2012年07月19日

真鶴(まなつる)|株式会社田中酒造店

新進気鋭 酒蔵訪問の旅 273蔵目

真鶴(まなつる)|株式会社田中酒造店

宮城県加美郡加美町西町88−1
蔵元のサイト:http://www.miyagi-vip.jp/foods/tanakashuzo.html


酒名:真鶴(まなつる)、田林(でんりん) ■創業:1789年(寛政元年)11代 ■杜氏:社員杜氏(無所属) ■仕込み水:中硬水 ■訪問日:2012/7/19

代表銘柄
真鶴 山廃仕込み純米酒
田林 生もと特別純米

真鶴(まなつる) 株式会社田中酒造店|外観
真鶴(まなつる)、田林(でんりん)という名の酒を造る株式会社田中酒造店は寛政元年(1789年)に田中新八郎氏が創業した11代続いた酒蔵です。

この地は古くは室町時代に奥州探題が置かれ大崎氏が支配。戦国後期以降から伊達氏の領地となり、江戸時代になると商業が発展し米相場を動かすほどの商人がいた、という民力が強い土地だったそうです。

田中家は呉服商を営んでおり、京都、大阪のお侍さんの払い下げの着物を買い付けて販売していたそうです。
それこそ相場を左右できるほど大量に買い付けていたそうで、呉服商によって財をなし同時に金貸しなども行います。
金貸しをすると借金を返せなくなった人の担保となる田んぼが増え地主化します。
大崎平野は江戸時代から米の産地で、豊富に収穫される米を相場が高いときは米のまま販売し、相場が低い時には酒などに加工されたそうです。
地主化し豊富にとれる米の有効的な使い道として酒造業に参入された、というのが経緯のようです。

田中家はかなり大きな両替商だったそうで東北実業銀行の前身と言われています。

真鶴(まなつる) 株式会社田中酒造店|蔵の窓
この地域には古い建物がところどころ残っていますが、重圧な土蔵造りと白と黒のまなこ壁の田中酒造店は一際目を引きます。

造り酒屋にて、このような白と黒のまなこ壁の外観を持つ蔵は早々目にしません。 おそらく着物屋さんという事で、今でいうブティックではありませんが、購買欲をそそるような外観だったのではないでしょうか?

田中酒造店は11代続く長い暦酒を持つ酒蔵ですが、12代目を継ぐ人がいなかったそうです。
11代蔵元は、亡くなる5年ほど前から入退院を繰り返し、その時にとなりの中島酒造店の中島社長に「蔵を手伝ってくれないか」と頼まれます。
そうして中島社長は中勇酒造店と田中酒造店を手伝う事になったのですが、その最中に11代目の病気は治らず他界。
そのような経緯から中勇酒造店の中島社長が、田中酒造店の社長に就任されます。

中島社長の話によると、それぞれの歴史に中に根ざしたものは壊さない。
それぞれの蔵に長い歴史があり、それを混ぜる事はしない。
それぞれにファンがついているので、それぞれの蔵が造る酒のコンセプトは全く異なるとの事。
田中酒造店では生もとや山廃仕込み、一升盛りの麹造り、木樽を用いた酒母造り、といったクラシカルな手法で酒造りをされています。

写真は麹室。 真鶴(まなつる) 株式会社田中酒造店|麹室
田中酒造店は全盛期には5500石を製造。
宮城県で一番という時代もあったそうです。
その為、麹室はとても広く写真に写っているのはほんの一部。小さな蔵の仕込み部屋くらいの広さがりました。
現在は製造規模も小さく、麹蓋による手造り麹なので量もつくれないとの事。

真鶴(まなつる) 株式会社田中酒造店|一升盛り

写真は酒母室。
真鶴(まなつる) 株式会社田中酒造店|酒母室
山廃をずっと続けていた蔵なので生もとも出来るだろうと、宮城県で誰も行っていない生もと造りを67年ぶりに復活。
造られた酒には「田林(でんりん)といい、決まった店しか並ばない限定流通品。

写真は生もとを仕込む際の桶。
真鶴(まなつる) 株式会社田中酒造店|生もと

酒母の育成には木の抱き樽を使用。
真鶴(まなつる) 株式会社田中酒造店|木の抱き樽 アルミと異なり熱が柔らかく伝わるとの事。

写真は仕込み部屋。
真鶴(まなつる) 株式会社田中酒造店|仕込み部屋

写真はお酒の搾り機。
真鶴(まなつる) 株式会社田中酒造店|槽場
結構、長さがあります。
かつて大きな造りをされていた事が伺えます。

訪問の証の記念撮影。
真鶴(まなつる) 株式会社田中酒造店|記念撮影
きれいな状態で使用されている木の抱き樽に感心する吾郎。

最近では鉄筋コンクリート造りの酒蔵も多いのですが、田中酒造店は外観だけではなく製造の現場も木造の美しい蔵でした。
木造の古い蔵だと2階に上がった際に床が抜けるのでは?など不安を感じる蔵もあるのですが、田中酒造店にはそれが無く丈夫。
古き良き酒蔵を感じさせる木造の良い蔵でした。

この地域には歩いて行ける範囲に3件の酒蔵があり、蔵開放など酒蔵見学が可能な蔵もあります。
是非、訪問をお勧めする酒蔵です。




商品の購入・質問は真鶴(まなつる)|株式会社田中酒造店へお問い合せ下さい。
TEL:0229-63-3005真鶴、田林醸造元株式会社田中酒造店
ここで書かれているデーターは筆者が訪問した時点の情報となります。

この記事へのトラックバックURL

http://sanoya.jizake.com/t1719

蔵元の熱き思いをお届けします。年間発送1万件以上 地酒のセレクトショップ 佐野屋 地酒.com
◆佐野屋 地酒.com
蔵元の熱き思いをお届けします。年間発送1万件以上 地酒のセレクトショップ。