2010年10月25日

司牡丹 司牡丹酒造株式会社

司牡丹(つかさぼたん) 司牡丹酒造株式会社

所在地:高知県高岡郡佐川町甲1299番地
銘柄:司牡丹(つかさぼたん)
創業:1603年 5代(法人後)
杜氏:土佐杜氏
仕込み水:軟水
訪問日:2010/10/25

代表銘柄
土佐 司牡丹金鳳 司牡丹,豊麗 司牡丹, 司牡丹 永田農法純米酒, 深尾 司牡丹,黒金屋 司牡丹

高知県で最も長い歴史を持つ蔵元が司牡丹
蔵の歴史は関ヶ原の合戦の直後、1603年から始まります。
司牡丹 司牡丹酒造株式会社

関ヶ原の合戦の功績にて土佐24万石の大名に出世をした山内一豊。
山内家の主席家老を勤めていた深尾和泉守重良が土佐に入国し佐川の領地1万石を一豊から拝領します。
その深尾重良の御用商人として供に土佐に入国してきたのが司牡丹の前身となる酒蔵でした。
御用商人と言えども名字・帯刀を許されていた格式が高い家柄です。

大正7年に近隣の蔵元と吸収合併を行い、法人化を行い現在の司牡丹酒造になります。



司牡丹酒造2.jpg土佐と言えば坂本龍馬に代表されるとおり幕末の舞台の一つであります。

司牡丹酒造も幕末には大きく関わっています。
中岡慎太郎が亡き後、彼に代って陸援隊の隊長を務め、後に宮内大臣にまで出世をされた田中光顕伯爵が佐川の酒を愛飲しており、司牡丹という酒銘は田中伯爵によって命名されたものです。

また坂本龍馬の本家は「才谷屋(さいたにや)」という質商、造り酒屋をされていました。
才谷屋文書によると才谷屋と佐川の酒蔵との間に頻繁な交流があったと記されており、蔵には「天保2年に才谷屋から酒造りの株を1件分買った」という書状が残っているそうです。

また家系図によると、弥三右衛門の母は才谷屋から嫁いで来たと記されていて、一方才谷屋の家系図でも「竹村家(司牡丹の蔵元)の女」と記されているそうです。

明治維新では、佐川の土地からも多くの志士を輩出。
龍馬が脱藩の際には佐川を通った事から、坂本龍馬と司牡丹は深い由縁で結ばれていると言えます。



蔵の前にかかっている司牡丹の看板と杉玉です。
杉玉は蔵人がにいるよる手造りのものです。玄関以外にも様々な場所に飾られていました。
司牡丹酒造3.jpg


司牡丹の酒造りは、近代化された設備による高品質な酒造り。
量産の為に機械化ではなく、良い酒を造る為に、より良い原料毎処理を行なうため、発酵を促す為の近代化を進んで行なっています。


写真は珍しいフジワラテクノアート社による蒸米機です。
司牡丹酒造5.jpg


これが蒸米機です。まるで放冷機のよう。連続蒸米ではありません。
司牡丹酒造6.jpg従来の和釜方式だと、蒸し米にムラが現れます。例えば釜に触れる縁の米は水分を吸い過ぎでベトベトになったり。釜の外側と中心部、上の層、下の層で蒸し米の状態が異なります。
しかしこのフジワラテクノアート社による蒸米機の場合、全ての米が均等に蒸されるそうです。


下記が蒸し米の冷却機。ご覧の通りとても清潔です。
司牡丹酒造4.jpg


この機械は何だと思いますか?
司牡丹酒造8.jpgこちらもフジワラテクノアート社製による、米洗機(回転式自動洗米浸漬装置)です。

この装置は米を洗うだけではありません。

吟醸酒に使われる高精白の米は、洗米・浸潰時間を決めながらの作業が行われています。ストップウォッチで時間を計り、米に水を吸わせています。

この機械は洗米時間を含めて、白米が水に浸かっていた時間と、米の重量の変化を計算・学習させる事で、米洗・吸水時間をコンピューターで計算。
米洗・浸潰ごとに結果検証まで行い、データーを蓄積する事で、より精度の高い吸水歩合を実現させるための装置です。

司牡丹酒造7.jpgソフトウェアとしては手作業と同じです。
米洗・浸漬にどれくらい時間を要する事で、吸水歩合がどれくらいのなるのか?
吸水歩合をこれくらいにするなら、何分・何秒浸漬させなくてはいけないのか?

