2012年07月17日

阿部勘(あべかん)|阿部勘酒造店

新進気鋭 酒蔵訪問の旅 266蔵目

阿部勘(あべかん)|阿部勘酒造店

宮城県塩竈市西町3−9


酒名:阿部勘(あべかん)、於茂多加(おもたか) 男山、四季の松島 ■創業:1716年(享保元年)14代 ■杜氏:社員杜氏(南部杜氏) ■仕込み水:中軟水 ■訪問日:2012/7/17

代表銘柄
阿部勘 蔵の華 純米吟醸
四季の松島 純米酒
於茂多加男山 本醸造

宮城県のほぼ中央に位置する塩竈市。
江戸時代に鹽竈神社(しおがまじんじゃ)の門前町として栄え、大正時代から昭和にかけては造船業によって発展。同時に漁業も盛んで近海の生マグロの水揚げ量が日本一。

かつては沢山の遊郭が存在し、戦前には塩釜だけで5〜6社の酒蔵があったそうです。
その塩釜で現在酒造りを続けているのは2社のみ。その一社が阿部勘、於茂多加(おもたか)男山という酒を造る阿部勘酒造店です。 阿部勘(あべかん) 阿部勘酒造店|外観
阿部勘酒造店は江戸中末期、1716年(享保元年)創業の酒蔵です。

代々、阿部勘九郎という名を世襲しているので創業者は勘九郎という名前の方だったのでは、と言われています。

古い書籍が消失した為、創業の経緯などは正確な事は解っていないそうですが、2つ説があって一つはこの地域で魚問屋をしていて酒造業に参入。または庄屋業をしていて米が豊富にあった背景で酒造業に参入したのでは?と考えられています。

蔵も前の通りは江戸時代には遊郭が並び、蔵は遊郭のど真ん中に位置していたそうです。

蔵の前の道を東へ50メートルほど進んたどころに、道が分岐している地点があるのですが、かつてはそこまでが海だったそうです。

写真の方は15代を継ぐ予定の阿部昌弘さん。
阿部勘(あべかん) 阿部勘酒造店|阿部昌弘蔵元
昌弘さんは今から3年前の2009年、食品などを販売していた普通のサラリーマンを経て、蔵の仕事に入られます。
今回、昌弘さんに蔵をご案内していただきました。

写真は釜場です。
阿部勘(あべかん) 阿部勘酒造店|釜場
蔵は今から15年前に行われた道路の拡張工事の際に建て替えが行われました。

前の杜氏さんが全国の酒蔵を見て周り蔵を設計されたそうです。
鉄筋コンクリート作りの3階立てになっていて、最上階から原料処理を開始し1階で酒を搾ります。

釜場は3階にあります。
この時代に建て替えた蔵の多くは、上から原料処理が始まり下に降ながら酒が出来というタイプです。
ちなみに現在の蔵はワンフロアでコンパクトに集約し酒を造るという蔵が多いです。これも時代の特徴ですね。

写真は麹室の外観。
阿部勘(あべかん) 阿部勘酒造店|麹室
麹室は3つの部分に分かれていて、米を引き込んでも盛りを行う1日目の部分、2日目は左の杜氏産という製麹機で製造。それと枯らし場の部分です。

枯らし場の部分は、初日の盛りを行う室と同じくらいの広さがあります。
宮城の酒蔵は枯らし場にしっかりスペースを確保している蔵が多いように思いました。

写真は仕込み部屋です。
阿部勘(あべかん) 阿部勘酒造店|仕込み部屋

写真はPP板と言われる蔵元自慢の圧搾機。
阿部勘(あべかん) 阿部勘酒造店|槽場
現在、普及している自動圧搾機の多くはアルミ板にゴムが用いられているのが多いそうですが、阿部勘酒造店では最新式といわれるプラスチック板にシリコンを用いた圧搾機を導入されています。

アルミ板からプラスチックに変えるだけで、ゴム臭や金属臭などのエグ味が消えて劇的に酒が綺麗になるそうです。

綺麗になりすぎるために、かえって酒の欠点が目立ってしまうとか。
その分、丁寧に造らないといけないとの事です。

特別純米酒以上は氷温のビン貯蔵。
阿部勘(あべかん) 阿部勘酒造店|氷温貯蔵庫

阿部勘(あべかん) 阿部勘酒造店|氷温貯蔵庫
写真の通りかなり大きな冷蔵倉庫です。 冷蔵倉庫はここ以外にも更に2箇所あり、一つは道を挟んだ向こう側に冷蔵コンテナ。あとタンクごと収まる5度〜10度の大きな倉庫があります。

お酒の硬さによって貯蔵する温度が異なり、硬い酒質(熟成に時間がかかる酒)は5〜10度の冷蔵庫で保存し熟成を進めるそうです。

酒蔵には特に仕込み部屋や貯蔵庫にはポンプが転がっているのですが、妙に綺麗だったので撮影。
阿部勘(あべかん) 阿部勘酒造店|ポンプ
聞いてみたところ3年ペースでオーバーホールして塗りなおしているとの事。
今までポンプを撮影した事は無く、醸造機器の中でも脇役中の脇役とい言える存在ですが一方、現在の酒造りにおいてポンプは欠かせない道具でもあります。
妙に綺麗だったので思わず撮影してしまいました。

訪問の証の記念撮影は自慢の圧搾機の前で撮影。
阿部勘(あべかん) 阿部勘酒造店|記念撮影
PP版の圧搾機としては宮城県では一番最初に導入したとのことで、東北全体でも数件目というくらい早い時期から導入。

一般の方が見ても特にピンとこない機械に見えますが、酒造家の方が見たら驚かれるそうです。

阿部勘酒造店が造る酒の量は年間で約500石で、その大半が地元の塩釜で消費されているとの事。

10年前までは仙台にも出ておらず、塩釜近辺でそれこそ車で10分の範囲の海沿いしか商売されていなかったそうです。

現在でも地元での消費が主体との事ですが、醸造機器から冷蔵貯蔵庫に至るまで、とても立派な設備を備えられていると感じました。

塩釜は人口に対して寿司屋の数が日本一多い地域と言われていて、生の刺身が美味しい地域です。

地元で商売してきたので、地元で美味しく飲めるお酒、地元の海の幸に合う酒を造って行きたいとの事です。
塩釜に来て寿司を食べながら飲む阿部勘は美味しいでしょうね。




商品の購入・質問は阿部勘(あべかん)|阿部勘酒造店へお問い合せ下さい。
TEL:022-362-0251阿部勘(あべかん)、四季の松島醸造元阿部勘酒造店
ここで書かれているデーターは筆者が訪問した時点の情報となります。

この記事へのトラックバックURL

http://sanoya.jizake.com/t1709

蔵元の熱き思いをお届けします。年間発送1万件以上 地酒のセレクトショップ 佐野屋 地酒.com
◆佐野屋 地酒.com
蔵元の熱き思いをお届けします。年間発送1万件以上 地酒のセレクトショップ。