2013年03月19日

弥栄鶴(やさたつる)|竹野酒造有限会社

新進気鋭 酒蔵訪問の旅 324蔵目

弥栄鶴(やさたつる)|竹野酒造有限会社

京都府京丹後市弥栄町溝谷3622-1
蔵元のサイト:http://www.yasakaturu.co.jp/


酒名:蔵舞(くらぶ)、弥栄鶴(やさたつる) ■創業:昭和22年(1947年)5代 ■杜氏:能登杜氏(蔵元杜氏) ■仕込み水:中軟水 ■訪問日:2013/03/19

代表銘柄
亀の尾蔵舞
弥栄鶴 山廃純米七〇
祝蔵舞

京都府の日本海側に位置する丹後半島。
天橋立が有名なこの地は米どころでもあり、この小さな半島の部分だけで9件の酒蔵が存在しています。

その中の一社、注目の新進気鋭の若手醸造家として静かに注目されている蔵が有ります。
弥栄鶴(やさたつる)という名の酒を造る竹野酒造有限会社です。

竹野酒造有限会社は第2次世界対戦の企業整備令によって休業していた行待(ゆきまち)酒造場の呼びかけにより4社が合併し誕生した酒蔵です。
弥栄鶴(やさたつる) 竹野酒造有限会社|外観

行待酒造場はこの地に長く続く地主である行待 喜一郎(ゆきまち きいちろう)氏が明治中期に創業した酒蔵。

千年勢(ちとせ)という酒名の酒を製造していましたが昭和19年に企業整備例で休業を余儀なくされます。そして戦後、3代目の歌造(うたぞう)氏が酒造業の再開を決意。

当時の酒造免許は酒株制度のように免許によって製造可能な量が決まっていたそうです。
そこで1社での再開ではなく、4社の酒造免許を集めることで約600石の製造が可能になることから4社が合併し竹野酒造有限会社の名前で酒造業を復活します。

復活後、数年間は行待酒造場が用いていた酒名「千年勢(ちとせ)」という名の酒を造っていたそうですが、4社で合併したということなので統一銘柄を作ろうという話となり、昭和25年に現在の代表銘柄、弥栄鶴(やさたつる)が誕生します。

写真の方は5代目蔵元、行待 佳平(ゆきまち よしへい)さん。
弥栄鶴(やさたつる) 竹野酒造有限会社|行待 佳平(ゆきまち よしへい)蔵元
蔵は昭和22年創業で現在5代という理由は、前身である行待酒造場の代を数えているとの事。

現在の竹野酒造では6代目となる29歳の行待 佳樹(ゆきまち よしき)さんが杜氏となり酒造りが行われています。

佳樹さんは東京農大卒業後、石川県の常きげんにて能登杜氏四天王と言われる農口杜氏の元で2年間修行。その時の同期に、同様に現在注目の兵庫県は淡路島の酒蔵「都美人」の山内邦弘さんがおられたそうです。

蔵に戻ってきてから3年目となる25歳の時に杜氏に就任。現在は造り歴は8年という新進気鋭。 能登杜氏組合に所属。

弥栄鶴(やさたつる) 竹野酒造有限会社|商品
蔵はかつては三増酒を造っていた時期があったそうですが、10年前に蔵元が「純米酒をきっちり造ろう」と方針転換。
前杜氏(但馬杜氏)が純米酒が得意だったそうで、蔵元自ら前杜氏の元で酒造りを手伝う中、縁があって地元で様々な米のタネが手に入ります。
その最初に出会った米が「亀の尾」。蔵元は亀の尾蔵舞(かめのおくらぶ)という純米酒を企画されます。

「蔵舞(くらぶ)」とは、現在蔵が最も力を入れている酒で「蔵舞」の上に米の品種名や漢字1文字が入ります。
現在では亀の尾蔵舞、旭蔵舞、祝蔵舞、錦蔵舞(山田錦)、祭蔵舞(祭りばやし)の5種類があります。

