2013年11月21日

甲子正宗(きのえまさむね)|株式会社飯沼本家

新進気鋭 酒蔵訪問の旅 337蔵目

甲子正宗(きのえまさむね)|株式会社飯沼本家

千葉県印旛郡酒々井町馬橋 106
蔵元のサイト:http://www.iinumahonke.co.jp


酒名:甲子正宗(きのえまさむね) ■創業:元禄年間(1688〜1704年)14代 ■杜氏:南部杜氏(社員) ■仕込み水:弱硬水 ■訪問日:2013/11/21

代表銘柄
甲子正宗 吟醸辛口
甲子正宗 純米吟醸
甲子正宗 純米酒 黒ラベル

千葉県の北部中央に位置する酒々井町(しすいまち)。
「酒々井」という地名は、「孝行息子の井戸から酒が湧いた」という言い伝えから付いた地名といわれ、今でも地下水が豊富な地域。

この酒々井の地に古くから続く酒蔵が甲子正宗(きのえまさむね)という酒を造る株式会社飯沼本家です。
甲子正宗(きのえまさむね) 株式会社飯沼本家|外観
株式会社飯沼本家は元禄年間(1688〜1704年)に創業したと伝えられる現在で14代続く酒蔵です。

この地域は縄文時代から人が住んでいた形跡があり、飯沼家は鎌倉時代頃からこの地に住んでいたと伝えられています。
創業が元禄年間で現在14代続いていると言われるのは寺に残る過去帳には、それ以前の記載が無いためで、実際にはもっと古くからこの地に住んでいたと言われています。

江戸時代、飯沼家は佐倉藩に年貢を納める庄屋の役割を担っていて、藩主の命により余剰米で酒造りを行っていたそうです。
当主は治右衛門(じえもん)という名を代々世襲していたそうですが、今の代から数え4代前から襲名していないとの事。

酒名の甲子正宗(きのえまさむね)とは、甲(きのえ)の年に酒造業を本格的に開始したと言われていて、甲は甲乙丙の先頭なので、関東一の酒を目指すという意味が込められているとの事。

写真の「佳撰 甲子辛口」が一番売れている酒。
甲子正宗(きのえまさむね) 株式会社飯沼本家|商品

純米吟醸 白ラベル、純米黒ラベルは現在、蔵が力を入れているこだわりの酒。
甲子正宗(きのえまさむね) 株式会社飯沼本家|商品

蔵には「酒々井まがり家」という店があり、酒の購入が出来ます。
甲子正宗(きのえまさむね) 株式会社飯沼本家|売店

甲子正宗(きのえまさむね) 株式会社飯沼本家|外観_裏から
現在の飯沼本家では、平成5年に建てられた鉄筋3階建ての北総蔵と呼ばれる建物の中で酒造が行われています。

酒造りの責任者はこの蔵で18年間社員として酒造りに携わっていた川口孝一さん。
入社した頃は、また南部から来ていた杜氏と一緒に酒造りをされていたそうで、平成15年からこの蔵の工場長となり酒造りの指揮を取られているとのこと。
南部杜氏の県外会員に所属されているそうです。

写真は精米機。使用する米の9割は自社で精米しているとの事。
甲子正宗(きのえまさむね) 株式会社飯沼本家|精米機

造りは毎年9月の末ごろからスタート、3月に甑倒し、4月に皆造。
年間で約1400石の酒を製造。

酒造りに用いる米は特定名称には五百万石が中心、普通酒には千葉県の飯米ふさこがね。
水が豊富な地で仕込み水はもちろん洗い物に至るまで、使用する水は全て地下水(中硬水)を使用しているとの事。

南部流の酒造りを引き継いている事と、新しい蔵が衛生的である事から造られる酒は綺麗かつ柔らかいタイプの酒。水は中硬水ですがゴツゴツした水ではないので、出来上がる酒は柔らかく感じるとのこと。

純米吟醸など吟醸系は香りが豊かなタイプにシフトしているそうです。

それと一部に、特徴を全面的に出していく酒として、精米歩合80%の線の太い純米酒を造ったり、りんご酸を出す酵母を用いた「きのえねアップル」という名の日本酒を造るなど、新しいジャンルへの酒造も積極的に行っているとの事です。

写真は釜場。
甲子正宗(きのえまさむね) 株式会社飯沼本家|釜場
釜場は連続蒸米機と昔ながらの和釜が置かれています。

普通酒をはじめ6トン以上で仕込む大きな仕込みの時は連続蒸米機を使用。
それ以下の小さな仕込み、特定名称などこだわったお酒は和釜で米を蒸すそうです。

写真はKOS製麹機。
甲子正宗(きのえまさむね) 株式会社飯沼本家|KOS製麹機

甲子正宗(きのえまさむね) 株式会社飯沼本家|麹

写真は昔ながらの麹室。
甲子正宗(きのえまさむね) 株式会社飯沼本家|麹室

蔵には山形県の大山(加藤嘉八郎酒造株式会社)と佐々木貞治商店が開発した醸造システム(OSタンク、KOS製麹機)と同時に、昔ながらの和釜、麹室も配置されていました。

写真は仕込み部屋を上から見たところ。
甲子正宗(きのえまさむね) 株式会社飯沼本家|大きな仕込み部屋

OS式の仕込みタンク。櫂(かい)がタンクに装着。
甲子正宗(きのえまさむね) 株式会社飯沼本家|OS仕込みタンク
櫂入れは重労働である上に、しっかりとかき混ぜないとムラが現れます。

櫂入れの作業は必ずしも人間が手作業で行うことが優れているとは限りません。 コンピューターでプログラミングする事で24時間、昼夜を問わず必要なタイミングで櫂入れを機会が実行してくれます。

サーマル同様、外側には冷水が流れる層があり、温度のコントロールもプログラミングで行えます。

醪のデーターを取り、どう醗酵をコントロールするのかは人間が考え、かき混ぜたり冷水を流したりする作業は機械が行います。

写真は吟醸の仕込み部屋。
甲子正宗(きのえまさむね) 株式会社飯沼本家|吟醸仕込み部屋

吟醸の小仕込にも一部OSタンクが用いられています。
甲子正宗(きのえまさむね) 株式会社飯沼本家|OS仕込みタンク

写真は槽場です。
甲子正宗(きのえまさむね) 株式会社飯沼本家|槽場
写真の通り槽場は、個室の中にあり、空調で温度調整が可能。
また剥がし取った酒粕を回収作業しやすくする為、足場が高く作られていました。

昔ながらの槽も存在。
甲子正宗(きのえまさむね) 株式会社飯沼本家|昔ながらの槽

最後に訪問の証の記念撮影。薮田式圧搾機の足場の高さに驚く吾郎。
甲子正宗(きのえまさむね) 株式会社飯沼本家|記念撮影
蔵は近代的でとても清潔です。

近代的な醸造機器(OS式、KOS製麹機)などと同時に、昔ながらの機械(和釜、麹室、槽)の両方を用いる事で、両方の長所を活かした酒造りをされている点が素晴らしいと思いました。
この日はレンタカーでの訪問だったのでお酒を試飲することが出来ませんでしたが、チャンスがあれば「きのえねアップル」を飲んでみたいと思います。




商品の購入・質問は甲子正宗(きのえまさむね)|株式会社飯沼本家へお問い合せ下さい。
TEL:043-496-1111甲子正宗醸造元株式会社飯沼本家
ここで書かれているデーターは筆者が訪問した時点の情報となります。

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