2012年01月19日

菊の司(きくのつかさ)|菊の司酒造株式会社

新進気鋭 酒蔵訪問の旅 236蔵目

菊の司(きくのつかさ)|菊の司酒造株式会社

岩手県盛岡市紺屋町4-20
酒名:菊の司(きくのつかさ)、七福神(しちふくじん) ■創業:1772年〜1778年(安永年間)家全体では15代、酒造業は11代 ■杜氏:南部杜氏 ■仕込み水:軟水(中津川の伏流水) ■訪問日:2012/1/19

代表銘柄
純米酒精粋 菊の司
純米酒精粋 七福神
粋然 菊の司

岩手県の中心都市、県庁所在地がある盛岡市。
盛岡城の城下町として栄えてきたこの地に、現在3社の酒蔵が稼動しています。
その一つが菊の司、七福神という酒を造る菊の司酒造株式会社です。 菊の司(きくのつかさ) 菊の司酒造株式会社|外観
菊の司(きくのつかさ) 菊の司酒造株式会社|蔵

菊の司酒造株式会社は、安永年間(1772年〜1778年)に六代目 平井 六右衛門氏が創業した9代続く酒蔵です。

蔵元のルーツを遡ると江戸時代の初期とされる元和年間(1615~1623)、伊勢松阪から陸中郡山(紫波町日詰)に移った平井 六右衛門氏を初代となります。
創業当初の屋号は「伊勢屋」といい、志和米の取引で基礎を固めた後、八戸藩の御用商人となり、北上川を用いて年貢米や買い付け米を船で江戸に運ぶ事業を任されます。
その際に利用する、米などを保管する倉庫や宿泊所などの建物を「御蔵宿」といい、奥州街道を上下する武士階級が宿泊する上宿(高級旅籠)を兼ねていたとの事。

旅籠には酒が必要です。
そういう理由かどうかは解かりませんが、6代目となる安永年間(1772年〜1780年)に酒造業に参入。
当時の酒名は「平の井」だったそうです。

明治初年には盛岡に支店を開設。
大正時代、12代目当主は政界にも進出され衆議院議員と貴族院に当選され議員を務められます。
昭和2年に蔵を現在地に移転し昭和4年に株式会社 平六商店として法人化。
その際に新聞公募によって酒名「菊の司」が誕生します。
菊の司の酒名は極上の酒だけに命名されていたそうです。

その後、第二次大戦の企業整備例によって盛岡の全ての酒蔵が1蔵に集約。
昭和29年に新たに免許を撮り直し酒造業に復帰。
昭和43年には社名を「菊の司酒造」と改め現在に至ります。
約400年前、祖先がこの地で商売を始め、発展もあれば苦難も経験された長い歴史を持つ酒蔵です。

写真は蔵のすぐ横を流れる中津川。冬にはオオハクチョウが飛来してきます。
中津川 白鳥を観察する親子
鉄道が出来る以前、川は道路としての役割を持ち、船で様々な物資が輸送されていました。
現在でいうと幹線道路沿い蔵を構えていた感じではないでしょうか。

写真の方が15代六右衛門氏 平井 滋蔵元。
菊の司(きくのつかさ) 菊の司酒造株式会社|平井 滋蔵元 蔵元のルーツは伊勢商人との事。
戦国時代に伊勢地方を治めていた大名、蒲生氏郷は豊臣秀吉から陸奥会津の土地を与えられます。
会津に来た氏郷は領国経営の為、上方から商人を呼び寄せたそうです。
創業者の平井六右衛門氏は、その時にやってきた蒲生氏郷に近かった伊勢商人の一人ではないかと考えられています。

ちなみに宮城県石巻で日高見という日本酒を造る平孝酒造は、この家の10代目の弟さんが分家し出来た酒蔵とのこと。

蔵元に蔵の中をご案内していただきました。
菊の司(きくのつかさ) 菊の司酒造株式会社|井戸 写真は仕込みなどに用いられている井戸。
菊の司酒造では中津川の伏流水と呼ばれる地下水(軟水)を用いて酒造りをされています。
水量は豊富で、仕込み水はもとより原料米の洗米・浸漬といった原料処理にもこの井戸水を用いているとの事です。

写真は釜場です。
菊の司(きくのつかさ) 菊の司酒造株式会社|釜場 写真には連続蒸米機、浸漬タンク、放冷機が写っています。
吟醸関係はこの写真には写っていませんが、この奥にある甑(こしき)を使用されているとの事。

建物は昭和51年に作られた鉄筋コンクリート3階建て。
地下に丈夫な岩盤層があり2011年の東日本大震災でも建物に特に被害は無かったそうです。

写真は麹室です。
菊の司(きくのつかさ) 菊の司酒造株式会社|麹室
菊の司(きくのつかさ) 菊の司酒造株式会社|麹
菊の司では酒造りに用いている米の大半が岩手県の酒造好適米「吟ぎんが」。
県外では石巻で委託栽培している亀ノ尾。岩手では栽培量が少ないという理由から長野県から美山錦を取り寄せて使用されているとの事。

写真は酒母室。
菊の司(きくのつかさ) 菊の司酒造株式会社|酒母室 速醸以外には秋田流の生もと造りも行われているとのこと。
画面のタンクに書かれている「ジョバンニ」とは岩手県オリジナル酵母「ジョバンニの調べ」の事。
第29回きき酒道岩手県大会の優勝者が命名されたそうです。

写真は仕込み部屋。
菊の司(きくのつかさ) 菊の司酒造株式会社|仕込み部屋

写真は槽場。
菊の司(きくのつかさ) 菊の司酒造株式会社|槽場
圧搾機は昭和製作所のものが使用されていました。
菊の司(きくのつかさ) 菊の司酒造株式会社|圧搾機 昭和製作所

最後に訪問の証の記念撮影。
菊の司(きくのつかさ) 菊の司酒造株式会社|記念撮影 現在菊の司で造られている酒の7割が特定名称。
昭和60年代に入り醸造糖類の使用を全廃。平成14年には上撰を純米酒化され、製造全体の55%が純米酒とのこと。
地酒ファンにとって期待の蔵元ではないでしょうか。

蔵の玄関先で驚く吾郎でした。




商品の購入・質問は菊の司(きくのつかさ)|菊の司酒造株式会社へお問い合せ下さい。
TEL:019-624-1311菊の司醸造元菊の司酒造株式会社
ここで書かれているデーターは筆者が訪問した時点の情報となります。

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