それらを機械によって精度を上げるのと同時に、機械なら全行程で精度にムラが無く、しかも結果検証まできっちり計算してくれます。
このハードウェがあれば、全ての洗米作業に大吟醸クラスの限定吸水を行なう事は理論上不可能では有りません。

高知県では司牡丹以外に、酔鯨酒造、土佐鶴酒造でも同様の機械を見ました。


こちらは麹室です。
完全無通風自動製麹(せいきく)装置と言われ、大吟醸に用いられる「蓋麹(ふたこうじ)」を再現する為の製麹機です。
司牡丹酒造9.jpg司牡丹では、麹造りに関しては、完全機械化だけに頼らず、蔵人が理論を理解する為、手造りによる「ふた麹」も別の麹室で行なっているとの事です。


こちらは酒母室です。
司牡丹酒造10.jpg

私が訪問した日は10月25日。
既に造りは始まっており、丁度「仕込み1号」が始まったばかり。
司牡丹酒造11.jpg


これが仕込み部屋です。高知は冬があたたかい為、空調はもちろん、部屋の温度を一定に保つように蔵が設計されています。
司牡丹酒造12.jpg



写真は昔ながらの蔵です。
こちらは貯蔵庫として使われています。
司牡丹酒造17.jpg
司牡丹酒造の「平成蔵」はご覧の通り近代的です。

この蔵を造る為に、新潟の石本酒造(越乃寒梅)、朝日酒造(久保田)、大洋酒造(大洋盛)、京都の齋藤(英勲)の設備見学を行なったそうです。

「品質アップにつながること」が絶対命令で、楽する為の設備投資ではない事。
その機械を導入すれば、司牡丹の酒質がアップすること。

それらを条件として、平成16年に「平成蔵」の工事に着手。
平成17年度より、平成蔵で酒造りが開始されました。

平成蔵の稼働によって、大吟醸は0.5ランクアップ、吟醸酒は1ランクアップ、特別純米酒は2ランクアップ、純米、本醸造は3ランクアップした、と言えるくらい酒質が向上。
小売店、消費者からの酒の評判も上がり、全国各地の名だたる酒蔵も見学に来られるそうです。

進化をつづける司牡丹酒造
注目すべき日本酒です。


司牡丹酒造が造る酒とは土佐流の淡麗辛口の酒。
新潟や富山の淡麗辛口が女性的で「きめ細かな絹ごしの豆腐」なら司牡丹の淡麗辛口は骨太の男酒。豆腐で例えると木綿ごし。しかし田舎酒ではなく男酒ながらも上品さがある酒。
司牡丹酒造14.jpg現在は、特定名称酒が全体の70%を越え、純米酒が主力商品に代ってきました。

司牡丹の使命は
「土佐」「本物」「エコロジー」にこだわった美味しい日本酒を製造販売し、
人々にワクワクするような日本酒の愉しさ伝道する。
その結果、個人には元気と健康と幸せを、
社会には潤滑で円満な人間関係をもたらし、世の中に進歩と調和をもたらす。

上記をミッションとして、酒造りを行なっているとの事です。


蔵には売店があり司牡丹を購入する事が出来ます。
また、一般の方でも蔵見学が可能です。高知の酒蔵見学をされる際には是非お寄りください。
お薦めです。
司牡丹酒造15.jpg

平成蔵の前で記念撮影。
ちゃんと蔵の中を見学した証として、帽子をかぶった状態で撮影しました。
司牡丹酒造13.jpg
このサイトでは、司牡丹(つかさぼたん)の販売は行なっていません。
商品の購入・お問い合せは下記電話番号へお問い合せ下さい。
TEL:0889-22-1211 司牡丹(つかさぼたん)醸造元 司牡丹酒造株式会社
ここで書かれているデーターは筆者が訪問した時点の情報となります。

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