2012年11月27日

富士の光(ふじのひかり)|安達本家酒造株式会社

新進気鋭 酒蔵訪問の旅 289蔵目

富士の光(ふじのひかり)|安達本家酒造株式会社

三重県三重郡朝日町縄生2107
蔵元のサイト:http://www.fujinohikari.com/


酒名:富士の光(ふじのひかり) ■創業:明治43年(1910年)4代 ■杜氏:南部杜氏 ■仕込み水:弱硬水 ■訪問日:2012/11/27

代表銘柄
富士の光 純米酒
富士の光 純米吟醸
富士の光 しぼりたて 純米生原酒

名古屋から近鉄電車で約35分の場所にある伊勢朝日駅。
東芝や日立の工場が建ち並ぶ中、駅から徒歩5分の場所に1件の酒蔵が存在します。
富士の光という名の酒を造る安達本家酒造株式会社です。
富士の光(ふじのひかり) 安達本家酒造株式会社|外観
安達本家酒造株式会社は明治43年、安達 常右衛門氏が創業した現在で4代続く酒蔵です。

地主の農家の家に生まれた常右衛門氏は、長男ではなかったので家を出て独立。
現在の蔵の事務所の場所に小さな薬売りを始めます。次に味噌、醤油の醸造を始め、資金を蓄えた後に酒造業にステップアップした、というのが創業の経緯です。

創業当時は様々な銘柄の酒を製造されていたようですが、そのウチの一つに「冨士の光」(頭に点がない方の冨)という商標があり、それが現在に引き継がれます。

今では蔵の横には線路が走り、東芝、日立といった大企業の工場が並んでいますが、それらは全て後からやって来たもの。
土地も最初は事務所の広さからスタートし、どんどん買い足して今の広さに至ります。

写真の方は4代目蔵元安達 由晃(よしあき)さん。
富士の光(ふじのひかり) 安達本家酒造株式会社|安達 由晃蔵元
由晃(よしあき)さんは学校を卒業されたあと「3年経ったら戻ってこい」との約束のもとイオンに就職。約束通り3年後に退職され1996年に蔵に戻ってこられます。
その後、約1年間外の兵庫県の灘の酒蔵に修業を経て本格的に酒蔵の仕事に入られます。

酒造りは南部杜氏が行い、秋になると杜氏が蔵人から料理を用意するまかないのおばちゃんまで、全員引き連れてやってくるという、昔ながらのスタイル。

現在では、杜氏一人だけが蔵に来て蔵人たちは社員や地元で雇用した人を使う蔵、あるいは杜氏と蔵人の一部だけ蔵に来て、足りない人は地元で用意する、というスタイルが大半です。

三重県では現在で約30社の酒蔵が酒造りをされていますが、杜氏・蔵人全員・まかないのおばちゃんまで引き連れて酒造りにこられる蔵は安達酒造のみ。

ちなみに、まかないのおばちゃんはご飯を造ったり洗濯するだけではなく、洗米など作業の一部の手伝いもされるとの事です。

富士の光(ふじのひかり) 安達本家酒造株式会社|商品
酒造りに用いる原料米は主に兵庫産の山田錦を使用。 酒名に富士という日本一の山の名前を頂いているとの事から、その酒名に負けないため、日本一の酒米である兵庫の山田錦と、日本一の杜氏集団といわれる南部杜氏に強いこだわりを持たれているとの事。

年によっては三重県の酒造好適米「神の穂」を使う年もあるそうですが、ケースバイケース。 というのは安達本家酒造では地元の居酒屋、酒販店の意見やリクエストを聞き、小規模の造りも積極的に行われているそうで、その年のリクエストによって様々な米を用いるそうです。

写真は、地元のグルメ「とんてき」に合わせて飲むために開発された酒。
富士の光(ふじのひかり) 安達本家酒造株式会社|とんてきに合う酒
この酒も地元のレストランの要望で生まれたそうです。

蔵は名古屋から近いこともあって、食文化は名古屋の影響を受けています。
味噌を用いた甘く濃い味付けが多く、この地域のおでんは醤油の出汁ではなく味噌をベースにした出汁が用いられているとか。
トンテキのソースもとても濃い。

そういった食文化の影響を受け、この地域では甘さが感じられる濃醇な酒を好んで飲まれる方が多いそうです。

しかし蔵が酒造りにも用いる水は発酵力が強い弱硬水で、その特徴を活かし灘の酒のようなキレの良い辛口の男酒を造って行きたいそうですが、地元では濃醇なタイプが好まれるため、地元の方の舌に合う酒を中心に製造されているそうです。

写真は釜場。
富士の光(ふじのひかり) 安達本家酒造株式会社|
酒造りは毎年11月から開始、おおよそ半仕舞い(2日に一本のペースでタンクを仕込む)のペースで酒を仕込み、2月下旬に甑倒し。年間500石〜600石の酒を製造されているとの事。

写真は麹室。
富士の光(ふじのひかり) 安達本家酒造株式会社|麹室
地元では、やや甘口に感じられるくらいの味のりの良い酒が好まれる事から、米を溶かし味を乗せる酒造りが行われます。

富士の光(ふじのひかり) 安達本家酒造株式会社|麹
米をよく溶かす為、米の外側を覆う「総ハゼ」の麹が造られています。
そのためには麹室の湿度は約90%。カメラのレンズがすぐに曇りました。

写真は酒母室。山廃仕込が得意とのこと。
富士の光(ふじのひかり) 安達本家酒造株式会社|酒母室

写真は仕込み部屋。一階から撮影。
富士の光(ふじのひかり) 安達本家酒造株式会社|仕込み部屋
仕込みの大きさは大きいもので2トン、吟醸は600キロ。

作業は2階から行われます。
富士の光(ふじのひかり) 安達本家酒造株式会社|仕込みタンク
2階の床に四角い、ドアがあり開けるとタンクの口が姿を表します。

写真は槽場。仕込み部屋のすぐ隣にあります。
富士の光(ふじのひかり) 安達本家酒造株式会社|槽場

最後に訪問の証の記念撮影。
富士の光(ふじのひかり) 安達本家酒造株式会社|記念撮影
富士の光に注目する吾郎。

現在、安達酒造では地元を中心に、小さなニーズに応えたオーダーメード的な商品の力を入れておられるとの事。
最近では楽天市場に出店されている酒販店からの、父の日のオリジナルラベルの日本酒の注文が増えてきているとの事。

また蔵が位置する朝日町は三重県の中で一番水が硬く灘の宮水に似ているとの事です。
由晃(よしあき)さんは灘で修行された経験があり、今後は山廃仕込を用いて1年くらい熟成させてから美味しくなる辛口の酒も造って行きたいとの事。
これからの活躍に期待したい蔵元です。




商品の購入・質問は富士の光(ふじのひかり)|安達本家酒造株式会社へお問い合せ下さい。
TEL:059-377-2411富士の光醸造元安達本家酒造株式会社
ここで書かれているデーターは筆者が訪問した時点の情報となります。

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