2013年11月28日

弥右衛門(やうえもん)|合資会社大和川酒造店

新進気鋭 酒蔵訪問の旅 344蔵目

弥右衛門(やうえもん)|合資会社大和川酒造店

福島県喜多方市字寺町4761
蔵元のサイト:http://www.yauemon.co.jp/


酒名:弥右衛門(やうえもん)、大和川(やまとがわ) ■創業:寛政2年(1790年)9代 ■杜氏:社員杜氏 ■仕込み水:軟水 ■訪問日:2013/11/28

代表銘柄
カスモチ原酒 弥右衛門酒
純米大吟醸 酒星眼回
純米大吟醸 大和川 四方四里 身土不二

合資会社大和川酒造店は江戸時代中期、寛政2年(1790年)に佐藤彌右衛門(さとうやうえもん)氏が創業した現在で9代続く酒蔵です。
弥右衛門(やうえもん) 合資会社大和川酒造店|外観
写真は平成2年に建てられた飯豊(いいで)蔵。

彌右衛門氏の祖先は1600年代に奈良から会津へ移り住んだと言われています。

奈良県を流れる大和川は度々氾濫し、流域に被害をもたらし、その度々に治山・治水が行われ、新しく出来た土地には綿の木を植え、綿花から綿を紡いだそうです。 その結果、大和川流域には綿の木の栽培と製綿の技術が蓄積されていき、その技術を持った人々が会津に渡って来たと言われています。

彌右衛門氏の祖先もそのうちの一人ですが、国替えで藩主に付いて行ったのか、技術者として会津に来たのかは分かりません。
喜多方の北にある松山町村松という場所で製綿業を営みます。
その家に生まれたのが彌右衛門氏ですが、長女が婿を取って家督を継いだ事により分家。
1770年頃に現在、北方風土館が建つ寺町にて綿業を始めたそうです。

この寺町という場所は越後北街道の要所、更には米の流通地だったそうで、この地での商いの実績が買われ、本家の信用力もあって1790年(寛政二年)に会津藩から酒箒(さけほうき)[酒造免許]を頂き酒造業を始めます。

酒箒(さけほうき)とは酒林の事を意味しますが、会津藩では酒造株の事を「酒箒」を表現していたようで、蔵元の話によると、蔵に残る会津藩の許可証にも「酒箒(さけほうき)」と記されているとの事。

創業当初の屋号は「大和彌」と言い、この名前は明治の中期まで続き、その後は「大和川」となります。

彌右衛門氏が生まれた本家はその後の世代でも分家が続き、その分家からも分家が生まれ、香久山、天香、大和錦、峰の雪、花錦といった銘柄が誕生したそうです。しかし現在、残っているのは大和川酒造と峰の雪の2社のみです。

左端の酒「カスモチ原酒 弥右衛門酒」がこの蔵の看板商品。
弥右衛門(やうえもん) 合資会社大和川酒造店|商品
この蔵の看板銘柄「カスモチ原酒」は明治時代から地元の人から重宝されてきた、麹歩合の高いコクのある甘口酒。

カスモチのカスとは醪(もろみ)のことで、モチは(もたせる)という意味です。つまり、醪を長く持たせる(醪を長期醗酵させる)ということです。

第二次大戦中はコメ不足により製造を休んでいたものの、昭和36年に「伝家のカスモチ原酒 彌右衛門酒」として復活。

昔からのファンに愛飲され、「糖類を使わない酒としては、日本で一番甘い」という個性豊かな酒として現在もなお人気の商品です。

かつては、このカスモチ原酒のみを製造していた時期があったそうなのですが、今では大和川、弥右衛門、酒星眼回(しゅせいがんかい)、良志久(らしく)の4ブランドを展開。濃醇甘口なお酒だけではなく、さっぱりした辛口のお酒まで味のレパートリーを増やされています。

弥右衛門(やうえもん) 合資会社大和川酒造店|弥右衛門

酒星眼回は、北方風土館でしか買えないお酒です。ラベルは小川芋銭の絵が描かれています。
弥右衛門(やうえもん) 合資会社大和川酒造店|酒星眼回

弥右衛門(やうえもん) 合資会社大和川酒造店|展示館

かつて蔵があった建物は、北方風土館として古い酒造道具や資料の展示、お酒の試飲販売などが行われています。

弥右衛門(やうえもん) 合資会社大和川酒造店|売店

写真は北方風土館から車で約5分の場所に位置する飯豊(いいで)蔵の釜場。
弥右衛門(やうえもん) 合資会社大和川酒造店|釜場

蔵は昭和62年(1987年)に新蔵建設のため2600坪の土地を購入。
3年後の平成2年(1990年)に、当時最新鋭の設備を持つ飯豊(いいで)蔵が完成します。
外観は和風建築物ですが鉄筋の3階建て。

写真はKOS製麹機。
弥右衛門(やうえもん) 合資会社大和川酒造店|KOS製麹機

製麹機とは別に杉張りの麹室もあります。
弥右衛門(やうえもん) 合資会社大和川酒造店|麹室

写真は酒母室。
弥右衛門(やうえもん) 合資会社大和川酒造店|酒母室

写真は仕込みに使われるOSタンク。
弥右衛門(やうえもん) 合資会社大和川酒造店|仕込み部屋 OSタンク

槽場は空調が効く個室に圧搾機が2機、置かれていました。
弥右衛門(やうえもん) 合資会社大和川酒造店|槽場

毎年10月初旬より造りを開始。
3月中旬に甑倒しが行われ、全て搾り終えるのが4月中旬。
年間で約1300石の日本酒を製造しています。

原料米については、喜多方市内にある約14町の自社田で自社栽培している夢の香、五百万石、雄町、山田錦をメインに使用。
飯豊山の伏流水(軟水)が豊富で、全量地下水による仕込みが行われています。

10年前ほどまでは越後杜氏が来て酒造りをされていたそうですが、今は現蔵元の弟さんが杜氏となり酒造が行われているとのことです。

醸造設備は山形の酒蔵の大山が設計したOSタンク、KOS製麹機が置かれていましたが、それとは別に、昔ながらの麹室もあり、近代設備の良さと昔ながらの手造りの良さの両方を残した蔵です。
どのフロアも床がピカピカでとても近代的かつ衛生的に感じました。

最後に訪問の証の記念撮影。
弥右衛門(やうえもん) 合資会社大和川酒造店|記念撮影
蔵の代表商品、カスモチ原酒 弥右衛門酒に注目する吾郎。

実は甘口のお酒も好きで、独特の甘みを持つと言われるカスモチ原酒にとても興味があります。

ネットが普及する以前は、貴醸酒や全麹仕込みによる濃醇甘口の酒とは早々に出会える事が無く、飲む機会が少なかったのですが、ネットが普及した今では以前よりは比較的簡単に手に入れられる時代になりました。

そうなると、単に甘い酒というだけではなく、そこから更に一歩踏み込んだ個性的な甘さが求められるようになります。

次世代の蔵元の話によると、古くからこの酒を知る地元の愛好家の話ですと「昔はもっと個性的な甘口だった」とか。
今でも他には無い甘味・旨味を持っているお酒ですが、更に特徴を出し認知度を広めていきたいとのことです。
今後の躍進が期待出来るお酒です。




商品の購入・質問は弥右衛門(やうえもん)|合資会社大和川酒造店へお問い合わせ下さい。
TEL:0241-21-1500弥右衛門、大和川醸造元合資会社大和川酒造店
ここに書かれているデータは筆者が訪問した時点の情報でございます。

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