2013年03月12日

竹林(ちくりん)、かもみどり|丸本酒造株式会社

新進気鋭 酒蔵訪問の旅 319蔵目

竹林(ちくりん)、かもみどり|丸本酒造株式会社

岡山県浅口市鴨方町本庄2485
蔵元のサイト:http://www.kamomidori.co.jp/


酒名:竹林(ちくりん)、かもみどり、泡々酒(ほうほうしゅ) ■創業:慶應3年(1867年)6代 ■杜氏:備中杜氏(蔵元杜氏) ■仕込み水:弱硬水 ■訪問日:2013/3/12

代表銘柄
竹林 ふかまり
純米かもみどり
泡々酒(ほうほうしゅ) 発泡清酒

江戸幕府第15代将軍、徳川 慶喜が大政奉還を行なった慶應3年。
その同じ年に岡山で誕生した酒蔵が竹林(ちくりん)かもみどりを造る丸本酒造株式会社です。
竹林、かもみどり 丸本酒造株式会社|外観

竹林、かもみどり 丸本酒造株式会社|外観

丸本酒造株式会社は、1867年(慶應3年)に丸本 嘉之松(かのまつ)氏が創業した現在で6代続く酒蔵。

嘉之松(かのまつ)氏は児島で綿花を扱う商いをされており、その商いで得た財により現在の場所に屋敷を構えて酒造業に参入。創業当初の屋号は良い水が出た事から清水屋と命名。

翌年の慶應4年9月に年号が明治に改元されますので、ギリギリ江戸時代の最後に創業した蔵になります。

蔵には11本も井戸があり、仕込みに使っている井戸は2本のみ。
その他の井戸は洗い水に使用。水質は弱硬水との事。

かもみどりは昔からある地元ローカル銘柄。
竹林は全量蔵元栽培米をうたった純米のみ製造する特別品。
そして泡々酒は新たな日本酒ユーザーを開拓する低アルコール発泡清酒でこちらも純米のみ。

写真の方は6代目蔵元、丸本 仁一郎(にいちろう)さん。
蔵元自らが酒造りをされています。備中杜氏組合所属。
竹林、かもみどり 丸本酒造株式会社|丸本仁一郎蔵元
足を怪我されてますが、田んぼで作業中に骨折されたそうです。

丸本酒造のこだわりは、酒造りに用いる原料米は農家ではなく蔵が自ら栽培している事。

今でこそ多くの蔵が自社で米を栽培されていますが丸本酒造では、まだどの蔵も自社栽培などしていなかった1987年に自社栽培を開始。

蔵が米作りに力を入れた理由とは、現状の等級制度によって作られる米に疑問をいだき、自らの基準で酒造りに理想的な米を作らなければ、と考えたことから始まります。

お酒を造る上で一番大切となるのは米。
酒米の等級は粒の大きさと心白率を見て決まるそうですが、かつて蔵元は等級が高い米は良い米なんだろう、値段も高い米なので「たぶん良い物なんだろう」と信じていたそうです。

写真は精米機。
竹林、かもみどり 丸本酒造株式会社|精米機

しかし等級が良い米、高価な米を買ってきて酒を造っても、蔵が理想とする酒にならない。
蔵元自ら育てた米についても、良い田んぼを見つけ、施肥方法や水田の温度の上手に調整し、自分たちの酒造りにベスト思った米は等級とはいつも異なる。

最初の間は「自分たちの技術が足りないのか?」と考えていたそうですが、米作りを続けるうちに「等級が高い米は良いコメではない」という事に気がつかれたそうです。

米の等級は粒の大きさと心白率で決まります。
ようは粒を大きくすればいい。心白を大きくすればいい。
それだけで良いのなら、窒素肥料を沢山与え最後の最後まで光合成が出来る稲にすれば、そういう米が作りやすい。
簡単とまでは言いませんが、そこそこ大きな米でいいのなら作ろうと思えば作れるとの事。

恐らく農家にとってもそれが一番メリットがあるのではないでしょうか?
収穫も増やさせて高い価格の米になるのですから、と語る蔵元。

蔵元は等級ではなく蔵が理想とする酒を造りやすい米がベストの米である、という考えに至ったそうです。

写真は米の乾燥機。乾燥機が5台も置かれている蔵など他にはありません。
竹林、かもみどり 丸本酒造株式会社|米の乾燥機

蔵が理想とする米とはどのような米なのか?
それは丸本酒造が目指す酒が、旨口の酒でお米の味が伝わる酒。その中でいかに雑味がなく飲みやすい酒を造ること。要するに味がたっぷりある旨口でなおかつ雑味無く綺麗な酒。

