2012年07月18日

綿屋(わたや)|金の井酒造株式会社

新進気鋭 酒蔵訪問の旅 268蔵目

綿屋(わたや)|金の井酒造株式会社

宮城県栗原市一迫川口町浦1−1


酒名:綿屋(わたや)、佐藤農場 ■創業:1915年(大正4年)4代 ■杜氏:南部杜氏 ■仕込み水:弱硬水 ■訪問日:2012/7/18

代表銘柄
綿屋 特別純米 美山錦
綿屋 特別純米 蔵の華
佐藤農場 純米吟醸 山田錦

宮城県の北部、岩手県の県境に位置する栗原市。
高速道路から下りて車を走らせても目に入る光景は田園ばかり。
そんな田園地帯の中に、今日本酒ファンの間で注目されている酒が「綿屋( わたや)」です。

綿屋(わたや) 金の井酒造株式会社|外観
綿屋(わたや)を造る金の井酒造株式会社は1915年(大正4年)、この地で製材業、味噌の醸造など営んでいた三浦 順吉氏によって創業した4代続く酒蔵です。

綿屋(わたや) 金の井酒造株式会社|外観 裏側から
三浦家は古くからこの地に続く商家で家全体では15代続いているとの事。

この地の地主でもあり、小作から年貢(地代)として上がってくる米が豊富にあるのですが、この地域は大農村地帯なので皆さんが米を栽培されているため、米を持たれています。

小作から上がってくる米を売ることができたら良いのですが、周囲には米を持っている人ばかり。米を売りたいくらい持っている人に、米を買ってもらうことなど出来ないので、米の活用に苦労されていたそうです。

そこで味噌や酒など、米から他の製品に作り変えて販売する訳ですが、明治〜大正時代に国有林の払い下げを受けた三浦家は製材業をはじめます。
この製材業が当たってそうで、その利益で酒造業に参入されたとの事。
それによって余っていた米を酒に変えて売ることが出来、商売も順調だったようです。

そのような経緯から三浦家は様々な商売をされていたそうで、酒名である「綿屋(わたや)」という名前は、かつて養蚕業を営んでいた事があったようで、そこから「綿屋」の酒名がついたと言われています。

私は最初「綿屋」という酒名を耳にした時、変わった酒名だと思いました。
綿のようにふわりとした酒なのかな?など思っていましたが、このような経緯だったとは知りませんでした。

写真は酒米を意欲的に造りたいという農家とのコラボで造った酒「佐藤農場」。
綿屋(わたや) 金の井酒造株式会社|商品
農家の名前を商品名に入れることによって「米を作ったら終わり」ではなく、商品化した後も農家さんに見届けてもらおう、という企画の酒。


蔵の周辺で作られている米は主に飯米ですが、佐藤農場では山田錦を栽培してもらっているとの事。
この辺が山田錦栽培の北限と言われているそうです。

蔵はかつては全量を地元の米を用いて酒造りをされていたそうです。しかし宮城県の北部は太平洋北部から吹きこんで来る冷たい風「やませ」という季節風があり、やませが吹いた年は米は大不作になると言われています。

もし大冷害になった時、地元産の米に依存していたら酒を造る米が手に入らなくなるため、リスク分散の意味で徳島の山田錦、長野の美山錦など県外産の米も使用されているそうです。
近隣の米が全体の三分の1,県外が三分の2という比率との事。

写真は蔵元自慢の「OH式二重蒸気槽」という窯。
綿屋(わたや) 金の井酒造株式会社|釜場

仕込み水には蔵から3キロ離れた山の中から湧き出す「小僧山水」の水を使用。
水質は軽い硬水。パイプが通っていて水道化されていて、この地域の水道水は小僧山水水が使用されているとの事。

原料米には、上記で書きました通り地元で作られた飯米(ヒトメボレ)や山田錦、県外だと徳島の山田錦、長野の美山錦を使用。

「ヒトメボレ」は地元農家が栽培を得意とする米で、酒造好適度が高くなるよう育ててもらっているとの事。

写真は仕込み部屋。大正時代に建てられた蔵です。
綿屋(わたや) 金の井酒造株式会社|仕込み部屋
仕込みの大きさは一番大きなもの1200キロ仕込み それ以上大きな仕込みはないとの事。

仕込み蔵の横幅が狭いんですが、写真で見ての通り「木の1本の長さが蔵の横幅」になっています。横幅をこれ以上大きくするには「木をつなぐ」必要があります。
木をつなげば更に横幅が広い蔵を建てる事ができたそうですが、2011年に発生した東日本大震災では、木をつないでいた建物の多くは屋根が落ちてしまったとの事。

柱の間隔が狭く、木を贅沢に使っています。
この地域は震度7という強い揺れが襲ったそうですが、その地震に耐えた蔵だそうです。

訪問の証の記念撮影。 綿屋(わたや) 金の井酒造株式会社|記念撮影
大正時代に建てられた蔵が、震度7の地震に耐えたという話をきいて驚く吾郎。

現在、この蔵では年間500石という量の酒を造られているそうですが、蔵元の目標は「500石で表現できる味の追求」。

500石という小規模生産だと経営が難しく様々な工夫が必要になるのですが、その一方ではタンク1本、1本の酒に愛情を注けるという、少量高品質生産が行えるという強みもあります。
蔵元は500石で表現できる味(この蔵の特徴をよく現した酒)が、高い評価をいただけるよう頑張って酒造りを続けていきたい。」とお話してくれました。

綿屋(わたや)は綺麗な辛口酒ですが、太平洋の油の乗った魚を食する地域なので、それに負けないしっかりした味わいを持つ酒。
食事とも組み合わせも良好で宮城県で日本酒を揃えている居酒屋ではよく目にする銘柄です。
宮城に行かれた際には是非お飲みになられる事をオススメします。




商品の購入・質問は綿屋(わたや)|金の井酒造株式会社へお問い合せ下さい。
TEL:0228-54-2115綿屋(わたや)、佐藤農場醸造元金の井酒造株式会社
ここで書かれているデーターは筆者が訪問した時点の情報となります。

この記事へのトラックバックURL

http://sanoya.jizake.com/t1711

蔵元の熱き思いをお届けします。年間発送1万件以上 地酒のセレクトショップ 佐野屋 地酒.com
◆佐野屋 地酒.com
蔵元の熱き思いをお届けします。年間発送1万件以上 地酒のセレクトショップ。