2012年04月25日

萬年亀(まんねんがめ)|萬年亀酒造株式会社

新進気鋭 酒蔵訪問の旅 254蔵目

萬年亀(まんねんがめ)|萬年亀酒造株式会社

福岡県久留米市三潴町草場68の4
酒名:萬年亀(まんねんがめ)、萬屋荒神(よろすやこうじん) ■創業:1892年(明治25年)7代 ■杜氏:蔵元杜氏(諸派) ■仕込み水:久住水系に属する天然水 ■訪問日:2012/4/25

代表銘柄
萬年亀 初しぼり 生原酒
萬年亀 大吟醸 ふくろこし
玄米日本酒 琥珀のつぶやき

萬年亀酒造株式会社は明治25年(1892年)に創業した、現在7代続く酒蔵です。
萬年亀(まんねんがめ) 萬年亀酒造株式会社|外観
萬年亀酒造のルーツですが、酒造業以前はこの地の地主だそうで、小作から米が上がって来る米があった事から、当時景気が良かった酒造業に参入した、というのが経緯だと伝えられています。

第二次世界大戦中の昭和19年に企業整備令によって昭和23年までの4年間、休業余儀なくされます。
企業整備令によって休業させられた酒蔵は、戦後復活した時に大きなハンディを背負うことになります。

というのは、当時の問屋さんにとっても商材の仕入れは死活問題でした。
戦時中の商品が無い時代、配給によって日本酒を出荷してくれた酒蔵に対する恩恵はとても大きかったそうです。

問屋さんは、商品供給が厳しかった時期からお酒を出荷してくれた酒蔵への手前、そこには簡単に割り込めなかったそうです。

戦後復活組の酒蔵が生き残る手段として、消費者への直売(税務署用語で「じきばい」と読むそうです。)を行い日本酒を売る方法と、桶売りと言って大手の酒蔵の下請けを行い、造った酒を買い上げてもらう方法がありました。

当時の桶売りはとてもよい商売だったそうです。
製造したお酒は大手がまるまる買い取ってくれることから、酒の販売をしなくて済みます。
酒の製造を終え、大手が買い取ってくれたら残りの半年は遊んでくられます。
なので当時ゴルフ場に行ったらみんな酒蔵ばかりだったそうです。

一方、直売はというと蔵元の話によれば、それも悪くなかったそうです。
まとめ売りが出来た時代だそうで、同時に日本酒は無名でも売れたとの事。 戦前からお付き合いがあったお店を中心に回って、値段をサービスなどすれば、名前の無い酒でも車1台分、まとめて買ってくれたる事もあったそうです。

蔵は桶売りは性に合わなかった事から直売をされます。
当時の卸屋はとても力が強く、蔵の近所の商圏は押さえられているので、売りに行く先は遠く、長崎、北九州、福岡県の端の方。車に酒を満載して行っていたそうです。

この時、桶売りをせず独自流通を開拓した事が今日の蔵に大きく役立ちました。
現在の独自流通となった時代に早々に対応する事が出来ました。
逆に桶売りをされた蔵は、元に戻ることが出来なかったケースが多いとの事。
日本酒のピークが過ぎた今となって、独自ブランドでの販路開拓は早々に行えるものではありません。
今では姿を消してしまった酒蔵も多いとのことです。

写真の方は7代目蔵元、塚本喜博さん。
萬年亀(まんねんがめ) 萬年亀酒造株式会社|蔵元
昭和38年から2年間、劇団四季に在籍。
舞台「イフィジェニィ」で主役のアキレスを、当時看板女優だった影万里江さんを相手役に演じらたそうです。

写真は仕込みタンク。私が訪問した4月25日でもまだ仕込み中でした。
萬年亀(まんねんがめ) 萬年亀酒造株式会社|仕込み部屋
現在は蔵元をはじめ約4名という少人数で12月からゴールデンウィークがあける5月まで約400石ほどの日本酒を製造します。造った酒は蔵元直売で販売。

以前は3月には仕込みが終わっていましたが、少人数で酒造りをしているので、1本の仕込みの間隔を広げてゴールデンウィーク明け頃まで造りをされているとの事。

私が訪問した日は4月25日でしたが、仕込みタンクにはモロミが入っていました。

蔵で売れている商品は、萬年亀初 しぼり純米 生原酒。
萬年亀(まんねんがめ) 萬年亀酒造株式会社|商品
大吟醸の袋吊りの酒を300mlビンに詰めることで買いやすい価格に設定した「萬年亀 大吟醸 ふくろこし 300ml 1050円」もとても良く売れているとの事です。

写真は釜場です。
萬年亀(まんねんがめ) 萬年亀酒造株式会社|釜場

訪問の証の記念撮影。萬年亀を利き酒をし驚く吾郎。
萬年亀(まんねんがめ) 萬年亀酒造株式会社|記念撮影
上のほうで少し触れましたが、蔵元は酒蔵に戻ってくる前の2年間、劇団四季で芝居をされていた時期があったそうです。

当初は親との約束で1年間だけ東京で芝居をしてから帰るつもりでしたが、ひょんな事から劇団四季の「イフィジェニィ」という芝居の主役に合格。
当時看板スターだった影万里江さんと共演されたそうです。

2年後、四季を辞めて蔵に戻ってくるわけですが酒造りが終わった5月以降が退屈でしかたなかったとか。
そこで再び父親に「独身の間だけ、5月から秋まで時間を下さい」とお願い。この時期だけ上京して劇団仲間を集め「プロデュース公演」を計画されます。

今はプロデュース公演は珍しくないそうですが、当時は各劇団の講演ばかりで、それぞれの劇団から役者を借りて行うプロデュース公演は劇団からよく思われなかったそうです。
しかし蔵元が呼びかけたプロデュース公演には山崎努さんが賛同。続いて寺田農さん、橋爪功さん、北村総一朗さんという早々なメンバーが参加。
ギャラなんて払えずはずもないので、皆さんノーギャラで手伝ってくれたそうです。

集まったメンバーの中には久米宏さんの奥様もいて、「旦那は夜遅くにならないと帰ってこないから」と久米宏さんの家で稽古をした事もあったとか。
そんな感じで、次々に面白いお話をきかせていただき、ふと気がついたら日が暮れるまで長居をしてしまいました。

蔵には販売店があり、お酒を購入することも可能。
また毎年3月と9月の最後の日曜日に蔵開きが行われているそうです。 とても楽しい蔵元さんなので、是非訪問してください。




商品の購入・質問は萬年亀(まんねんがめ)|萬年亀酒造株式会社へお問い合せ下さい。
TEL:0942-64-2025萬年亀、萬屋荒神醸造元萬年亀酒造株式会社
ここで書かれているデーターは筆者が訪問した時点の情報となります。


タグ :蔵元杜氏

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