弥栄鶴(やさたつる) 竹野酒造有限会社|亀の尾蔵舞
蔵舞シリーズは米にこだわっているのですべて純米。
特に亀の尾蔵舞は4月で売り切れた人気商品との事。

写真は精米機。
弥栄鶴(やさたつる) 竹野酒造有限会社|精米機

開始当初、蔵の手が届く地元農家と契約し初年度は1反の田んぼで亀の尾の栽培をスタート。
3年後に蔵の目の前の田んぼを含む4反まで増やすことが出来たそうですが、手間がかかり扱いにくい米ということから亀の尾での造りを辞めようかと考えていたそうです。
そんな中、息子さんが杜氏となった初年度に造った亀の尾蔵舞を全国酒類コンクール純米部門に出品したところ1位を獲得。

これを境に地元農家は「そんな良い酒が出来る良いお米なら作らないわけにはいかない」と応えてくれるようになり、地元で亀の尾を栽培してくれる農家が増加。 今年度は亀の尾の田んぼは2町分を確保でき、1升ビン換算で5千本くらい製造が可能との事。

並行し地元の農家と田んぼを見て歩き、農家と相談をし協力者を一人づつ増やし、亀の尾以外にも、祝(いわい)、祭り晴(まつりばれ)といった他の品種の契約栽培を増やしていきます。 今年から山田錦の契約栽培も開始。それまでは兵庫県から仕入れていたのですが今年からは地元の山田錦が用いられる計画です。

写真は麹室。
弥栄鶴(やさたつる) 竹野酒造有限会社|麹室
私が訪問した3月19日には、すでに室は片付けられていて、仕込み以降の作業が行われていました。

写真は仕込み部屋。 弥栄鶴(やさたつる) 竹野酒造有限会社|仕込み部屋
仕込みの大きさは1.8トンが中心。
純米だろうが吟醸だろうがすべて1.8トン仕込み。

弥栄鶴(やさたつる) 竹野酒造有限会社|槽場

弥栄鶴(やさたつる) 竹野酒造有限会社|ビン詰め場
蔵元は、良い酒を造る事はもちろんですが同時に農家を支援する事も重要。
特に若手の農家を育てなくてはいけない、という考えを持たれています。

今年から山田錦を育ててくれる農家は30代前半の方。
「有機の郷 構想」というのを考えていて、3年後は有機栽培で米作りが出来るよう今は土作りからはじめているところだそうです。

国による複雑な農業政策などの問題に加え、農家それぞれにも思惑が有るため、とても難しい課題だそうです。しかし蔵元は地元農家の方と何度も何度も膝を詰めた話し合わないを行い、一歩づつ前に進まれているとの事。

最後に訪問の証の記念撮影。
弥栄鶴(やさたつる) 竹野酒造有限会社|記念撮影
蔵のおすすめ銘柄「亀の尾蔵舞」に感心する吾郎。

この日は車での訪問であったので試飲は出来なかったのですが、少し試飲用のサンプルを頂き後日、会社で試飲したのですが正直驚きました。

古い品種である亀の尾は、硬いタイプの酒に仕上がる事が多いのですが、この蔵が造る亀の尾は良い意味で今まで飲んできた亀の尾とは異なり硬さが取れ、丸く柔らかい酒に仕上がっていました。

残念ながら米不足のため、県外の酒屋に出荷できる製造数量が無いとの事。
しかし米の量が増えるようなら、是非とも県外にも出荷していただき多くの日本酒愛好家に知ってもらいたい存在の酒だと思いました。




商品の購入・質問は弥栄鶴(やさたつる)|竹野酒造有限会社へお問い合せ下さい。
TEL:0772-65-2021弥栄鶴、亀の尾蔵舞醸造元竹野酒造有限会社
ここで書かれているデーターは筆者が訪問した時点の情報となります。

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