2013年02月25日

開運(かいうん)|株式会社土井酒造場

新進気鋭 酒蔵訪問の旅 306蔵目

開運(かいうん)|株式会社土井酒造場

静岡県掛川市小貫633
蔵元のサイト:http://www.kaiunsake.com/


酒名:開運(かいうん)、御日待家(おひまちや) ■創業:明治5年(1872年)4代 ■杜氏:能登杜氏 ■仕込み水:弱軟水 ■訪問日:2013/2/25

代表銘柄
祝酒 開運
開運 特別純米酒
開運 波瀬正吉 大吟醸

東海道五十三次の26番目の宿場町が静岡の掛川。
遠江国の東部の拠点的な位置で、戦国時代には今川氏、徳川家康、武田信玄の間で掛川城を巡る戦が繰り返された合戦の舞台。
後に土佐藩の大名となった戦国武将、山内一豊が掛川城の城主を務めていた時期があることから、高知とのつながりも多く、高知県にある司牡丹酒造の祖先は掛川から移り住んできたと言われています。

また掛川はお茶の産地であるのと同時に県内有数の工業都市。
その掛川に静岡を代表する酒蔵があります。
酒通の間で知られている酒「開運」を造る株式会社土井酒造場です。 開運(かいうん) 株式会社土井酒造場|外観

開運(かいうん) 株式会社土井酒造場|建物
株式会社土井酒造場は明治5年、土井弥市氏が創業した現在で4代続く酒蔵です。
土井家はこの地に代々続く地主(庄屋)で、明治の酒造業解禁の際、明治4年に免許を取得し5年に酒造りを開始したと言われています。
弥市氏が酒造業を始めた時の年齢は16歳だったそうです。

開運という、とてもすばらしい酒名ですが、いつ頃からこの酒名がつけられたのかは不明。
商標登録の法律が誕生したのが明治時代なので、それ以前は各地で自由に酒名が付けられてたので、法律が出来る以前に命名されたのかもしれません。

土井酒造場が開運の商標登録を取得したのは昭和37年。
土井 清幌(きよあき)4代目蔵元の話によると、先代から「開運の商標は他社が持っている」という話を何度も聞かされていたそうで、大学生だった時に東京にいたので虎ノ門の特許庁に行って調べられたそうです。

すると滋賀県の酒蔵が「開運」という商標を取得していたそうですが、その蔵は廃業していて商標の権利が切れている事を知ります。
これはチャンスだ!と東京の下宿先で書類を用意し「開運」の商標を取得されたとか。
開運の快進撃はこの時に始まったのかもしれません。
何事もきっちりと準備されている人には運が開けるのだと思いました。

写真の方が4代目蔵元、土井 清幌(きよあき)蔵元。
開運(かいうん) 株式会社土井酒造場|土井清幌 (どいきよあき)蔵元
開運を全国区の蔵に成長させただけではなく、静岡県の酒造業全体のブランドアップに貢献。
吟醸王国静岡と呼ばれるようになった立役者。
2005年には藍綬褒章受賞。現在、静岡県酒造組合の会長。

開運(かいうん) 株式会社土井酒造場|弥市氏と榛葉 農(しんば みのり)杜氏
右の方が次期蔵元、土井弥市さん。
農大を卒業後、平成8年に土井酒造に入社。
16歳で酒造業を始められた創業者の志を継承してもらいたいという願いから、創業者と同じ名前との事。

そして左の方が杜氏の榛葉 農(しんば みのり)さん。
10年間、波瀬正吉杜氏のもとで酒造りを学び、その技を継承する能登流の杜氏。
次世代の開運をになう二人。

かつて開運には「波瀬 正吉(はせ しょうきち)」という、有名な能登流の杜氏が酒造りをされていました。波瀬杜氏は、開運で41年間酒造りを勤めた名杜氏で、その実力から「能登四天王」の一人と称された人物です。

開運のラインナップの最高峰に位置する商品に「波瀬 正吉」という人名を用いたものが存在します。今でこそ杜氏の名前を冠した商品は多くありますが、私の記憶するところでは、この「波瀬 正吉」が草分け的存在。

波瀬杜氏の存在が大きかった蔵なので2009年の訃報を聞いた時、今後の「開運」はどうなるのかと思いましたが、その心配は不要。
杜氏初年度の静岡県清酒品評会で県内第1位、全国新酒鑑評会で金賞受賞。
偉大な名杜氏の技術と魂は、確実に次代の受け継がれています。

若い蔵人の姿が目立ちました。
開運(かいうん) 株式会社土井酒造場|洗米
今年開運は10月の吉日から酒造りがスタート。甑倒しは4月12日を予定しており、仕込み総数はタンク84本。製造国数は約2000石でこの量は静岡県では2番手クラス。

原料米は兵庫の山田錦が中心、あとは山田穂、赤磐雄町、愛山、誉富士などを使用。
長命水と呼ばれている弱軟水の地下水を用いて日本酒を仕込みます。

開運(かいうん) 株式会社土井酒造場|釜場

写真は大変珍しい「連続浸漬機」と呼ばれる装置。
開運(かいうん) 株式会社土井酒造場|連続浸漬機
お米の吸水率を設定通りに誤差無く吸水するというスグレモノ。
現在、開運では50%精米の米に使用されているとの事でとても珍しい装置との事。

開運(かいうん) 株式会社土井酒造場|麹室

開運(かいうん) 株式会社土井酒造場|麹室
麹室は写真の2部屋とは別に、別のフロアにもう2部屋が用意。
室が2つあることで「次が迫っているので急いで出さないと」という事が起きないようにしているとの事。

開運には3つの仕込み部屋があります。写真は「祝酒」を造る仕込み部屋。
開運(かいうん) 株式会社土井酒造場|仕込み部屋 祝酒

この部屋は純米吟醸、吟醸酒などを仕込む部屋。
開運(かいうん) 株式会社土井酒造場|仕込み部屋
驚いたことに空調で送られてくる空気は塩化リチウムのシャワーに通されて殺菌された無菌の空気が送り込まれているとの事。

写真が大吟醸の仕込部屋。
開運(かいうん) 株式会社土井酒造場|大吟醸 仕込み部屋

開運は環境にも配慮されている蔵です。
開運(かいうん) 株式会社土井酒造場|太陽光発電
写真のソーラーパネルで60キロワットの電力がまかなえるとか。
仕込みが行われている冬場と真夏は60キロワットでは足りないそうですが、春には電力が余って電力会社に買い取ってもらえるとの事。

開運(かいうん) 株式会社土井酒造場|浄化槽
米を洗った際に発生するとぎ水は川の水を汚す為、一定の規模を超えた蔵は浄化槽を用意する必要があります。
開運の製造規模では義務付けはされていないそうですが自主的に浄化槽を用意。茶色く濁っているのはバクテリアの色。

これらはお酒の味を左右する設備ではありませんが、一流の会社はこういう部分にもきっちりお金を投資されているものです。
開運では毎年何か1つ大きな設備投資を行い続けているとか。
吟醸王国静岡を牽引している蔵の凄さに驚く吾郎でした。




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