2013年11月29日

奈良萬(ならまん)|夢心酒造株式会社

新進気鋭 酒蔵訪問の旅 346蔵目

奈良萬(ならまん)|夢心酒造株式会社

福島県喜多方市字北町2932
蔵元のサイト:http://www.yumegokoro.com/index01.html


酒名:奈良萬(ならまん)、夢心(ゆめごころ) ■創業:明治10年(1877年)6代 ■杜氏:社員杜氏(諸派) ■仕込み水:軟水 ■訪問日:2013/11/29

代表銘柄
奈良萬 純米吟醸
奈良萬 純米生酒 無濾過生原酒
夢心 会津金印

奈良萬(ならまん) 夢心酒造株式会社|外観
夢心酒造株式会社は明治10年(1877年)に東海林萬之助(しょうじまんのすけ)氏が創業した6代続く酒蔵です。

萬之助氏は11代続いている東海林家の6代目で、家は土建業(今で言うゼネコン)のような仕事をされていたそうで、道を作った時に、代金は山など土地で頂いていたそうです。

そんなことから代々、土建業で得た土地を含め資金があり、明治の免許緩和の際に酒造免許を手に入れて酒造業に参入されたのではないかとのことです。

創業当時の屋号は「奈良屋」。
喜多方には奈良萬を含め大和川、香具山、大和錦など奈良に関する酒名の酒が多く、蔵元に屋号の由来を質問してみましたが、今ではわからないそうです。

後日、大和川酒造の9代目蔵元、佐藤彌右衛門氏にきいたところ、奈良の大和川沿いでは綿花の栽培と製法の技術を持った人々が住んでいて1600年代に奈良から会津へ移住してきた人がいたとのこと。
そういう人が複数いたのか、分家を続けて広がったのかはわかりませんが、喜多方に奈良にゆかりのある蔵元が多いことには、そういう背景があるようです。

現在の酒名「夢心」は酒造業を創業した萬之助氏の息子、萬次郎氏の時代に誕生した銘柄。
萬次郎氏の夢枕に神様が立って酒名に「夢心とつけなさい」と言われた、というのが酒名誕生の由来だそうです。

写真の方は6代目蔵元、東海林伸夫さん。
奈良萬(ならまん) 夢心酒造株式会社|蔵元
そして、もう一つの主力「奈良萬」は6代目蔵元の代に誕生した銘柄。

先代から学校卒業後は「2年間だけ自由にさせてやる」と言われ、写真が好きだった伸夫さんは写真関係の会社で働かれたそうです。
1995年、蔵に戻ってきた当時は普通酒を中心に約1万石を製造する蔵だったそうです。

しかし、 普通酒がどんどん縮小していく時代。
生き残るために、当時売れていた有名地酒などを参考に、きっちりと日本酒を販売する専門店に限定し出荷する商品、奈良萬を立ち上げます。

地酒業界が純米方向に流れつつあると感じ、奈良萬ブランドに関しては全量純米です。
地元向けの夢心ブランドと、限定流通の奈良萬の2つのブランドで展開されています。

写真は釜場。
奈良萬(ならまん) 夢心酒造株式会社|釜場

酒の造り手ですが、かつては越後杜氏が酒造りをされていたそうです。今はその流れを汲んだ社員によって造られています。

仕込み水は飯豊山(いいでさん)の伏流水。
扇状地である喜多方の地下を流れる飯豊山の伏流水は、100年かけて地下に染みこんだ軟水で、出来上がるお酒は自然とまろやかになるとのことです。

写真はKOS製麹機。
奈良萬(ならまん) 夢心酒造株式会社|KOS製麹機

写真は仕込み部屋を上から撮影したもの。
奈良萬(ならまん) 夢心酒造株式会社|仕込み部屋 上から

で、こちらは仕込み部屋を下から撮影。OSタンクが使用されています。
奈良萬(ならまん) 夢心酒造株式会社|仕込み部屋 下から
醸造設備は山形の酒蔵、大山が設計したOSタンク、KOS製麹機が使われていました。

造りのスタートは10月中旬からで、甑倒しは2月中旬。 3月には製造が終わり、年間で約2千石の酒を製造されているそうです。

酒造りに用いる米は奈良萬に関しては全て五百万石。
夢心も普通酒には地元のチヨニシキを用いますが、概ね地元産の五百万石が中心。
山田錦は殆ど使われないそうです。

というのは平成の初め頃、YK35(山田錦、9号酵母、35%精米)が鑑評会を席巻していた時代、夢心酒造では五百万石で3年連続全国新酒鑑評会で金賞を受賞した事があったそうです。

五百万石でも山田錦と同等の評価が得られるお酒を造ることが出来た自信から、地元産の五百万石を中心に用いられているとのことです。

特に奈良萬に関しては全量が五百万石。
他社では米違いによって酒のレパートリーを広げられている蔵が多いかと思われますが、奈良萬では製造手法を変えることでレパートリーの幅を広げています。

例えば火入れ方法や搾り方の違いで、生・おりがらみ・1回火入れビン貯蔵、生貯蔵、冷やおろしのような生詰め・2回火入れ。と一つの醪(もろみ)から6種類のお酒を造り分ける事が出来ます。

それぞれ味が異なるため、蔵元の話によると単一の米でも味のレパートリーを広げることが出来るそうです。

訪問の証の記念撮影。
奈良萬(ならまん) 夢心酒造株式会社|記念撮影
奈良萬を手に取り笑顔になる吾郎。

バラエティーに富んだ福島県の地酒の中、夢心酒造が目指すのは「本物の喜多方の酒」。
原材料は全て地元産、酵母も福島県で造られた「うつくしま夢酵母」、喜多方の水を用いた喜多方でしか醸すことが出来ない酒。

綺麗で、味わい、切れがあり、ずっと飲んでいられる酒。
華やかなお酒ではなく、穏やかな香りの食中酒。

喜多方・会津でお酒を売っているお店には、必ずと言って良い程夢心が並んでいます。
蔵元は地元では普通酒を一生懸命売っていき、県外には本物の喜多方の地酒を広めていきたいとのことです。

喜多方に沢山ある酒蔵の中でも、奈良萬は首都圏を始め全国の日本酒市場で名が知られるようになった存在です。
訪問して改めて思ったのですが、今度居酒屋などで見掛けた際は、食事と一緒にゆっくり楽しんでみたいと思いました。




商品の購入・質問は奈良萬(ならまん)|夢心酒造株式会社へお問い合わせ下さい。
TEL:0241-22-1266奈良萬、夢心醸造元夢心酒造株式会社
ここに書かれているデータは筆者が訪問した時点の情報でございます。

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