2013年11月29日

會州一(かいしゅういち)|山口合名会社

新進気鋭 酒蔵訪問の旅 348蔵目

會州一(かいしゅういち)|山口合名会社

福島県会津若松市相生町7−17


酒名:會州一(かいしゅういち) ■創業:寛永20年(1643年)15代 ■杜氏:社員杜氏 ■仕込み水:弱軟水 ■訪問日:2013/11/29

代表銘柄
會州一 純米酒
會州一 純米吟醸
辛口 會州一

会津松平家初代、保科正之氏が藩主として会津に来たのが1643年。

その同じ年に、鶴ケ城から距離にして約2キロの場所に創業したのが會州一(かいしゅういち)という名の酒を造る山口合名会社です。
會州一(かいしゅういち) 山口合名会社|外観
山口合名会社は寛永20年(1643年)に山口儀兵衛氏が創業した現在で15代続く酒蔵です。

会津に来る以前、儀兵衛氏は山形で商いをされており、その時代の山形藩主は保科正之氏でした。

保科正之氏は1643年に山形から会津若松へやって来ますが、儀兵衛氏はその際に共に付いてきた御用商の一人だそうです。

創業当初は、今より少し離れた場所で、小さな敷地で商いをされていました。

蔵が大きく発展したのは江戸後期の8代目儀兵衛氏の時代。
蔵を今の場所に蔵を移転しました。約1600坪の敷地には11棟の建物があったそうです。

そして会津藩の領内酒造元総取締役という、酒造株を持つ株仲間を仕切るような存在に出世します。今で例えると酒造組合長に似ているのかも知れません。

會州一(かいしゅういち) 山口合名会社|天守閣が見える街

前の日に訪問した大和川酒造で会津藩の酒造許可証には「酒箒(さけほうき)」と記載されている、という話を聞きました。

会州一の蔵元のお話によると、会津地方では、株のことを掃除をする時に使う「箒(ほうき)」と言い、株を2株持っていることを「箒2本」と言ったそうです。

蔵の商売は順調に進むのですが、やがて幕末の会津戦争を迎えます。
籠城戦となったことから蔵の周囲は新政府軍に占領され、蔵の建物は強制的に新政府軍の屯所として使用されたそうです。
戦争による消失は逃れ、戦後には土地建物は全部返して貰えたものの、金目の物は全部無くなっていたとか。

会津戦争以降は酒造りを再開し、商売が繁盛したようで、明治時代には伊藤博文や谷干城(たにたてき)がこの蔵を訪問されたそうです。

そして昭和初期には全国清酒品評会で全国1位に輝きます。
東北の酒蔵の中で、この時代に全国1位になった蔵は数社しかなかったそうです。

昭和19年に山口儀平商店から山口合名会社となり、最盛期の昭和40年には3000石の酒を製造されていたそうです。

昭和後期頃から特定名称酒造りにも力を入れ、平成元年から福島県・東北鑑評会では金賞受賞の常連に。
優れた杜氏にも恵まれ、蔵元の話によると南部美人の前杜氏で現代の名工、勲六等瑞宝章を受賞した山口一杜氏やかつて飛露喜で酒造りをしていた杜氏も、この蔵出身だそうです。

平成10年以降は全国新酒鑑評会で金賞の常連になります。
会津の老舗蔵として順調に成長を続け、特定名称酒造りも起動に乗っていたのですが、平成17年に関連事業(温泉旅館)が破綻。
1600坪の敷地を持つ蔵がホテル事業の担保に入っていた為、経営危機を迎えます。

敷地は生協が買い取る事になりましたが、蔵の建物が会津若松市の歴史的景観指定建物に指定されていたことと、存続を望む市民の声から蔵の建物の一部を地域のコミュニティーなどに使用する施設とし保存されることになりました。

酒造りは平成17年・18年と休業した後に、平成19年より規模を縮小し再開されました。
1600坪あった蔵の敷地は60坪となり、石数は休業前の500石から160石となりました。

會州一(かいしゅういち) 山口合名会社|かつての外観

會州一(かいしゅういち) 山口合名会社|蔵保存について

写真の方は15代目蔵元、山口佳男さん。
會州一(かいしゅういち) 山口合名会社|山口 佳男蔵元

會州一(かいしゅういち) 山口合名会社|商品
酒名「会州一(かいしゅういち)」の会州とは、会津のことです。
長門国を「長州」、土佐を「土州」と呼ばれたのと同様、会津は「会州(かいしゅう)」と呼ばれていたそうで、会津で一番の酒という意味を持つ、この蔵に長く続く酒名です。

現在、蔵で一番売れている酒が、上記写真の会州一純米酒。
その前は会州一辛口という酒が人気で、燗酒にして美味しいことから地元の飲食店を中心によく売れていたとのことです。

写真は釜場。
會州一(かいしゅういち) 山口合名会社|釜場
休業から復活した年は約8割が普通酒だったそうですが、今では製造量も少し増え、造る酒の種類は特定名称酒が主体です。

昨年は10月25日から酒造りが始まり、終了は4月の上旬頃の予定です。
製造石数は約200石で、総仕込み本数タンク18本のうち普通酒は3本のみ。
2本が大吟醸で、残る13本は純米吟醸、純米酒、特別純米酒だそうです。

甘口のお酒が多いと言われる会津地方の地酒の中で、会州一が目指す酒は、飲み始めはスッキリしているものの旨味がしっかりと残るお酒。
しっかりとした味を持ちつつも口当たりはさらりと飲みやすい酒だそうです。

最後に訪問の証の記念撮影。 會州一(かいしゅういち) 山口合名会社|記念撮影
平成25年(酒造年度は平成24年)の全国新酒鑑評会の金賞受賞の表彰状に感心する吾郎。

この蔵は造り手に恵まれているのか、水に恵まれているのか、以前から全国の鑑評会でも金賞受賞が多く、設備を大幅に縮小された今の体制でも手堅く金賞を受賞されています。

現在は地元への出荷が大半ですが、酒造りの腕は確かですので、今後全国市場向きのお酒を造り始めると、製造量が少ない事もあるのでたちまち蔵が凄いことになるかも知れません。

波瀾万丈な歴史を辿ってきた老舗の酒蔵。
かつての栄光を取り戻すことは出来るのでしょうか?
今後の躍進を見守りたい酒蔵です。




商品の購入・質問は會州一(かいしゅういち)|山口合名会社へお問い合わせ下さい。
TEL:0242-25-0054會州一醸造元山口合名会社
ここに書かれているデータは筆者が訪問した時点の情報でございます。

この記事へのトラックバックURL

http://sanoya.jizake.com/t2388

蔵元の熱き思いをお届けします。年間発送1万件以上 地酒のセレクトショップ 佐野屋 地酒.com
◆佐野屋 地酒.com
蔵元の熱き思いをお届けします。年間発送1万件以上 地酒のセレクトショップ。