2013年09月09日

嘉泉(かせん)、田むら|田村酒造場

新進気鋭 酒蔵訪問の旅 331蔵目

嘉泉(かせん)、田むら|田村酒造場

東京都福生市福生626
蔵元のサイト:http://www.seishu-kasen.com/kura/index.html


酒名:嘉泉(かせん)、田むら ■創業:文政5年(1822年)16代 ■杜氏:南部杜氏 ■仕込み水:中軟水 ■訪問日:2013/09/09

代表銘柄
特別本醸造 嘉泉
田むら 純米吟醸 吟ぎんが
田むら 純米吟醸 山酒4号

東京の酒蔵というと皆様はどのようなイメージを持たれているでしょうか?
東京で酒が造れるの?東京に酒蔵があったの?と思われている方も多く、想像がつかないと思いますが、今回訪問した西東京の酒蔵、石川酒造株式会社、田村酒造場、小澤酒造はとても美しい蔵です。
中でも、京都の伏見の酒蔵を思わせるような見事な蔵が、嘉泉(かせん)という名の酒を造る田村酒造場です。

嘉泉(かせん) 田村酒造場|外観
田村酒造場は文政5年、福生村の名主であった田村家9代目、勘次郎氏が創業した190年を超える歴史を持つ蔵元です。
田村家は家全体で16代続き、当主は「半十郎」という世襲名を名乗ります。

勘次郎氏は酒造業をおこすため良い水を求めて色んな場所に井戸を掘ったそうですが、大ケヤキの傍らに井戸を掘ったところ良い水脈に当たったそうです。
良い水を探し当てたことで酒造業を開始し、良き泉であるという事から酒名の「嘉泉(かせん)」が誕生します。屋号は鍵十(かぎじゅう)と名乗っていたそうです。

この地域では小学校の社会の授業で「玉川上水」という、江戸の町に水を供給するため作られた全長約43キロに渡って作られた水路について教わるそうです。その玉川上水から数多くの分水があり、それぞれの地域の田畑に水を供給していたいました。

その分水の1つ、田村分水は慶応3年に田村家が取水件を得て作った分水。
多くの分水がある中、個人の分水というのは田村分水と砂川分水の2つしか存在しなかったそうで、田村家が名主としての力があったことが伺えます。

写真は玉川上水。左手前にある円筒形の構造物がある位置に、田村分水の入り口があります。 嘉泉(かせん) 田村酒造場|玉川分水

写真はかつての精米小屋。
玉川上水から引きこまれ水は、水車を動かしてこの精米小屋の中で米を磨いていたそうです。
嘉泉(かせん) 田村酒造場|昔の精米小屋

写真は精米に使っていたと言えれる石臼。
嘉泉(かせん) 田村酒造場|石臼

蔵の中庭を流れる分水。
嘉泉(かせん) 田村酒造場|庭
緑の芝生、手入れされた木々。 蔵の広大な敷地の中にはご覧のようなお庭が有り、その中を川が流れます。

酒蔵の多くは、財を成した商人や庄屋をルーツとしますが、江戸期から150年過ぎた今、名家の面影を残す蔵は現在では少なくなりました。
私は様々な蔵を見て回りましたが、このような名家が保たれている立派な蔵はなかなか目にしません。しかも東京都の蔵です。
私は今回の酒蔵訪問で東京都の酒蔵のイメージは変わりました。

写真が現在でも酒造りに用いる水を得ている井戸。
嘉泉(かせん) 田村酒造場|井戸
井戸の周囲は多くの木が茂ります。

井戸の傍らには大ケヤキが立ちます。

嘉泉(かせん) 田村酒造場|ケヤキの木

嘉泉(かせん) 田村酒造場|日本酒
手前の黒のラベルは嘉泉 特別本醸造 幻の酒。
奥に見える酒は嘉泉 特別純米酒 幻の酒。

この酒は級別制度が残っていた時代に売れていた酒で、いわゆる無監査の酒。
当時は65%も精米していた米を使い、監査に通せば特急に認定されるクラスの酒ですが、酒税が高くなるので価格を抑えるために監査せずに2級酒として市販。

監査を通さないことで特急酒クラスの酒を安い価格で買えたことから、当時はとても良く売れたそうです。
しかし級別制度が廃止となり無監査である事のメリットがなくなります。
そして現在では精米歩合を60%まで上げ特別本醸造として出荷。
現在でも全体の3割を占める蔵の主力商品の一角との事。

嘉泉(かせん) 田村酒造場|田むら
創業銘柄である嘉泉に対し、平成17年に誕生した新銘柄が「田むら」。

使用する米は、岩手県産の吟ぎんがと山形県産の山酒4号。それらを55%まで精米した純米吟醸。

酵母を3〜4種類使い、それぞれを小仕込みで仕込み、最後に1つにブレンドをするために、独特な複雑な味わいを持つのが特徴。

蔵元直取引による限定流通商品で、地元が中心ながらも北海道から九州まで全国に特約店があるとの事。

六角形の煙突が美しいこの蔵の中で酒が醸されます。

嘉泉(かせん) 田村酒造場|外観

写真は釜場。近代的かつ昔ながらの釜場です。 嘉泉(かせん) 田村酒造場|釜場

嘉泉(かせん) 田村酒造場|麹室

嘉泉(かせん) 田村酒造場|酒母

嘉泉(かせん) 田村酒造場|仕込み部屋

嘉泉(かせん) 田村酒造場|吟醸仕込部屋

嘉泉(かせん) 田村酒造場|槽場

写真は貯蔵タンク。
嘉泉(かせん) 田村酒造場|貯蔵タンク
容量は3380リットルと書かれていますが、小仕込みで造る「田むら」の3仕込み分をブレンドするのに丁度いい大きさのタンクとか。

私が訪問した次期は、まだ製造が行われていませんでしたが写真の通り、とても清潔で散らかった感じは皆無。
ここまで綺麗な蔵は早々ありません。

訪問の証の記念撮影。
嘉泉(かせん) 田村酒造場|記念撮影
限定流通商品、田むらを手に取り感心する吾郎。

正直、訪問して驚きました。 事前に描いていたイメージと、直接現場で見た蔵とイメージが大きく違いました。

綺麗なのは外観だけではなく、蔵の中もご覧のとおり。
特に仕込みタンクは近代化されていて大手の蔵を見ているような感じ。
まだ全国区では名前をきかないものの、要注目の蔵だと思いました。




商品の購入・質問は嘉泉(かせん)、田むら|田村酒造場へお問い合せ下さい。
TEL:042-551-0003嘉泉、田むら醸造元田村酒造場
ここで書かれているデーターは筆者が訪問した時点の情報となります。

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