2012年04月06日

宝川(たからがわ)|田中酒造株式会社

新進気鋭 酒蔵訪問の旅 242蔵目

宝川(たからがわ)|田中酒造株式会社

北海道小樽市信香町2−2
酒名:宝川(たからがわ)、寳川 ■創業:1899年(明治32年)4代 ■杜氏:社員杜氏(南部杜氏) ■仕込み水:軟水 ■訪問日:2012/4/6

代表銘柄
宝川 本醸造
宝川 しぼりたて生原酒
宝川 大吟醸酒

人口は道内第7位。港湾都市として発展してきた小樽市。
海が無い札幌に隣接し、電車で1時間という近い距離にあることから日本海側の流通拠点港として重要な役割を担ってきました。

現在は観光の街という色合いが強いのですが、観光エリアに近い小樽港に面した場所で宝川という日本酒を造っている蔵が田中酒造株式会社です。
宝川(たからがわ) 田中酒造株式会社|亀甲蔵の外観
田中酒造株式会社は明治32年、岐阜県の大垣市出身の田中 市太郎氏が創業した現在4代続く酒蔵です。

年代は定かではないのですが明治20年代頃、開拓で小樽に来た市太郎氏は、当初は日本酒ではなく白酒と焼酎の製造販売を始めます。
というのは明治時代は日本酒の製造免許が緩和されたものの、高い免許料を上納しないと免許が手に入りませんでした。
それに対し濁りがある白酒は免許が異なり、参入への敷居が低くかったそうです。

小樽に来た市太郎氏は参入しやすかった白酒の製造販売で資金を蓄え、後に清酒の免許を取得。 蔵は明治32年を創業年とし日本酒の製造を始めます。
創業当初の屋号は「かねい」。酒名は現在と同じ「宝川」という名の酒だったそうです。

写真は平成8年に改築した酒蔵の中。
宝川(たからがわ) 田中酒造株式会社|蔵の中
田中酒造では、その土地の米、その土地の水、そしてその土地だけで販売するというスタイル。
県外の酒販店や卸業者などへの出荷は行なっておらず、造る酒の大半が蔵元直営の売店で販売。

蔵は四季醸造が可能で、酒母室、仕込み部屋、槽場はひとつの大きな部屋に集約されています。
写真のように部屋と見学通路は窓ガラスで遮断されています。一般の方は2階から見下ろすような形で気軽に見学が可能です。

四季醸造なので、1年を通して酒造りが行われているため、観光の方がいつ蔵に来ても酒造りをご覧でき、新酒も試飲することが出来ます。

写真は精米機です。
宝川(たからがわ) 田中酒造株式会社|精米機
小規模な四季醸造蔵ですが、精米機は自社で所有されています。 使用する原料米は北海道の酒造好適米、吟風、彗星が中心。

解りにくいのですが釜場を上から撮影したものです。
宝川(たからがわ) 田中酒造株式会社|釜場 上から撮影
田中酒造では四季醸造で1週間に1本のペースで酒を仕込みます。
仕込みの規模も小さく、平均すると一仕込みが約1トン。
よって甑(こしき)も小さく、1回につき最大で500キロの米を蒸すことができるものを使用。

上からの撮影だと、湯気を収集する屋根しか見えませんが、その下に甑(こしき)があります。
甑の真横には放冷機が備え付けられ、掘り出した米は直接放冷機で運ばれながら冷やされます。

保冷機から出てきた米は2階の麹室、或いは隣の仕込み部屋のタンクに運ばれます。
麹室は2階にあるため、天井から吊り下げられた滑車を使い米を運びます。
1回に釣り上げる米の量は最大で約20キロ。作業に当たる人間は一人で何回も分けて釣り上げます。

田中酒造では原料の運搬にシュータは使われておらず、仕込みタンクへ投入する掛け米もすべて手作業で運搬しているそうです。
四季醸造による小規模生産であること。造りの間隔が空いている為、毎日の作業ではなく身体を休められる事。
その為、シューターではなく人による運搬も可能との事。これが毎日の作業だったら大変で嫌になりますね。

私が訪問した4月でもモロミが発酵していました。
宝川(たからがわ) 田中酒造株式会社|仕込み部屋
仕込みタンクは1階に置かれていますが、口の位置は2階にあたります。
蔵全体としては、そこそこの広さがありながらも集約されコンパクトにまとめられています。

麹室や放冷機から部屋は隔てられていますが距離は近く、一般的な蔵と比べて米の運搬距離は格段に短く、その点はよく設計されています。

ちなみにタンクは6本あって、3本にモロミが入っていました。

写真は槽場の圧搾機です。
宝川(たからがわ) 田中酒造株式会社|槽場
丁度、私が訪問した日は本醸造を絞っている最中でした。
小規模の四季醸造蔵はコンパクトな槽で酒を絞っている蔵が多いのですが、小型ながら立派な圧搾機です。
圧搾機は小さくとも醸造機器の中でも高価な部類に入ります。四季醸造を行うにあたり新調したものだと思います。酒造業にかける蔵の本気度が伺えます。

写真は貯蔵タンクです。
宝川(たからがわ) 田中酒造株式会社|貯蔵タンク
立派な鋳造タンクが沢山並んでいますが蔵では基本は長期貯蔵はしていないとの事。
やはり四季醸造の利点を活かし、一年を通じて新酒を販売できる事から、新酒の若い状態でも美味しい酒になるよう造りをされているそうです。

宝川(たからがわ) 田中酒造株式会社|商品
一番良く売れている酒は本醸造で次に大吟醸。
蔵に観光で来られるお客様は純米の生の原酒の評判が良いとのこと。
四季醸造なので春夏秋冬それぞれの季節限定の酒を販売されているそうです。

また小樽は水が良く、しかも地下水が豊富。
蔵で使用する水は、酒を仕込む仕込み水はもちろん、道具を洗う水まで全て地下水が使われています。

日本酒以外にも焼酎、リキュール、みりんも製造されています。
宝川(たからがわ) 田中酒造株式会社|飲むみりん
特に注目なのは「飲むみりん」。
みりんというと、正月に飲む「おとそ」のような癖のある甘さを想像してしまいますが、このみりんは本当に美味しい。

今まで体験したことがない不思議な甘さ。よく観光蔵で甘酒を造られている蔵があるのですが、それらとは一線を画す不思議な美味しさです。
重いかもしれませんがお土産で買って帰る値打ちがあるミリンだと思いました。

最後に訪問の証の記念撮影。
宝川(たからがわ) 田中酒造株式会社|記念撮影
蔵に併設されている売店にて試飲したお酒に強く感心を示す吾郎を撮影。

田中酒造は駅から歩いて行ける距離ではありませんが、小樽はタクシーが安く、駅から500円台で行ける距離に蔵があります。
北の誉酒造とも距離が近く、少し歩きますが徒歩でも移動できる範囲。
小樽に来たら観光がてら酒蔵訪問をされてはいかがでしょうか。お薦めの蔵元です。




商品の購入・質問は宝川(たからがわ)|田中酒造株式会社へお問い合せ下さい。
TEL:0134-21-2390宝川、寳川醸造元田中酒造株式会社
ここで書かれているデーターは筆者が訪問した時点の情報となります。

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