2012年04月24日

清力(せいりき)|清力酒造株式会社

新進気鋭 酒蔵訪問の旅 247蔵目

清力(せいりき)|清力酒造株式会社

福岡県大川市大字鐘ヶ江9番地の1
酒名:清力(せいりき) ■創業:1876年(明治9年)6代 ■杜氏:三潴杜氏 ■仕込み水:中軟水 ■訪問日:2012/4/24

代表銘柄
上撰 清力
清力 特別本醸造 三潴杜氏

筑後川の川沿いに位置する清力(せいりき) 酒造株式会社は、明治9年(1876年)に中村多平(たへい)氏によって創業した現在で6代続く酒蔵です。
清力(せいりき) 清力酒造株式会社|外観
多平氏は酒蔵を創業する以前は、船舶業を営んでいたそうで、当時は船でしか物資を運搬できなかった為、船舶業は今で例えるところ運送業のような存在だったようです。

明治以降、酒造免許が自由化されたものの、酒造免許の取得には大きなお金を必要としました。
多平氏は船舶業で資金を蓄え、酒造業へ進出されたのだと思われます。

所有していた船の名前が「清力丸」だった事から、清力という酒名を命名します。

清力酒造は順調に繁盛したようで大正7年に販売石数一万石を達成。
1919年(大正8年)に描かれたという当時の建物の絵を見ると、煙突が4本も描かれています。

蔵の年表によると明治39年に第3工場を建てたとあり、醤油も醸造されていたそうなので、煙突が4本もあったのでしょう。
物資運搬の船が筑後川から直接蔵の倉庫の横付け出来るよう、港まで備えられてあります。

また当時は、商売が繁盛している酒蔵が、若い画家や俳人を屋敷に住まわせ俳句や絵を創らせる、という事が広く行われていたそうですが、清力酒造には日本画家・青木繁を滞在され大作を残されたそうです。

写真は2代目蔵元が建てた事務所。
清力(せいりき) 清力酒造株式会社|美術館
この建物は大川市指定文化財、福岡県文化財にも指定されています。
現在は大川市に寄贈され大川市立清力美術館として地元の人々に利用されています。

内装は豪華で事務所というより、応接室、社長室としての役割の方が強かったのではないでしょうか。
当時の繁栄ぶりが伺えます。

写真は蔵の主力商品。
清力(せいりき) 清力酒造株式会社|商品
現在、清力酒造では地元を中心に、上撰、本醸造と辛口酒を中心に販売されています。

福岡の日本酒は、隣の佐賀県などと同様に「少し甘口の酒」と言われる事が多いのですが、清力の酒は辛口が中心。
蔵のキャッチコピーが「しみじみと男心が通う酒」。その言葉通り男酒だそうです。

かつて周囲の酒蔵の多くが灘の酒蔵の下請け(桶売り)を行い、どんどん売上を拡大していった中、清力酒造は灘への桶売りをせず、地元を中心に販売を続けてこられたそうです。

その為、現在も地元が中心。地元を大事にしていこうという考え方。
地元の米を使って地元を中心に、普段の晩酌用の酒を販売している、というスタイルの酒蔵です。

写真は釜場。
清力(せいりき) 清力酒造株式会社|釜場

写真は仕込み部屋です。
清力(せいりき) 清力酒造株式会社|仕込み部屋
タンクが少し斜めに立てられていますが、こうした方が飲み口からお酒を出しやすいとの事。

写真は槽場です。
清力(せいりき) 清力酒造株式会社|槽場 この地域は台風が多く、かつて大きな台風によって屋根瓦が飛ばされた酒蔵がいくつかあったとか。
蔵は近代的な建物に建て替えられ、とても合理的に配置されています。

訪問の証の記念撮影。とても丁寧に作られた木製の象を見て驚く吾郎。
清力(せいりき) 清力酒造株式会社|記念撮影
現在、久留米周辺の酒蔵では、三潴(みずま)杜氏と呼ばれる杜氏の流派が酒造りをされています。

写真の象は、かつて清力酒造で杜氏を勤めていた永尾辰次郎杜氏。
三潴杜氏を代表する杜氏で黄綬褒章を受賞されています。

明治時代、城島の酒蔵の間では、酒造りの本場、灘を拠点としていた但馬杜氏を兵庫から呼び寄せるという事が流行ったそうです。
しかし筑後川の水は軟水の為、灘の酒造りだと良い酒が出来ないどころか腐造が起きたそうです。

その一方で地元の三潴杜氏達も酒造技術を探求します。
彼らは大川、城島の酒蔵に出向き、互いに酒造りの情報交換を行います。
同時に蔵元も研究熱心で、杜氏と共に研究を重ねます。
その結果、筑後川の伏流水(軟水)に適した暖地醸造を確立します。

広島県の安芸津杜氏のルーツとなる三浦泉三郎氏も同様に、蔵の垣根をなくし互いに勉強しあって広島の軟水醸造を作り上げたそうですが、福岡でも同様の事が起きていたとの事です。

今でも多くの酒蔵が残る酒の銘醸地には、優れた杜氏集団がいた事を改めて気が付きました。




商品の購入・質問は清力(せいりき)|清力酒造株式会社へお問い合せ下さい。
TEL:0944-87-2145清力醸造元清力酒造株式会社
ここで書かれているデーターは筆者が訪問した時点の情報となります。

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