2013年02月28日

白隠正宗(はくいんまさむね)|高島酒造株式会社

新進気鋭 酒蔵訪問の旅 313蔵目

白隠正宗(はくいんまさむね)|高嶋酒造株式会社

静岡県沼津市原354-1
蔵元のサイト:http://www.hakuinmasamune.com/


酒名:白隠正宗(はくいんまさむね) ■創業:文化元年(1804年) ■杜氏:蔵元杜氏(諸派) ■仕込み水:軟水 ■訪問日:2013/2/28

代表銘柄
白隠正宗 山廃純米酒
白隠正宗 誉富士 純米酒
白隠正宗 純米吟醸

東海道五十三次で品川から数えて13番目の宿場町「原宿」(静岡県沼津市)。
この宿場町にて文化元年(1804年)に高嶋亀吉氏によって創業された酒蔵が高嶋酒造株式会社です。
白隠正宗(はくいんまさむね) 高嶋酒造株式会社|外観
亀吉氏は酒造業を始める以前はこの地の網元(漁師の元締め)だと言われ、同時に流通業もされていたようで醤油を扱っていたのか「醤油屋」の屋号で商いをされていたとのこと。

現在の主力銘柄、白隠正宗(はくいんまさむね)は明治14年に誕生。
それ以前に様々な商標があったそうですが、具体的な名称はよくわからないとの事。

以前は新潟から越後杜氏が来て酒造りを行ってきたそうですが、現蔵元の高嶋一孝さんが蔵に戻って来た際に南部杜氏を連れて帰り、その南部杜氏から酒造りを学んだ後、現在は蔵元自ら酒造りをされています。

写真の方が高嶋一孝蔵元。25歳の時に高嶋酒造の当主になられたそうです。
白隠正宗(はくいんまさむね) 高嶋酒造株式会社|高嶋一孝蔵元
現在、日本酒ファンに知られるようになった白隠正宗(はくいんまさむね) ですが、一孝さんが蔵に戻ってくる以前は普通酒を中心に造る年間製造国数が200石規模の酒蔵だったそうです。

一孝さんも酒造りに強い思い入れが無く、実家が造り酒屋ということで安易な考えで東京農業大学に進学されたとか。

そんな一孝さんが酒造りに目覚めるきっかけとなったのが、大学3年の時に「冬に酒蔵へ2週間泊まりこみで研修に行くと2単位がもらえる」という事から、先生に推薦してもらった酒蔵が同じ静岡の開運。

当時は波瀬当時も現役で、能登から蔵人も大勢来られていたそうで現在、開運で杜氏を務める榛葉農(しんば みのり)さんがラベル貼りをされていた頃。

開運に2週間行って、蔵元と波瀬杜氏の関係、チームワーク、蔵人のモチベーション、設備の違いなど見た事で大きく感化されたそうです。

そして研修が終わって学校に帰る前、実家の沼津の蔵に寄って杜氏に「経過簿を見せて欲しい」とお願いしても見せてくれなかったとか。仕方ないので自社の市販酒を利いたところ、とても残念な酒・・・。

製造規模が200石程度なのに高い給料を払って杜氏を雇い、造ってもらっている酒の結果がこのような結果。この現実に一孝さんは怒りを感じたそうです。
この出来事がきっかけに大学に戻ってまじめに勉強するようになったとの事。

一孝さんは開運に行くまでは将来の行く末は漠然としていたそうで、サブカルチャーが好きだったそうでそちらの道に進むことも考えられたそうですが、

「酒を造るのも音楽を創るのも本を書くのもアウトプットする手段(ツール)に過ぎない。人々に何を与え、その事で人々に何を起こすのか?ゴールがそれなら、アウトプットする手段は誰でも簡単に出来ない事を選択したほうがいい。であれば、酒蔵は誰にでも出来る事ではない。」

そういう考えに至り、実家に戻って酒造りをすることを決意。
大学を卒業後、酒類総合研究所にいた後、その時にいた杜氏・蔵人・スタッフを一掃し、自分が連れてきた杜氏のもと酒造りを行うという条件で23歳の時に蔵に戻ってこられたそうです。

高嶋酒造の自慢の井戸。 白隠正宗(はくいんまさむね) 高嶋酒造株式会社|井戸

白隠正宗(はくいんまさむね) 高嶋酒造株式会社|水
酒造りに用いる水は地下150メートルから湧く富士山の伏流水は軟水。

水量がとても豊富なため蔵には水道が通っておらず全量地下水でまかなっているとの事。
その上ミネラルウォーターとしても販売。

白隠正宗(はくいんまさむね) 高嶋酒造株式会社|地元の方が汲みに来られる様子
豊富で良質の地下水は地域の方にも提供されています。
人ないなくなってから撮影しようと思っていましたが、次々と人々が訪れ逆に増えていく状態。
全く人が途絶える様子はありませんでした。

写真は10俵張りの精米機。
白隠正宗(はくいんまさむね) 高嶋酒造株式会社|精米機
酒造りに用いる原料米は95%強静岡県産米、ごく一部兵庫県産の山田錦と岡山の雄町。
地元の山田錦と誉富士が主体。

毎年10月末ごろから酒造りを開始し甑倒しは3月中旬。
年間生産量は約600石。

地酒とは地の食文化から生まれてくるもの、地の食材にあったものでなくてはいけないだろう。
沼津は干物の街。生魚というより火の入った魚が多く、特に干物になるとエグ味などが多くなります。そのため従来の静岡型の味だと酒が綺麗なので負けてしまいます。
そこで山廃仕込や生もと造りにチャレンジし従来の静岡型にプラスしてコクが有るタイプの酒造りをされているとの事。

白隠正宗(はくいんまさむね) 高嶋酒造株式会社|洗米

写真は仕込み部屋。
白隠正宗(はくいんまさむね) 高嶋酒造株式会社|仕込み部屋

写真は圧搾機。とても珍しいタイプの槽(ふね)です。
白隠正宗(はくいんまさむね) 高嶋酒造株式会社|槽場
この槽1台で酒を搾らないといけないため、何本か仕込むと少し期間を空けて、というペースで酒を仕込んでいきます。

一番製造量が多い60%精米の誉富士の純米酒が昨年は8月に完売。
製造量を増やしたくとも今の蔵の規模だと限界なので、本醸造の製造を廃止して誉富士の純米の製造に充てることに。
その結果、昨年の造りから全量純米を製造している蔵になったそうです。

今の課題はニーズに答えるべく生産量の強化。
大きな蔵になるつもりはないそうですが、現状だと流石に生産量が少な過ぎて需要に応えられず、販売店には迷惑をかけているとか。

設備を追加するにも宿場町に位置する酒蔵の宿命なのか、昔から街中であった為、土地のスペースが限られているため設備の追加が難しいとの事。
この問題をどう乗り越えるかが今後の大きな課題だそうです。

最後に訪問の証の記念撮影。
白隠正宗(はくいんまさむね) 高嶋酒造株式会社|訪問の記念撮影
珍しい20俵張りの精米機に驚く吾郎。

白隠正宗は若手の夜明けなどのイベントに度々姿を見せる現在注目の新進気鋭。
試飲会や居酒屋で出会った際は要チェック。お薦めの地酒です。




商品の購入・質問は白隠正宗(はくいんまさむね)|高嶋酒造株式会社へお問い合せ下さい。
TEL:055-966-0018白隠正宗醸造元高嶋酒造株式会社
ここで書かれているデーターは筆者が訪問した時点の情報となります。

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