窒素分の多いバランスの悪い米だと、精米機で割れ、米洗いで割れ、蛋白率が高く掛米にしたら溶けて雑味が出やすい。蔵の理想の酒が造り難い。

バランスよく健康的に育てた米の方が理想とする酒が造れると考えた蔵元は、無理して粒を大きくするような育て方をせず、そこそこの粒のサイズが有り、そこそこの心白があり、稲の葉っぱが程よく黄色になった状態で刈り取る米。
そのような米だと割れにくく発酵していて気持ちいお酒になる。切れもいいし味も綺麗だとか。

良い米を作る上で一番大切な条件は「田んぼ」だそうで、いかに良い田んぼを抑えるかで決まるとの事。
良い田んぼを抑えるには地元のコミュニティに顔が通じる事、政治力がある事、そして米作りのキャリア(実績)があることなどが重要な要素だそうです。

米の栽培は土地の分析に基づいて行い、田んぼ1枚から均等に土を回収し10項目以上の分析を40枚位上ある全ての田んぼで行います。

そうして何が過剰で何が足りなくて、どういう成分が多いからどういう稲になりやすいのか、化学による分析で米を育てるとの事。

最近でこそ自社栽培をされる蔵元が珍しくなくなりましたが、蔵元はウチほど長く真剣にやっている蔵は早々に無い、と強く自負されています。

写真は釜場。
竹林、かもみどり 丸本酒造株式会社|釜場
青い箱は丸本酒造オリジナルの浸せきタンク。

一般的には金属製の円すい状になった大きな浸せきタンクが使われていますが、それだと水を切るときに大きすぎて直ぐに切れず特に下の方は水に長い時間水に浸かる事になります。
この箱だと水がすっと切れるとの事。吟醸酒などの限定吸水では無いジャンルの吸水にメリットが出るとの事。

写真は酒母室。
竹林、かもみどり 丸本酒造株式会社|酒母室
壁に「米ひとつ残らず洗浄」と書かれていますが、とても清潔な蔵。

酒造りに大事なことは「1に掃除」「2は勉強」「3は生命の共感」。
生命の共感とは「このモロミは気持ちよく発酵しているな」とか「このモロミは苦しそうだ」とか、モロミの健康状態を見て解ってあげる能力だそうです。

竹林、かもみどり 丸本酒造株式会社|麹室
室にも「米ひとつ残らず洗浄」と書かれたものが貼られています。
米は最後まで使いきれば酒と代わり、酒はお金に変わり人々を楽しませます。
しかし床に落ちてしまった米は、ゴミとなり不衛生というリスク材料に変わります。
清掃を行うという労力(コスト)が発生する事になります。
そういう意味でも米を無駄にはできません。

竹林、かもみどり 丸本酒造株式会社|仕込み部屋

写真は槽場。
竹林、かもみどり 丸本酒造株式会社|槽場
プレハブ冷蔵庫の中に備えられた自動圧搾機。

自動圧搾機とは別に昔ながらの原理で搾る槽(ふね)も置かれていました。
竹林、かもみどり 丸本酒造株式会社|槽

最後に訪問の証の記念撮影。
竹林、かもみどり 丸本酒造株式会社|記念撮影
有機農産物の米で造った酒「純米吟醸 農産酒蔵」を手に取り感心する吾郎。

とにかく丸本酒造は米作りに熱心な蔵で、とても2時間ちょっとの訪問時間では足りませんでした。機会があれば田んぼの見学も含めて1日くらいかけてゆっくりお話を聞かせてもらいたいと思いました。




商品の購入・質問は竹林(ちくりん)、かもみどり|丸本酒造株式会社へお問い合せ下さい。
TEL:0865-44-3155竹林(ちくりん)、かもみどり、泡々酒(ほうほうしゅ)醸造元丸本酒造株式会社
ここで書かれているデーターは筆者が訪問した時点の情報となります。

この記事へのトラックバックURL

http://sanoya.jizake.com/t2356

蔵元の熱き思いをお届けします。年間発送1万件以上 地酒のセレクトショップ 佐野屋 地酒.com
◆佐野屋 地酒.com
蔵元の熱き思いをお届けします。年間発送1万件以上 地酒のセレクトショップ。