2014年02月07日

仁勇(じんゆう) 不動(ふどう)|鍋店(なべだな)株式会社

新進気鋭 酒蔵訪問の旅 350蔵目

仁勇(じんゆう) 不動(ふどう)|鍋店(なべだな)株式会社

 千葉県香取郡神崎町神崎本宿1916
蔵元のサイト:http://www.nabedana.co.jp/


酒名:仁勇(じんゆう)、不動(ふどう) ■創業:元禄2年(1689年)19代 ■杜氏:社員杜氏(諸派) ■仕込み水:弱硬水 ■訪問日:2014/02/07

代表銘柄
不動 吊るし 無濾過純米吟醸 生原酒
仁勇 特別純米 神崎蔵
仁勇 とろり酒

千葉県香取郡神崎町、利根川のほとりに位置するこの地は気候がよく米の産地であり水運が便利であった事から古くから酒造りが盛んだった土地。
かつては神崎町だけで5件ほど酒蔵があったそうですが今でも2軒の酒蔵が酒造りを続けています。

その1社が仁勇(じんゆう) 不動(ふどう)という酒を造る鍋店(なべだな)株式会社です。
仁勇(じんゆう) 不動(ふどう) 鍋店(なべだな)株式会社|外観
鍋店(なべだな)株式会社は1689年(元禄2年)源五右衛門氏が佐倉藩より1050株の酒造株を預かり創業した現在で19代続く酒蔵です。

江戸時代、金属は有事の際には武器製造に欠かせかった為、鍋であっても金属を扱う商売は「座」という制度に組み込まれていて、信用のある人しか「鍋座」の権利を持つ事が出来なかったそうです。

源五右衛門氏は、酒造業を行う以前は鍋座の権利を持ち鉄の鍋や釜を扱う商いをされていたその事。
老舗の事を「お店(おたな)」呼ばれていた事から鍋店(なべだな)と呼ばれていて、それが蔵の名前として引き継がれています。

明治から大正時代に創業する蔵はとても多く、あと逆に関ヶ原の戦いが終わった江戸初期頃に酒造りをされる蔵もまたに見ます。 江戸中期頃に藩から株を与えられ酒造業を開始する蔵というのは珍しい存在だと思います。

仁勇(じんゆう) 不動(ふどう) 鍋店(なべだな)株式会社|古い看板
創業当初は神埼ではなく成田山門前で酒造りを開始。
市川団十郎によって成田山新勝寺への参拝客が飛躍的に伸びる事で商売は発展。
天明年間には1000石を達成します。

当時は水道もボイラーもポンプも無い時代。
この時代は一つの蔵の製造能力は1000石が限界だったそうで、そうとう繁盛した事が伺えます。
現在でも本社は成田山の門前にありますが、その周囲にも土地があり酒造りを行っていたそうです。

老舗の大店であった為か、他の蔵との交流範囲も広く醤油のキッコーマン、広島の白牡丹、山梨の笹一酒造とも遠縁にあたるとの事。

蔵は更に商いを広げるべく明治32年に神埼に蔵を新設。
明治42年には灘も蔵を設け、最盛期には成田、神埼、灘、印西に4つの酒蔵を持っていたとの事。

古い銘柄としては「蓬莱山」。
「香神」は香取郡神崎町に蔵を建てた際に、その蔵で造られた酒の銘柄。
現在の主力銘柄の一角、「仁勇」は灘の蔵で造られた酒の銘柄。
印西の蔵では利根正宗よいう酒を造られていたそうです。

