訪問の証の記念撮影です。
貴醸酒をひと通り試飲させていただいた後、仕込み水をいただきました。
硬水のようなミネラル感がある味に、軟水の柔らかさを持つ不思議な味に驚く吾郎でした。
華鳩_記念撮影.jpg
商品の購入・質問は榎酒造株式会社へお問い合せ下さい。
TEL:0823-52-1234 華鳩,清盛醸造元 榎酒造株式会社
ここで書かれているデーターは筆者が訪問した時点の情報となります。

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