2012年04月25日

池亀(いけかめ)|池亀酒造株式会社

新進気鋭 酒蔵訪問の旅 252蔵目

池亀(いけかめ)|池亀酒造株式会社

福岡県久留米市三潴町草場545
酒名:池亀(いけかめ)、黒兜(くろかぶと) ■創業:1875年(明治8年)6代 ■杜氏:社員杜氏(三潴杜氏) ■仕込み水:中軟水 ■訪問日:2012/4/25

代表銘柄
池亀 特別純米
純米吟醸 黒兜 山田錦
特別純米 明治乃酒

鉄道が出来る以前、物流は船によって行われていたため、大きな川は今で例えるところ幹線道路のような役割を持ちました。酒蔵は川の近くに位置する事が多いのですが、単に仕込み水を得やすかっただけではなく流通としても便利が良かったからです。

筑後川沿いにも多くの酒蔵を見ることが出来ますがその1社。 川の堤防のすぐ隣に建つ酒蔵が池亀酒造株式会社です。 池亀(いけかめ) 池亀酒造株式会社|外観
池亀酒造株式会社は蒲池源蔵氏が明治8年(1875年)に創業した現在6代続く酒蔵です。

創業者の蒲池 源蔵氏は酒造業を起こす以前は、久留米藩の剣道の師範代という士族の家に生まれます。
6代目蔵元、蒲池輝行さんによれば、剣の腕はそうとうなもので、いろんなところで道場破りをされていたとか。

廃藩置県以降、士族の中にはそのまま県の要職についた者もいれば、退職金を得て商売を始めた士族もいたようです。
源蔵氏が生まれた家には何人か兄弟がいて、長男は有薫酒造、次男が比翼鶴酒造、源蔵氏は池亀酒造と兄弟がそれぞれ酒造業を開始します。

城島の酒蔵に大きな富をもたらしたという西南戦争は、蔵が創業した2年後の明治10年に起きます。酒造業を開始するのに絶妙なタイミングと言えるでしょう。

創業当初の屋号は池屋。
仕込んだ酒は、樽ごとに名前が「鶴」とか「亀」となどが付けられ、亀の酒が一番良い酒で評判が良かった事から「池屋の亀」という相性で呼ばれ、そこから「池亀」という酒名が誕生します。

写真の方は6代目蔵元、蒲池輝行さん。
池亀(いけかめ) 池亀酒造株式会社|蒲池輝行蔵元
福岡県柳川市出身の歌手、松田聖子さんの本名は蒲池法子といいますが、かつて柳川城の城主を勤めていたのが蒲池氏であり、蔵元もその末裔であると伝えられています。

wikipediaによると、松田聖子さんも柳川藩の家老クラスの家柄で、神田正輝さんとの結婚の披露宴の際、白無垢には蒲池一族の家紋「左三巴紋」が記されていたそうです。

6代目蔵元、蒲池輝行さんは学校を卒業後、大手酒類メーカーに勤務。そこでワインなど洋酒の技術の仕事をされます。
その後、大手日本酒メーカーに転職され、そこでは焼酎と日本酒の製造に携わります。
そして2006年の4月、池亀酒造に戻ってこられます。

池亀(いけかめ) 池亀酒造株式会社|商品
池亀酒造が造る酒は、超辛いものから極甘口まで実に様々。
基本となる定番酒は、福岡酒のスタンダートと言える、柔らかいくほんのり甘味が感じられる芳醇な旨口の酒。

極甘口は「明治の酒」といい、日本酒の需要に陰りが現れた昭和40年の後半頃、明治時代の本物の純米酒に回帰してみようというという事で、創業当時の明治時代の酒を復元した酒。
創業当時、蔵が製造した酒は原酒で出荷され、問屋や販売サイドで割り水して販売されていたそうです。なので水で割っても味が薄くならない濃醇な酒が必要とされていたそうです。
味が濃醇甘口なのはそれを再現したもの。

逆に辛い酒は吟醸酒。日本酒度はプラス8。辛いといっても越後の淡麗辛口を比べると芳醇な味わい。

2006年の4月蔵に戻ってこられた輝行さんは「これからは特定名称酒に力を入れなければ」と考えます。
そこでどんな酒を造ろうかと考えた時に、生もとや山廃が面白いのでは?と考えたそうですが、既に多くの酒蔵がされています。
大手酒類メーカーで勤務していた時代に洋酒に携わっていた為、酸に詳しく酸味があったほうが現代の様々な料理に合わせやすい事を着目します。
そこで山廃以外の手段で酸がある酒の製造に黒麹を用いる事を考えられます。

写真は麹室。
池亀(いけかめ) 池亀酒造株式会社|麹室
山廃仕込みで現れる酸「乳酸」に対し、黒麹を用いるとクエン酸系の酸が出るそうです。
クエン酸とはレモンとかイチゴとか梅酒に含まれる酸で。油っぽいのを中和して旨味に変えます。

焼き魚や天ぷらに、柑橘系の果物を搾って食べたりしますが、正にそれと同じ役割。
レモンやゆずを絞って食べる料理に特に相性がよく、冷で飲んだ時に切れが良く、冷で飲むのに向いている酒になります。
その黒麹で造られた酒が「黒兜(くろかぶと)」という酒。

写真は仕込み部屋。
池亀(いけかめ) 池亀酒造株式会社|仕込み部屋
酒造りに用いる米は、糸島産の山田錦と地元の夢一献。
仕込み水は「瑞穂錦の水」といい、近くにある「瑞穂錦」という酒蔵から良い水がとれるという事から、この周囲の酒蔵の多くはこの蔵の井戸まで水を汲みに行って酒造りに用いているそうです。
社員であり地元で農家もされている三潴杜氏が酒造りをされているとの事。

訪問の証の記念撮影。黒兜の味に驚く吾郎。
池亀(いけかめ) 池亀酒造株式会社|記念撮影
黒麹を造った酒「黒兜」を試飲させていただいたのですが、その味には驚きました。
黒麹を用いて造られた日本酒は他社製品で口にしたことがあり、それが酸っぱすぎたことから良い印象が無かったのですが、黒兜は驚きの新ジャンルの味です。
始めて吟醸酒を飲んだ時、その不思議な吟醸香に感動した当時を思い出しました。
新しい可能性を感じる酒に驚く吾郎でした。




商品の購入・質問は池亀(いけかめ)|池亀酒造株式会社へお問い合せ下さい。
TEL:0942-64-3101池亀、黒兜醸造元池亀酒造株式会社
ここで書かれているデーターは筆者が訪問した時点の情報となります。

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