2012年11月28日

田光(たびか)、早春(そうしゅん)|合名会社早川酒造

新進気鋭 酒蔵訪問の旅 295 蔵目

田光(たびか)、早春(そうしゅん)|合名会社早川酒造

三重県三重郡菰野町大字小島468
蔵元のサイト:http://www4.cty-net.ne.jp/~soushun/


酒名:田光(たびか)、早春(そうしゅん) ■創業:大正4年(1915年)3代 ■杜氏:蔵元杜氏(無所属) ■仕込み水:中軟水 ■訪問日:2012/11/28

代表銘柄
田光 純米吟醸 雄町 無濾過中取り
早春 純米酒
早春 純米吟醸 美山錦 中汲み

三重県で注目の新進気鋭発見、田光(たびか)という酒を造る合名会社早川酒造
田光(たびか)、早春 合名会社早川酒造|外観
合名会社早川酒造は大正4年(1915年)に早川 政蔵(まさぞう)氏が創業した現在で3代続く酒蔵です。

政蔵氏は現在蔵が立つ場所でははなく、もっと海に近い天ヶ須賀で染料(藍玉)を扱う家の次男として生まれます。
叔父に早川酒造部の創業者、早川 半三郎氏がいたのですが、半三郎氏には跡継ぎがいませんでした。
当時、叔父が経営していた蔵は日本酒蔵の番付に表に顔を出すほど繁盛していたようで、跡継ぎがいないことから政蔵氏の兄弟が養子に入られます。その際に、政蔵氏も一緒蔵に入って働き出したそうで、後に独立し現在の場所に蔵を建てます。

田光(たびか)、早春 合名会社早川酒造|外観
叔父の酒蔵が「酒半」と呼ばれていた事から、こちらは山半の屋号で酒造りを開始されます。
独立当初は、本直しと呼ばれるミリンに焼酎を加えて甘みを抑え飲みやすくした酒を製造。
次に醤油を製造を行い、最後に日本酒の免許を取って日本酒の製造を始められます。

創業当初の酒名は「武烈」という勇ましい名前だったそうですが、第二次大戦後GHQによって戦争を連想させる名前という理由で使用を禁止。それによって賞美(しょうび)、早春という酒名が誕生します。
3代目蔵元の代には、賞美を廃止し早春一本に。そして次期4代目蔵元となる早川 俊人さんが蔵に戻って来て酒造りを始めた平成19酒造年度に田光(たびか)という酒名が誕生。
田光(たびか)とは地元の地名、「三重県三重郡菰野町田光」から取ったとの事。

俊人さんは蔵に戻ってくる前、山形県の上喜元で酒造りの修行に行かれ、純米吟醸の雄町に感動されたそうです。自分もこのような酒を造れるようになりたいとの気持ちから岡山の雄町で純米吟醸を造られます。

早春という酒名は季節が入るため、冬から春にかけてはとても売りやすいのですが、しそれ以外の夏から秋にはとても売りにくいとの事。そこで酒造好適米を用いた酒を田光ブランドに加えていこうと、現在は五百万石、山田錦が加わっています。

また蔵は平成5年に全量純米化されています。
その当時、蔵元と奥様のたった二人で製造から配達まで行なっていたそうで、当然ながらとても忙しいため全ての事が行えません。
そこで廃止できるものは止めていこうと考え、アル添酒をやめれば税務署への書類作りも簡素化出来た事から平成5年にこれを廃止。造られている酒は全て純米です。

写真は釜場。
田光(たびか)、早春 合名会社早川酒造|釜場
写真では解りにくいのですが甑は小さく、一番多い時でも蒸す米の量は300キロまで。
洗米はウッドソンなどの道具は使わず、手洗いで米を洗っておられるとの事。

原料は富山県の米を主に使用。富山の五百万石、雄山錦などそれらに加えて岡山の雄町を使用。
用いる水は釈迦ヶ岳の伏流水と呼ばれる中軟水。蔵には水道がなく洗い物を含めて全量地下水を使用。
10月頃から仕込みを開始し甑倒しは6月の頭。3期醸造を行い2011酒造年度には約150石の酒を製造されたそうです。

田光(たびか)、早春 合名会社早川酒造|麹室
少ない人数で作業を行っているために麹箱を用いて5キロ盛り手造りされています。

写真は仕込み部屋。
田光(たびか)、早春 合名会社早川酒造|仕込み部屋
仕込みに用いるのはこの3本のタンクのみ。
このタンクは山形の大山酒造と佐々木貞治商店が製造した「OS清酒仕込装置」と呼ばれる特殊なタンクです。
温度調整が可能なのでこのタンクがあれば冷蔵蔵が無くとも3期醸造が可能。

ただ通常のタンクと比べ、とても高価であるため早々に追加できるものではなく3本でローテーションされているとの事。

田光(たびか)、早春 合名会社早川酒造|OSタンク
タンクの底に櫂が見えます。
この櫂の中まで冷水が流れ温度調整が行われるそうです。

蔵は完全な冷蔵蔵では無く、その状態で3期醸造を行わなければいけないので、酒母は高温糖化で造られているそうです。
この地域は温暖なため酒造りがはじめる10月でも20度位上の気温があり、5月〜6月も気温が上がります。
高温糖化だと15度位上20度以下という温度を約一週間キープする為、温暖な地域の酒母作りには向いているとの事。

この木の槽1台で酒を搾ります。
田光(たびか)、早春 合名会社早川酒造|槽場
槽による酒の搾りは時間がかかります。搾り終えた後も、酒袋を綺麗にするなど次に絞るための準備が必要になります。
もし搾っている最中に次のタンクの仕上がって大変な事になるため、安全な間隔を空け仕込みを行わなければいけません。
その為、なかなか量産ができません。

最後に訪問の証の記念撮影。
田光(たびか)、早春 合名会社早川酒造|記念撮影
木の槽に感心する吾郎。

田光(たびか)は首都圏で人気の商品との事で、生産量も少量であることから欠品が続く事が多いそうです。
その結果、現在は6月に甑倒しをして7月頃まで酒造りをしているという3期醸造で需要を補っています。

それでも商品が足りずお客様や販売店にもご迷惑をかけているとの事なので、今よりも生産量を増やしたい気持ちがあるそうです。
しかし槽を1台増やしたり、タンクを1本増やしたら生産量が増えるかとなると、そう単純ではなくそれに伴い貯蔵庫から様々な設備投資が必要になってくるとの事。
蔵としては今の規模が丁度きりの良い数字らしく、無理をせずに出来る範囲で需要に応えて行きたいと話されました。

この日は車を運転しての移動だったので試飲は出来ませんでしたが、何処かで機会があれば田光 純米吟醸 雄町は是非飲んでみたいと思いました。




商品の購入・質問は田光(たびか)、早春(そうしゅん)|合名会社早川酒造へお問い合せ下さい。
TEL:059-396-2088田光、早春醸造元合名会社早川酒造
ここで書かれているデーターは筆者が訪問した時点の情報となります。

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