2013年11月30日

風が吹く|合資会社白井酒造店

新進気鋭 酒蔵訪問の旅 349蔵目

風が吹く|合資会社白井酒造店

福島県大沼郡会津美里町永井野字中町1862


酒名:風が吹く、萬代芳(ばんだいほう) ■創業:1700年代中〜後期頃 9代 ■杜氏:蔵元杜氏 ■仕込み水:弱軟水 ■訪問日:2013/11/30

代表銘柄
風が吹く 山廃仕込み 純米吟醸生酒
風が吹く 山廃仕込み 純米生酒

美里町から風が吹く、
会津の新進気鋭、合資会社白井酒造店風が吹く 合資会社白井酒造店|外観
合資会社白井酒造店は江戸末期に白井忠太氏が創業した現在で9代続く酒蔵です。

忠太氏は蔵の2〜3軒隣にある油屋の出身で、酒蔵をするように言われたことから分家されました。 創業時期はよく分かっていないそうですが、忠太氏が亡くなられたのが天明6年11月(1786年)と記録に残っていることから、1700年代の中期頃に創業されたのではないかとのことです。

創業当初の屋号は「宮川屋」といい、これは蔵の近くを流れる宮川から付けられた屋号です。

現在の主力銘柄の一つ、萬代芳(ばんだいほう)は5代目の泰三氏が灘の酒蔵で修行した際に貰った酒名だそうです。

もともとは萬代(ばんだい)という酒名を貰って帰って来たそうですが、既に他社が萬代(ばんだい)で商標登録していたことから萬代芳と書いて「よろずよし」と読む酒名が誕生したそうです。

その後、第二次大戦後に現在の読み方である萬代芳「ばんだいほう」に改められたそうです。

写真は古くから残っている蔵の看板。
風が吹く 合資会社白井酒造店|看板

写真の方が9代目蔵元、白井栄一さん。
風が吹く 合資会社白井酒造店|蔵元
そして今、売り出し中の「風が吹く」は平成17酒造年度に9代目蔵元、白井栄一さん立ち上げた新しい銘柄です。

大学卒業後すぐに蔵に戻って来た栄一さんですが、当時はコシヒカリがとても良く売れていた為、酒米を作っていた契約農家がどんどん減り、地元産の五百万石の入手が困難だったそうです。

こうした状況が続き、どうしようかと考えていた時に「直接契約でしたら作りますよ。」と、有機栽培を手掛けている近所の農家さんから声が掛かったそうです。

そして平成13年に有機栽培の五百万石を60%に精米したもので純米酒を製造されました。

更に翌年には、折角有機で栽培した米なんだから乳酸を添加しない山廃で造ってみてはどうか?という考えが生まれます。
地元の精進料理のお店で農家や立ち上げに関わった酒販店と食事会をしている際に、どうせ造るなら酒名も変えて新しいブランドを立ち上げましょうという話に発展します。

丁度、そのお店の障子に「風が吹く」という言葉が書かれていたことから、蔵元は酒名に「風が吹く」を考えられます。
そして障子に書かれていた自体も良かったことから、蔵元は精進料理の店主に事情を説明し、「しっかりと良いお酒が出来た際に酒名として使いたいので障子ごと頂けませんか?」とお願いしたところ、快諾して下さったそうです。

それから2年経過した平成17年。
蔵元が納得する良い酒ができたことから、「風が吹く」が誕生しました。

写真は釜場。
風が吹く 合資会社白井酒造店|釜場

仕込み部屋です。
風が吹く 合資会社白井酒造店|仕込み部屋

風が吹く 合資会社白井酒造店|槽場
酒造りに用いる米は有機栽培の五百万石が中心で、全体の約7割を占めます。
残り2割が一般米、1割が山田錦や夢の香を使っているとのことです。

昔は南部から杜氏が来て酒造りをされていたそうですが、杜氏が高齢化し、3年前から造りのスタートと終盤の時だけサポートして貰い、それ以外の期間は蔵元と地元雇用の蔵人のみで酒造りをされています。

「風が吹く」は最初は山廃しか無かったそうですが、レパートリーが徐々に増えるに連れ、山廃ばかりだと飲み疲れするとの理由で速醸で造った酒も少しはあるそうです。

蔵が目指す酒質は「味わいは深いけど重くない酒」。
そのバランスを目指し、毎年試行錯誤しながら酒造りをされているそうです。

また出荷される酒の大半は生酒です。理由はいくつかあって、一番の理由は生にすることで蔵の中に緊張感が生まれるからだそうです。
生で囲うとなると、蔵の中でも冷蔵保存が必須となり、出荷先の酒販店も冷蔵庫で酒を保管しなくてはいけません。
言い方を変えると生で出荷することによって、皆が冷蔵管理してくれることになり、品質の向上に繋がります。
それと、貯蔵スペースに限りがある為、完成した酒は出来るだけ早く出荷したいという理由もあるそうです。

訪問の証の記念撮影。
風が吹く 合資会社白井酒造店|記念撮影
昔ながらの酒蔵に感心する吾郎。

この蔵で注目の酒は「山廃仕込み純米しずく採り」。
槽で搾る際に酒袋を約1日吊るして自然落下する酒を採取したお酒で、値段は1800mlで2940円。
3000円を切る価格設定で、通常の槽で搾ったお酒より100円高いだけです。

一般的に雫酒となると大吟醸酒や吟醸クラスの酒が中心になりますが、純米酒というスペックでは珍しく、これほど価格が手頃になると日本酒ファンの多くは興味を持たれるのではないでしょうか。

今、福島県から次々に新進気鋭の蔵元が表れ始めましたが、「風が吹く」も注目の存在と言えます。まだまだ出回っていないお酒なので、どこかの居酒屋で見掛けられた際には是非一度飲んで頂きたいです。




商品の購入・質問は風が吹く|合資会社白井酒造店へお問い合わせ下さい。
TEL:0242-54-3022風が吹く、萬代芳(ばんだいほう)醸造元合資会社白井酒造店
ここに書かれているデータは筆者が訪問した時点の情報でございます。

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