2012年07月17日

勝山(かつやま)|仙台伊澤家 勝山酒造株式会社

新進気鋭 酒蔵訪問の旅 265蔵目

勝山(かつやま)|仙台伊澤家 勝山酒造株式会社

宮城県仙台市泉区福岡二又25−1
蔵元のサイト:http://www.katsu-yama.com/


酒名:勝山(かつやま) ■創業:1688年(元禄元年)12代 ■杜氏:社員杜氏(南部杜氏) ■訪問日:2012/7/17

代表銘柄
勝山 純米吟醸 献
勝山 純米大吟醸 暁
勝山 純米大吟醸 DIAMOND AKATSUKI

東北地方で最も人口が多い都市、仙台市。
伊達政宗公が慶長6年(1601年)、青葉山に仙台城を築城し開府した事によって都市としての仙台の歴史が開始。

伊達政宗公は戦国武将の中でもとりわけ美食家だったそうで、「ご馳走は旬な物をさりげなく出して主人自らが振舞う」という語録を残されているとか。
会食の際には自ら献立を指示していたそうで、料理に詳しくなければ出来ないとの事です。

その伊達家の御用商人を務め、お殿様に飲んで頂く最高の酒を造っていた酒蔵が、勝山という酒を造る仙台伊澤家 勝山酒造株式会社です。 勝山(かつやま) 仙台伊澤家 勝山酒造株式会社|外観
勝山酒造株式会社は1688年(元禄元年)に、伊澤屋八内氏によって創業した現在で12代続く酒蔵です。

伊澤家のルーツは鎌倉時代に遡ります。 源頼朝の命による奥州征伐の際、事務方として伊澤家景という武将が東北に派遣されます。
役目が終わった後、留守番役としてこの地に残され苗字を「留守」に改めたそうです。
伊澤家は、留守氏の末裔らしくかつては磐城に住んでいたそうですが、伊達政宗の仙台開府の際に磐城から仙台に移り住んて来た、と言われています。

地主、金融業、どぶろの製造を行い、どぶろくから清酒の製造を開始。
幕末には城下町で一番大きな酒蔵に成長し「酒が良いから売れているんだろう」と、仙台藩の御用酒屋となったそうです。

藩の御用酒屋というのは、今で例えると国税の鑑定官室のような役割を持っていて、酒税により藩の財政を潤す為には腐造など防ぎ、酒の質を高めていかなくては行けません。

その為、一番腕の良い酒蔵が目付役として藩内の酒蔵を回って指導する役割を担ったそうです。
御用酒屋は酒蔵の中でも名誉がある役割だったそうです。

写真の方が12代蔵元 取締役会長の伊澤平藏さんです。
勝山(かつやま) 仙台伊澤家 勝山酒造株式会社|伊澤平藏12代蔵元
かつては仙台市の中心部、宮城県庁や東北大学がある青葉区に蔵を構えていましたが、今から約40年前に蔵の前の道が拡張工事され蔵の敷地が分断されます。

道を広げるという事は都市化が進む。
都市化が進むという事はビルが立つ。
ビルが建つと地下水に影響が出る。
このまま市街地で酒造りを続けていたら、いずれ水脈が汚染されると考え、良い水が豊富な現在の場所へ蔵を移転。

蔵の場所は仙台の市街地から車で約20分くらい、結構遠く周囲には本当に何もありません。
ほんとうにこんな所に酒蔵があるのだろうか?
カーナビに目的地の入力ミスをしたかも?
そう不安に思っていたら写真の蔵が現れたのでホッとしました。

勝山(かつやま) 仙台伊澤家 勝山酒造株式会社|美味しんぼ 上の左側の写真でシェフの間に立つスーツ姿の方が先代の蔵元、伊澤平一さん。

先代の蔵元は日本酒ばかりではなく食への情熱も強く、マンガ「美味しんぼ」75巻では宮城県の食に精通している勝山の蔵元として登場されているそうです。

先代の蔵元が残した功績は大きく、昭和50年代には特定名称酒の製造に舵を切り替え、昭和57年には全量「特定名称酒」を造る蔵に。

また昭和61年には宮城県の全ての蔵を集め「みやぎ・純米酒の県宣言」というのを開始。 今では宮城県の酒は特定名称酒の比率が80%で全国でもトップクラス。高品質の酒処として現在に至っています。
自社の酒質向上にみならず、宮城県の酒蔵全体の酒質向上を推し進めた宮城のリーダー的存在です。

