2012年07月19日

夢幻(むげん)|株式会社中勇酒造店

新進気鋭 酒蔵訪問の旅 272蔵目

夢幻(むげん)|株式会社中勇酒造店

宮城県加美郡加美町南町166
蔵元のサイト:http://mugen-kuramoto.co.jp/


酒名:天上夢幻(てんじょうむげん)、成瀬川(なるせがわ) ■創業:1906年(明治39年)酒蔵では4代(中島家だと26代) ■杜氏:社員杜氏(南部杜氏) ■仕込み水:中軟水 ■訪問日:2012/7/19

代表銘柄
夢幻(むげん) 純米酒
鳴瀬川 純米酒

仙台平野の北部に位置する大崎平野。ここは室町時代に大崎氏が奥州探題としてこの地を支配し、戦国時代末期には伊達政宗の領地となります。

内陸の大崎平野は江戸時代から米の産地で、豊富に収穫される米は鳴瀬川を下り石巻港まで運ばれ、そこから船で江戸や大阪まで運ばれていたとそうです。
今でもササニシキの本場で、私が酒蔵訪問で車で運転していた時も周囲の風景は田んぼばかり。

そんな米の産地という事ですから、現在3社の酒蔵が稼働しています。
その中の1社で、かつてこの地を支配していた大崎氏にゆかりがあるというある酒蔵が株式会社中勇酒造店です。

夢幻(むげん) 株式会社中勇酒造店|外観
天上夢幻(てんじょうむげん)、成瀬川(なるせがわ)、という銘柄の酒を醸す株式会社中勇酒造店は1906年(明治39年)に創業した酒造業開始から4代続く蔵です。

酒蔵としての歴史は明治以降ですが、蔵元の中島家は26代続いているとても歴史のある家。
古くは大崎氏に使えていた士族だったそうで、かつて奥州探題が大崎に置かれた際に、中央から来た役人の一人ではないか?といわれているそうです。

この地の士族の多くは「半官半農」で、農業などもしつつ町の公職に就き、町の経済から政治から全部世話をしていたそうです。
中島家は大肝煎(おおきもいり)といわれる、この地に3家あった行政区長の一人。

代々名として当主は中島屋太左衛門と名乗り、江戸期には呉服商、両替商や金貸しを営み、担保物件として田んぼを預かり、借金が返せなかった人の田んぼがますます増えて、あちらこちらに土地が点在してたそうです。

元々は現在、蔵が建っている場所では無く、別の場所で商売をされていたそうですが町が大火で焼けてしまい、現在の場所に移転されたとの事。

写真の方は26代目当主、中島信也蔵元
夢幻(むげん) 株式会社中勇酒造店|中島信也蔵元

蔵が位置する土地には、中勇酒造店、田中酒造店、山和酒造店の3件の酒蔵が歩いて行ける距離に密集。 宮城県内でもっとも酒蔵の密度が濃く、地元の小売店はこの3銘柄あれば商売が出来る、といわれたくらい地元の人々は地元の酒を飲まれているそうです。

なので灘や伏見のナショナルブランドなど置いても全然売れず、同じ宮城県の浦霞や一の蔵の酒でさえ見向きもされないとか。
この土地に住む人々は、地元の地酒しか受け入れられないそうです。
その為、現在でも中勇酒造が造る酒の95%が地元で消費されいます。

ただ地元市場中心と言いながら造られている酒の9割以上は特定名称酒。
7年連続で鑑評会で金賞受賞されるなど、今では一番良く売れている商品が夢幻(むげん) 純米酒。

逆にレギュラー酒は現在ではモロミ1本を仕込み規模まで縮小しているそうですが、蔵元は地元に育てられているという意識を強く持たれており、地元にレギュラー酒を求める人がいる以上あえてそれを止めるような事はしない、との事。

ちゃんと高品質な純米酒も造っているので、純米を求める方には純米を飲んでいただき、レギュラーが好きな方にはレギュラーを飲んでもらいたいという考え方で酒を造られています。

写真は仕込み部屋です。 夢幻(むげん) 株式会社中勇酒造店|仕込み部屋
昔は南部杜氏が来て酒を造っていたそうですが現在は社員杜氏。(南部杜氏の県外杜氏)

宮城の酒は端麗辛口に近い食中酒が多いので、ウチは食前酒に近い味がある酒が目標との事。
端麗辛口に旨味、味わい、深み、幅を加え、味わいがある究極の旨口酒を目指されているそうです。

生産する酒の全量をビン貯蔵。すべてお客様にいく直前まで冷蔵庫で保管。
冷蔵庫は5カ所ありますが、もういっぱいいっぱいで、酒母室は夏場は冷蔵庫に変わるなど、どの蔵も冷蔵庫のスペース確保には苦労されているようですね。

夢幻(むげん) 株式会社中勇酒造店|記念撮影
最後に訪問の証の記念撮影。変わった形状の煙突に驚く吾郎。

中勇酒造店の中島信也蔵元は、同じ通りを100メートルほど離れた場所にある田中酒造店(真鶴)の蔵元でもあります。
また、かつて宮城の県北に天賞酒造という酒蔵が存在したのですが、東日本大震災の際に倒壊した酒蔵に蔵を譲り廃業されたそうです。しかし天賞という商標権だけは残っていたため、天賞を存続したいと願う蔵の後継者が、中勇酒造店の設備と蔵人を借りて天賞を造り続けているとの事。

私も酒蔵経営をしたいと考えている一人ですが、「蔵を頼にたい」という話など一度もありません。
人徳がある方のところには人が集まってくるのだと思いました。




商品の購入・質問は天上夢幻(てんじょうむげん)|株式会社中勇酒造店へお問い合せ下さい。
TEL:0229-63-2018天上夢幻、成瀬川醸造元株式会社中勇酒造店
ここで書かれているデーターは筆者が訪問した時点の情報となります。 宮城県加美郡加美町の酒蔵。天上夢幻(てんじょうむげん)という名の日本酒を造る株式会社中勇酒造店の訪問記。

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