2011年02月14日

清鶴 きよつる|清鶴酒造株式会社

新進気鋭 酒蔵訪問の旅。
124件目の訪問蔵は、
大阪府高槻市で清鶴という酒を醸す清鶴酒造株式会社です。

清鶴 きよつる|清鶴酒造株式会社

所在地:大阪府高槻市富田町6丁目5-3
銘柄:清鶴,きよつる
創業:安政3年 1856年 5代
杜氏:但馬杜氏
仕込み水:中硬水
訪問日:2011/2/14

代表銘柄
清鶴 本醸造 上撰


阪急高槻駅から一つ隣の富田(とんだ)駅から徒歩で約7分。

高槻市の中心部に位置しながら、昔ながらの景観が所々残る静かな環境。
車が通れないであろう細い道路を進むと、思わず写真を撮りたくなるような商家が姿を表します。


安政3年から続く造り酒屋、清鶴酒造株式会社です。
清鶴 きよつる 清鶴酒造株式会社

現在、清鶴酒造と、寿酒造の2社が酒造りをしています。

現在では高槻に酒蔵が残っている事を知らない方も多いかもしれませんが、かつて高槻市の富田周辺というと良質の酒が造られる産地として知られ、ここで造られる酒は「江戸の下る事が出来た」市場評価が高い優秀な酒だったそうです。

値打ちが低いものを「下らない」と言いますが、この語源は、関西で造られら酒の中でも市場評価が高い酒(人気がある酒)は、大都市であった江戸の下ることが出来ました。

しかし、そうではない酒は江戸の下ることが出来ませんでした。

その為、「大して人気がない酒=江戸の下ることが出来ない」という事から、次第に「下らない=つまらないもの」と意味を変え今に至ります。



余談になりましたが、酒造史に詳しい清鶴酒造の5代目、石井清隆さんから、富田の酒についてお話を伺いました。


全国の酒蔵訪問をされているという事ですが、1社1時間くらいの滞在時間だと何も解かりませんよ。
酒蔵を知ろうと思うと、何故こうなったかというのは歴史的な背景からつながって来ていますから。

大阪の酒蔵だけでも本当の事を知るには、ちょっとやそっと蔵に来て、話を聞いて学べるほど、浅いものではありませんよ。


と、いきなり厳しいお言葉をいただきましたが、たしかにその通りです。


富田の酒は「甘・辛・しゃん」です。
昔NHKの朝のドラマで「甘・辛・しゃん」という番組をしていましたが、ここで造られた酒は灘の酒と同じ、火入れして秋になっても「しゃん」とした酒でした。

北摂連山が灘の方から高槻を経て京都まで続いているので、地層とかが同じなんでしょうね。

水が中硬水で発酵力が強かった事から、アルコールがよく出たため辛口となり、輸送や保存・割り水に負けない強い酒が造られていました。

その為、灘の酒と同様に江戸に下る事ができたようです。



かつて富田には最盛期は24の酒蔵が軒を連ねていたそうです。
清鶴_歴史.jpg
富田の酒が「特別」だった事は、当時与えられていた「酒造株」(今でいう酒造免許)からも伺えます。

江戸時代、酒造株には「一般株」と「特別株」の2種類があり、更に特別株の中には「由緒株」と「拝借株」の二つに分かれていました。


由緒株というのは関ヶ原の戦、大阪夏の陣で兵糧の調達で功績を得て、徳川家康公から与えられた由緒がある免許で、奈良の菊屋株、河内の高橋株、富田の清水株が所有していました。

当時の酒造株には様々な制限があり、主食の米を原料であった為、飢饉の年はもちろん、米の作柄によって製造数量が制限されていました。
その年の製造数量が1000石まで、と制限されたら、それ以上造ることが許されなかったのですが、由緒株はその制限令の対象にならず、酒を造ることが出来ました。

当時、富田の地で紅屋という造り酒屋が清水株を得ており、最盛期で2千石の株高を所有していました。
当時の2000石とは相当な生産量であり、飢饉の年でも2000石を造れたわけですから、大変繁盛する訳です。

順風満帆のように思えた家運も、灘や伊丹の酒蔵が台頭してきた事によって、富田の地だと江戸への輸送にハンディが現れます。
そこで高額な賃料をとって、灘や伊丹の蔵に酒造株を貸し付けるようになったそうですが、幕末には由緒株にも制限令が適用されるようになり、免許の恩恵が無くなりました。

現在は紅屋は残っていませんが、酒造業の歴史を引続ぐ2件の酒蔵が酒造りを続けています。



最後に蔵の前で記念撮影です。
今回は歴史のお話をお聞かせ頂くだけで時間が来てしまいました。
近くの蔵なので次回訪問させていただく機会があった際には蔵の中を見せてもらいたいと思います。
清鶴_記念撮影.jpg
商品の購入・質問は清鶴酒造株式会社へお問い合せ下さい。
TEL:072-696-0014 清鶴醸造元 清鶴酒造株式会社
ここで書かれているデーターは筆者が訪問した時点の情報となります。

5代,五百万石,山田錦,但馬杜氏,中硬水

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