2013年11月28日

蔵枠(くらしっく)|小原酒造株式会社

新進気鋭 酒蔵訪問の旅 345蔵目

蔵枠(くらしっく)|小原酒造株式会社

福島県喜多方市南町2844
蔵元のサイト:http://www.oharashuzo.co.jp/


酒名:蔵枠(くらしっく)、國光(こっこう) ■創業:享保2年(1717年)10代 ■杜氏:社員杜氏(諸派) ■仕込み水:軟水 ■訪問日:2013/11/28

代表銘柄
蔵粋 アマデウス 特別純米酒
蔵粋 純米アリア
蔵粋 純米協奏曲

蔵とラーメンの街、福島県喜多方。
会津若松と米沢を結ぶ街道として栄え、広大な盆地から豊富に穫れる米と、飯豊山系の地下水が豊富であることから、今でも8社の酒蔵が存在しています。

その中の1社、徳川吉宗が将軍だった享保時代から続く300年近い歴史を持つ蔵が小原酒造株式会社です。

蔵枠(くらしっく) 小原酒造株式会社|外観
小原酒造株式会社は享保2年(1717年)に小原嘉左衛門(おはらかざえもん)氏が創業した10代続く酒蔵です。

創業者がどういう経緯から酒造業に参入したのかは分かりません。
かつての屋号は山形屋と言い、味噌や醤油なども取り扱われていたようで、酒造業は事業の中の一つという位置付けで行われていたそうです。

蔵に残る大正時代に撮られた写真によると「國光(こっこう」「イチマル」という酒名の酒を造っていたことが分かります。 また杜氏の隣には大きな犬が写っていて、蔵元の話によると杜氏は飼っている犬まで連れてきていたとのことです。

かつての杜氏は蔵人はもとより、ご飯を炊いたり洗濯したりする人まで引き連れて蔵に来ていたという話を聞いたことがありますが、飼っている犬まで連れて来たという話は初めて聞きました。

蔵枠(くらしっく) 小原酒造株式会社|釜場

現在の代表銘柄、蔵枠(くらしっく)は平成元年に誕生したモーツアルトを聴かせて醗酵させたお酒です。

蔵元が昭和62年に東京の滝野川にあった醸造試験所で勉強をされていた時、第6研究室というところで酵母の実験が行われていたそうです。

酵母に紫外線を当てたり超音波を当てたりして、突然変異が起こらないかという実験をしていたのですが、耳に聞こえない音ではなく聞こえる音でも実験してみようと、酵母に様々な音を当てて醗酵させてその結果を調べることになったそうです。

ノイズ、クラシック音楽など様々な音を当てて酵母の死滅、増殖速度のデータを取ったところ、クラシックを掛けたグループ(バッハ ベートベン モーツアルト)の酵母が増殖において最も良い数字が出たとのことです。

次に実際の仕込みのサイズでクラシックのグループだけに同様の実験したところ、モーツアルトを聞かせた醪の酵母の増殖速度が最も早く、香りも綺麗な酒が出来たという実験結果を知り、モーツアルトを聴かせて醗酵せる酒の製造を考えます。

しかし、そんな蔵元の考えに周囲は反発。
当時は、南部杜氏が酒造りをされており、杜氏が「クラシック音楽なんかが流れていたら気になって仕事の邪魔になる。演歌だったらいいけど」と言われたとか。

そういう杜氏を説得し、平成元年に本醸造のタンク1本だけにモーツアルトを聴かせて発酵させた酒、蔵枠(くらしっく)ブランドが誕生します。
同時に、地元レギュラーの國光など全製造を特定名称酒にスペックアップされました。

この酒を売り込もうと、蔵元は問屋まわりをしたのですが、当時の日本酒業界はリベート・条件が幅を利かせていた時代。
蔵元はクラシック音楽を聴かせた酒は、リベートや条件を出さずに販売する方針でいた為、問屋まわりをして売り込んでも相手にされなかったそうです。

しかし、吟醸酒ブームが起こり、「良いお酒があれば持って来て下さい」と言ってくれる小売店が現れるようになり、地酒の販売にやる気のある小売店から注文が入るようになったとのことです。
そして翌年には「純米を造って欲しい」「吟醸は無いのか?」などのリクエストに応える形でラインナップを増やし、やがて蔵の主力銘柄に変わっていったそうです。

その後2009年には全量純米化。
地元レギュラー酒も純米化したので、國光 純米酒は一升瓶で1943円とお買い得です。

写真は麹室の外観。
蔵枠(くらしっく) 小原酒造株式会社|麹室の入り口
外がレンガで覆われた麹室です。
古い酒造りの様子が描かれた絵を見ると、麹室は土壁で覆われていますが、明治から大正、昭和初期には外をレンガで覆った麹室があったようです。
古い建物をそのまま使っている蔵に行くと、時々、レンガ造りの麹室を見ることが出来ます。

蔵枠(くらしっく) 小原酒造株式会社|麹室

写真は仕込み部屋。
蔵枠(くらしっく) 小原酒造株式会社|仕込み部屋

蔵枠(くらしっく) 小原酒造株式会社|槽場
仕込み水は飯豊山の伏流水です。 喜多方は扇状地になっており、約100年の年月を掛けて地下を通ってきた水は軟水です。

使用する米の殆どは兵庫の山田錦。
一部、実験的に敢えて精米を控えた75%精米のひとめぼれを使用。(蔵枠 純米アリアという酒)

一番たくさん売れている酒は蔵枠 特別純米 アマデウス。山田錦60%精米で価格は一升瓶で2050円(税抜き)。

福島県の会津地方は昔から少し甘い酒が好まれていた地域と言われていますが、蔵元が目指す酒はそんな郷土の味とは間逆な淡麗辛口の酒。スーッと水のように飲めて、さらっとした辛口のお酒を目指されているとのことです。

その理由は滝野川の試験場で勉強していた時、全国の酒を買い集めて試飲された際に、関西の蔵の酒で、スッと水のように飲めるさっぱりした酒があり、蔵元はその味に感動されたそうです。
それがきっかけとなり、スッと水のように飲めるさらっとした純米の酒を造っていきたいと思うようになられたとのことです。

最後に訪問の証の記念撮影。
蔵枠(くらしっく) 小原酒造株式会社|記念撮影
蔵の主力アイテム、蔵枠 純米 アマデウスに驚く吾郎。

当初、本醸造でスタートした蔵枠 アマデウスですが2009年以降、純米酒となり値段は一升瓶で2050円(税抜き)という低価格。

全体的に一升瓶で2千円前半のお酒が多く、日本酒ファンには魅力的な商材かなと思いました。
気になって酒屋で1本買って帰りましたが、飲み応えがありつつも切れの良いお酒だと感じました。
肩肘張らずに楽しむ日常酒としてお勧めの日本酒です。




商品の購入・質問は蔵枠(くらしっく)|小原酒造株式会社へお問い合わせ下さい。
TEL:0241-22-0074蔵枠、國光醸造元小原酒造株式会社
ここに書かれているデータは筆者が訪問した時点の情報でございます。

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