5人の息子さんがおられ、酒蔵のみに留まらず宮城調理製菓専門学校、仙台勝山館(せんだいしょうざんかん)など設立。伊達政宗が残した美食の文化を今に伝えています。

勝山(かつやま) 仙台伊澤家 勝山酒造株式会社|商品
平成8年には宮城県では一番最初となる全量純米となり、造られている酒は全て純米酒。

主力商品「勝山」には家紋である「五三の桐」がボトルに刻まれている事から、ボルドーワインのような形状のビンに入っています。

写真は釜場です。
勝山(かつやま) 仙台伊澤家 勝山酒造株式会社|釜場
蔵では3期醸造が行われていて、9月の末ぐらいから製造が開始し6月の中旬頃まで酒造りが行われています。
年間に製造される酒の量は約500石との事。

酒造には魔法や近道などなく、やるべく事は全て行う。
ここまでやりたいね、と思った事は徹底的に行おう。

そうなると、日じまい、半じまいというペースで酒を仕込んでいては、時間が無くやりたいことが十分に行えません。

やりたい事を徹底的に行うためには、1週間の1本くらいのペースで酒を仕込む必要があり、そうなると冬季だけでは製造が間にあわない為、3期醸造の蔵を建てたそうです。

写真は麹室。 勝山(かつやま) 仙台伊澤家 勝山酒造株式会社|麹室

写真は仕込み部屋です。
勝山(かつやま) 仙台伊澤家 勝山酒造株式会社|仕込み部屋
もっと大きな蔵を想像していましたが、仕込み部屋は写真の通りコンパクトです。週に1本ペースで仕込む3期醸造なので、この広さがあれば十分との事。

お酒はこの槽で絞られます。
勝山(かつやま) 仙台伊澤家 勝山酒造株式会社|槽場
かつてはヤブタと言われる圧搾機でお酒を絞っていたそうですが、現在ではこの槽と下の写真の遠心分離器で酒を搾ります。

写真は遠心分離機です。 勝山(かつやま) 仙台伊澤家 勝山酒造株式会社|遠心分離機

ヤブタの長所は人手が少なく、半日もあればお酒を搾り終えることが出来ます。
その為、日じまいといった密集したペースで酒を仕込む際には不可欠な道具になります。

しかし勝山酒造は週に1本のペースで仕込む為に、ヤブタを用いてスピーディーにしぼる必要がありません。
槽で搾ったほうがいい酒が出来るだろうという考え方から、槽または遠心分離機で酒を絞っているそうです。

搾り終えた酒にもかなり気を使われています。
宮城県の酒蔵は特に「生ひね香」を嫌う傾向があるそうで澱引き5日程度で早々に火入れを行いマイナス5度の冷蔵庫で酒が貯蔵されます。
澱引きにもサーマルタンクを使用されているそうです。

宮城の酒蔵はどの蔵に行っても大型の冷蔵庫を何機も持たれていて、他県と比べも冷蔵倉庫の面積はとても広いと思いました。

最後に訪問の証の記念撮影。
ピカピカの遠心分離機に感心する吾郎。
勝山(かつやま) 仙台伊澤家 勝山酒造株式会社|記念撮影

宮城県は食米の産地で、江戸時代には江戸の米の3分の1は仙台領の米だったそうです。
酒造りには酒造好適米が良いのですが、宮城の農家は食米を中心に作っていたため、米どころでありながら十分に酒造好適米が無かったそうです。

その結果、食米で酒造りを行う必要に迫られたのですが、それによって宮城の酒蔵は酒造技術が向上する事になります。
特に雑味という要素を嫌い「酒を搾り終えた段階で、存在しなかった香味は極力排除したい」という考が強く、搾り終えた以降の酒の管理がとても素晴らしいと思いました。

食米で造られているお酒なんて、と思われている日本酒ファンも多いと思いますが、ササニシキで造られている「勝山 特別純米 縁」を是非一度お飲みください。食米で造られる酒の先入観が変わると思います。




商品の購入・質問は勝山(かつやま)|仙台伊澤家 勝山酒造株式会社へお問い合せ下さい。
TEL:022-348-2611勝山醸造元仙台伊澤家 勝山酒造株式会社
ここで書かれているデーターは筆者が訪問した時点の情報となります。

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この記事へのコメント
はじめまして同じく勝山福岡蔵に行ったことのある三浦と申します。
以前、縁あっていわきの若手経済人を蔵元に引き合わせたことがありましたが・・・。初対面なのにどっか相性がいい(直感)。やっぱり、いわきにもご縁のあった御一族でした。おどろきました。
Posted by 三浦 at 2012年10月14日 16:35

蔵元の熱き思いをお届けします。年間発送1万件以上 地酒のセレクトショップ 佐野屋 地酒.com
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