しかし第二次大戦の企業整備令によっひとつに集約するように迫られます。
その結果、土地が多く水が良い神埼が製造拠点となり今に至ります。

酒名、仁勇は「人は人徳と勇気持って生きるべし」という家訓から命名。 仁勇(じんゆう) 不動(ふどう) 鍋店(なべだな)株式会社|看板

写真は窯場です。
仁勇(じんゆう) 不動(ふどう) 鍋店(なべだな)株式会社|釜場
製造は10月中旬頃より開始し3月中旬頃まで。
年間で約5000石の酒を製造。

千葉県下で製造する日本酒の量としてはダントツの1位。
関東全体でも3位に入る規模との事。

昔ながらの出稼ぎによる杜氏制度を脱却し、社員による酒造りが行われています。
しかし工場長は日本杜氏協会から杜氏の免許を与えられており、蔵人たちも南部杜氏の勉強会に参加されているとの事。

写真は蒸米。 仁勇(じんゆう) 不動(ふどう) 鍋店(なべだな)株式会社|蒸し米
酒造りに主に用いる米は、秋田県湯沢市の酒米研究会が育てる秋田県産の酒こまち美山錦が中心。
秋田の米を使う理由として、米の質が安定している点と安定供給できる事。
年間5000石以上製造するには、米の安定供給が必要になります。
米の品質が不安定だと酒の味が変る為、一定以上の生産量があり品質が安定している米という点で、湯沢の米が選ばれたとの事。

もちろん地元産の米も使用されています。
仁勇(じんゆう) 不動(ふどう) 鍋店(なべだな)株式会社|商品
写真の真ん中の酒は神埼産「総の舞」で造られた生粋の神崎産純米酒です。

写真は蔵自慢の麹室。
仁勇(じんゆう) 不動(ふどう) 鍋店(なべだな)株式会社|麹室

仁勇(じんゆう) 不動(ふどう) 鍋店(なべだな)株式会社|麹
一般的に麹作りは、大きな箱よりも小さな麹蓋で造る方が良いと言われています。
しかしこの蔵では、必ずしもそうではないという考え方をされていて、写真のような大きな単位で麹造りをされています。
この造り方でも麹蓋に勝る良い数字の麹を造ることが出来ているとの事。
蔵人の語り口調から麹作りにはかなり自信があるように感じました。

写真は仕込み部屋。
仁勇(じんゆう) 不動(ふどう) 鍋店(なべだな)株式会社|仕込み部屋_上から
仕込み部屋の一部は昔ながらの建物の中で造られています。

仕込み部屋をしたから見たところ。
仁勇(じんゆう) 不動(ふどう) 鍋店(なべだな)株式会社|仕込み部屋_下から

仁勇(じんゆう) 不動(ふどう) 鍋店(なべだな)株式会社|作業風景

鍋店では現在「仁勇」と「不動」の2銘柄の酒を製造されています。
数量的には仁勇の製造量が多く、杜氏制度から社員で酒造りを行うようになった当初は、出来るだけ綺麗な酒、新潟の酒に近づけたいという事でスタートしたそうです。
しかしお酒の味が面白くないことから、もっと味と香りを強調しようと出来た酒が限定流通の「不動」。

この不動がとても良い酒で、私は千葉の酒メッセで初めて不動に出会ったのですが、その美味しさには驚きました。

会場で知っている日本酒ファンと出会ったのですが、どこが一番美味しい?との質問に迷わず返ってきた答えが「不動」。
ブースは常に人だかりでした。どこかで目にした際はお薦めするお酒です。

最後に訪問の証の記念撮影。
仁勇(じんゆう) 不動(ふどう) 鍋店(なべだな)株式会社|記念撮影
「とろり酒」を試飲。その個性的な美味しさに驚く吾郎。

日本酒度-90、もち米4段仕込みの濃厚甘口にごり酒。
仁勇(じんゆう) 不動(ふどう) 鍋店(なべだな)株式会社|商品

火入れと生酒の2種類あり、蔵が日本一甘い酒と自負するお酒です。

鍋店では清酒の製造期間にあたる10月中旬以降から3月従順頃まで蔵見学が可能。

また限定流通ブランド「不動」は、日本酒ファンの間ではまだ知られていませんが間違いなく注目銘柄。今後が期待できす蔵元です。




ここで書かれているデーターは筆者が訪問した時点の情報となります。

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