2013年09月09日

多満自慢(たまじまん)|石川酒造株式会社

新進気鋭 酒蔵訪問の旅 330蔵目

多満自慢(たまじまん)|石川酒造株式会社

東京都福生市熊川1
蔵元のサイト:http://www.tamajiman.co.jp


酒名:多満自慢(たまじまん)、たまの八重桜、東京地ビール 多摩の恵 ■創業:文久3年(1863年)18代 ■杜氏:社員杜氏(諸派) ■仕込み水:中硬水 ■訪問日:2013/09/09

代表銘柄
多満自慢 上撰 本醸造
多満自慢 純米大吟醸原酒 秋の慶
多満自慢 純米大吟醸 たまの慶

東京駅から電車で約1時間20分の場所に位置する福生市熊川。
いくら郊外とはいえそこは東京都、往復4車線の国道はトラックなど交通量が多く、車から見える景色はのどかな地方の光景とは異なります。

都会の酒蔵なのでそう敷地は広いはずが無いだろう。昔ながらの建物でこじんまりした酒蔵を想像しながら蔵に向かったのですが、蔵の近くの曲がり角を曲がった途端に景色が一変。

大きな木々が茂り、通りに向こうまで続く白壁の美しい建物。
一瞬、古い城下町にタイムスリップしたかのような錯覚に陥るこの酒蔵は、多満自慢(たまじまん)という酒を造る石川酒造株式会社です。

多満自慢(たまじまん) 石川酒造株式会社|外観

多満自慢(たまじまん) 石川酒造株式会社|看板
石川酒造株式会社は文久3年(1863年)に石川和吉氏が創業した現在で18代続く酒蔵です。
石川家は室町時代から続くと言われる長い歴史を持つ家で、蔵のホームページによると江戸時代には庭場という近隣の共同社会の長として、また幕府直轄領熊川村の名主として地域のリーダーの役割を果たしていたと書かれています。

石川家13代目当主の石川 和吉氏が文久3年(1863年)に酒造業を開始。
創業当初の酒名は八重桜(やえさくら)といい、大正8年に「八重梅」に改名。
そして昭和8年、多摩地域だけではなく、より多くの人たちの心を満たすことが出来るようなお酒を目指す、という志より現在の主力銘柄「多満自慢(たまじまん)」が誕生します。

写真は本蔵と呼ばれる建物。
多満自慢(たまじまん) 石川酒造株式会社|建物
1880年(明治13年)に建てられた土蔵作りの三階建ての蔵。
高さ13メートル、横25メートル、奥行き28メートル。
真夏、外は35度くらい気温があっても、この蔵の中は20〜22度くらいまでしか温度が上がらないとか。
国の有形文化財に指定されていおり、この蔵の中で日本酒の製造・貯蔵が行われています。

写真は石川酒造のシンボルの1つ夫婦欅。樹齢は400年位上との事。
多満自慢(たまじまん) 石川酒造株式会社|夫婦欅

多満自慢(たまじまん) 石川酒造株式会社|熊川分水
蔵の中を流れる、玉川上水の熊川分水。

玉川上水とは江戸の町に水を供給するために、1653年に現在の羽村市から約43キロに渡って作られた水路です。

熊川分水は玉川上水からの分水で、熊川村の生活用水を供給するため明治19年から23年にかけて作られた用水路。
かつて石川酒造はこの水を利用し水車を動かし精米をしていたとの事。
玉川上水については、この地域では小学校で習うそうです。

多満自慢(たまじまん) 石川酒造株式会社|蔵の中
石川酒造では、かつては新潟の松代町(十日町市)から来る越後杜氏が酒造りをされていました。
しかし現在は東京農大で醸造学を学んだ社員が、先代の越後杜氏から技を教わり南部杜氏の勉強会などにも参加し酒造りを継承されています。

酒造りに用いる水は、上総層群東久留米層という地層(地下150メートル)から組み上げてきた地下水を使用。水質は中硬水。

毎年11月の上旬に新酒を出荷するので、それにあわせて秋の早い段階から製造を開始。
甑倒しは毎年2月の中旬から下旬頃。4月には搾りが終わり、年間約1500石の酒を製造。
造られる酒の大半は地元で消費との事ですが、地元が大消費地の東京というだけあって、普通の地方蔵と比べ製造量はかなり多いと思います。

造られる酒は、どちらかというと少し甘口傾向の酒だそうで、淡麗辛口ではなく旨口傾向。
淡麗辛口の酒も造られてはいますが全体としては極味があるタイプ。

今年創業から150週年を迎え、その記念酒として創業銘柄にちなんだ酒「たまの八重桜」を販売。純米酒で米の甘みがある酒との事。

写真はかつて蔵がビールを製造していた時に使用していた麦汁の煮沸釜。
多満自慢(たまじまん) 石川酒造株式会社|ビール釜
明治時代には日本には100〜150くらいの地ビールメーカーがあったそうですが、石川酒造は明治21年にビール造りを始められたそうです。
写真の釜はその当時のビール造りに用いられていた煮沸釜です。

現存する日本最古のビール釜ではないかと言われています。
石川酒造では明治21年にビールの醸造を始められたそうですが、打栓技術・冷蔵技術が行き届かなかった為、時期尚早と判断し1年でビールの製造をやめてしまいます。
その後、この釜は蔵の敷地の中で埋もれてしまい、忘れ去れた事によって第二次世界大戦の金属回収を免れたそうです。

現在では写真のようの敷地内に展示されていて、中を除くと見学をされてきた方が投げ込んだと思われる小銭が入っていました。

明治時代に早々に撤退したビール事業ですが、平成10年に再びビール事業を開始。
多摩の恵というビールを製造されています。

多満自慢(たまじまん) 石川酒造株式会社|ビール蔵 入り口
写真はビール工場の入口。

多満自慢(たまじまん) 石川酒造株式会社|ビール蔵

多満自慢(たまじまん) 石川酒造株式会社|ビールのラベル

写真は資料館。
多満自慢(たまじまん) 石川酒造株式会社|資料館

多満自慢(たまじまん) 石川酒造株式会社|資料館
蔵には資料館が有り、酒造りに関する資料、分水など地域に関する資料、明治時代に製造していたビールのラベルなどが展示されています。

写真は蔵の売店。
多満自慢(たまじまん) 石川酒造株式会社|売店

多満自慢(たまじまん) 石川酒造株式会社|日本酒
売店をはじめ、蕎麦・和食やビールが楽しめるレストランも併設されています。

多満自慢(たまじまん) 石川酒造株式会社|多摩の恵 蔵には全部で6つの文化庁登録有形文化財の建物があり、レストラン・売店・資料館が併設。
NIKKEIプラス1の何でもランキングのコーナーで「蔵見学におすすめの酒蔵」としてもランクインするなど、とても訪問者にオープンな蔵です。蔵見学におすすめする蔵の1つです。

最後に訪問の証の記念撮影。
多満自慢(たまじまん) 石川酒造株式会社|記念撮影
蔵の仕込水、上総層群東久留米層の地下水の美しい味に驚く吾郎。




商品の購入・質問は多満自慢(たまじまん)|石川酒造株式会社へお問い合せ下さい。
TEL:042-553-0100多満自慢、たまの八重桜、東京地ビール 多摩の恵醸造元石川酒造株式会社
ここで書かれているデーターは筆者が訪問した時点の情報となります。

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