2012年11月29日

寒紅梅(かんこうばい)|寒紅梅酒造株式会社

新進気鋭 酒蔵訪問の旅 297蔵目

寒紅梅(かんこうばい)|寒紅梅酒造株式会社

三重県津市栗真中山町433
蔵元のサイト:http://www.kankoubai.com/


酒名:寒紅梅(かんこうばい)、藤堂高虎公(とうどうたかとらこう)、三重大学 ■創業:安政元年(1854年)7代 ■杜氏:蔵元杜氏(諸派) ■仕込み水:中軟水 ■訪問日:2012/11/29

代表銘柄
寒紅梅 純米吟醸 山田錦50%
かんこうばい 純米酒
寒紅梅 冬のうすにごり 特別本醸造生

今、酒造りが面白くてしかたない。
酒造りの面白さを知り、急に目覚めたよう酒造りに没頭している酒蔵が寒紅梅酒造株式会社外観 寒紅梅酒造株式会社は安政元年(1854年)に増田五兵衛氏が創業した現在で7代続く酒蔵です。 五兵衛氏は「田んぼ持ち(地主)」をされていたようで、地代として受け取る米が豊富にあった背景から酒造業に参入したと伝えられています。

7代目蔵元の増田明弘さんの話によると江戸期の地主は、例えば小作が10俵の米を収穫したとすると5俵も6俵も地代を得ていたとか。

原料の米がただで調達できる訳で、その米で酒を造ると米よりも高く売る事が出来ます。
しかもその当時は検量もいいかげんだったでしょうから1升といっても実際にはそれより少なかった事が考えられます。

ところが明治時代になり酒造免許が緩和。
規制によって日本酒業に参入できなかった焼酎メーカー、味噌、醤油メーカーなどが参入してきます。

そうなると江戸期から続く酒蔵というのは人々から良く思われていなかったのか、人々は新規参入してきた焼酎メーカー等が造る日本酒を愛するようになったそうです。

現在残っている酒蔵の多くは明治時代以降に創業した蔵ですが、江戸時代にはもっと酒蔵の数はあったと伝えられています。しかし残っている蔵の数が少ないのはこのような背景もあったからかもしれません。

しかし寒紅梅酒造は第二次大戦中の企業整備例によって一時期休んでいた時期があったものの、昭和期には地元の皆さんに喜んでいただこうと低価格で酒を販売。地元の消費者の支持を得て競争に生き残った蔵です。

写真の方が7代目蔵元の増田明弘さん。
寒紅梅(かんこうばい) 寒紅梅酒造株式会社|増田明弘蔵元 かつて地方の清酒の存在とは普段の飲みの低価格の酒、それに対し外にお使いに持って行くお酒は「松竹梅」。ナショナルブランドが高級酒で、地方清酒は低価格という時代がありました。

寒紅梅酒造の7代目として生まれた明弘さんは、蔵が低価格のお酒を製造している事には何ら疑問を持っていなかったそうです。
明弘さんがこだわりの酒に興味を持つきっかけとなったのが梅酒。梅酒ブームによって日本酒をベースにした梅酒が売れた事によって経営に余裕が出てきます。
今まで経済酒ばかり造っていた蔵元は「今なら資金もあるし体力もある。良い日本酒を造るなら今がチャンス」そう考えるようになります。

そこで2010年、多くの酒蔵から先生と慕われている佐賀県とある酒蔵の門をたたき酒造りの勉強を開始。
先ずは「洗米と蒸しに命をかけよう」と原料米の処理に関する設備を強化。その結果、造った酒は蔵元も納得できる酒に出来上がります。

その酒を販売したところ8人の消費者から手紙や電話がが届き、いずれの内容もとても美味しかったとの感想が書かれていたそうです。

おいしいお酒に出会った時に、造った蔵まで葉書を書いたり電話をする人はどれくらいいるでしょうか?
普通は「美味しかったね」で終わってしまうのですが、その8人の向こうにはもっと多くの方が美味しいと思ったに違いないのです。

この時蔵元は、純粋に醸造した日本酒で評価された喜びとは、リキュールや混成酒で評価された時とは異なる衝撃を感じたそうです。
この出来事を「背中にある見えないやる気スイッチを押された感じ」と語る蔵元。今は酒を造れる事が楽しくて仕方なく、冬の寒い時期の酒造りでも全く寒いとは思わないそうです。

寒紅梅(かんこうばい) 寒紅梅酒造株式会社|釜場 仕込みは10月の中旬頃から開始。
お正月の期間は製造は休み、年明け以降は山田錦を中心に仕込みが行われるとの事。

甑倒しは酒の売れ行きに左右するとの事ですが、おおよそ3月中旬ごろの見込み。
年間20本を超える数の仕込みを行なっているそうです。

原料米は三重県産の山田錦がメイン。
この米のみに焦点を絞って酒つくりを行い、精米歩合が50%、40%、60%の三種類を展開することで品ぞろえに幅をもたせています。

最も人気がある商品は寒紅梅 純米吟醸 山田錦50%。
2011酒造年度はタンク3本仕込んだものの一ヶ月を待たずに完売。お客様から引き合いが多い酒なので蔵元は需要に応えたいものの何分、命を削りながら造っているような酒なので体力的にも量産が厳しいとの事。

寒紅梅(かんこうばい) 寒紅梅酒造株式会社|麹室 冬は空気が乾燥するため、とても良く乾く室との事。
湿度が欲しい時は何かで加工など湿度100%の空間を造り、逆に乾かしたい時はそのままで乾くそうで、湿度が高い雪国のような乾かす苦労はないとそうです。

寒紅梅(かんこうばい) 寒紅梅酒造株式会社|麹の枯らし場

写真は仕込み部屋。
寒紅梅(かんこうばい) 寒紅梅酒造株式会社|仕込み部屋 仕込みのペースは急いで造っている時期で4日に1本のペース。
4日間隔だと米洗いも分析も丁寧に行えるとの事。

寒紅梅(かんこうばい) 寒紅梅酒造株式会社|醪

寒紅梅(かんこうばい) 寒紅梅酒造株式会社|槽場

最後に訪問の証の記念撮影。
寒紅梅(かんこうばい) 寒紅梅酒造株式会社|記念撮影 ラベルにシロクマが描かれている商品「シロクマ」を手に取り、これは売れそうだと感心する吾郎。

寒紅梅酒造は現在、地元の酒販店数店のみに日本酒を出荷されているそうで、特に情報はなく訪問する前までどのような蔵なのか全く不明でした。
しかし蔵に訪問してみるものですね。今後の展開が注目の三重県の新進気鋭です。




商品の購入・質問は寒紅梅(かんこうばい)|寒紅梅酒造株式会社へお問い合せ下さい。
TEL:059-232-3005寒紅梅、藤堂高虎公、三重大学醸造元寒紅梅酒造株式会社
ここで書かれているデーターは筆者が訪問した時点の情報となります。

この記事へのトラックバックURL

http://sanoya.jizake.com/t2313

蔵元の熱き思いをお届けします。年間発送1万件以上 地酒のセレクトショップ 佐野屋 地酒.com
◆佐野屋 地酒.com
蔵元の熱き思いをお届けします。年間発送1万件以上 地酒のセレクトショップ。