2011年11月28日

月山(がっさん)|吉田酒造株式会社

新進気鋭 酒蔵訪問の旅 228蔵目

月山(がっさん)|吉田酒造株式会社

島根県安来市広瀬町広瀬1216
酒名:月山(がっさん) ■創業:1826年(文政9年)5代(吉田家以降) ■杜氏:出雲杜氏 ■仕込み水:超軟水 ■訪問日:2011/11/28

代表銘柄
月山 純米吟醸
月山 芳醇辛口純米
月山 特別純米

松江市街から車で約40分。
戦国時代、山陰地方を統治していた尼子氏の居城「月山富田城」の麓、安来市広瀬町にて文政9年に広瀬藩の藩公特許を得て、酒造業を行ったと言われる酒蔵が吉田酒造株式会社です。
月山(がっさん) 吉田酒造株式会社|外観
この蔵の歴史は長く、広瀬藩より免許を得た文政9年(1826年)。広瀬藩の家臣をしていたという家の流れを汲む鈴木家が創業し、江戸末期に吉田清兵衛氏が蔵を引き継ぐという形で現在に至ります。
現在の5代目というのは、吉田家以降となります。

藩へ謙譲する特別酒が「月山」という酒名だった事から、常に最高の酒を多くの方々に呑んで頂きたいという思いから「月山」が蔵の主力銘柄となります。

写真の山の山頂に、戦国時代に尼子氏が築いた難攻不落の名山と言われた月山富田城が建っていたそうです。
月山(がっさん) 吉田酒造株式会社|月山富田城跡
見た目から山が急斜面である事がわかります。攻めるのは大変だった事が想像出来ます。
江戸時代に入ると松江藩の支藩である広瀬藩の居城となります。 しかし場所が不便であった事と戦国の時代が終わった事から、その役割を終え廃城となります。現在はわずかな石垣のみを残し、国の史跡に指定されています。

松江藩の7代藩主、松平 治郷(まつだいら はるさと)は、江戸時代の代表的茶人の一人だそうで、「不昧流(ふまいりゅう)」という茶道を創り上げます。
その不昧流茶道の最高の水が、蔵から1キロ離れた場所にある「お茶の水井戸」と呼ばれる超軟水の湧き水。
水量が多く水が綺麗である事から、この水をパイプで蔵まで引き酒造りに使用。

山の手前に見える建物が蔵元酒遊の茶室。
桜が綺麗な春と秋の紅葉と月が綺麗な秋、地元の方を招いて茶会をひらかれているそうです。

写真の方は吉田酒造の名誉杜氏、田中 義弘さん(出雲杜氏)。
月山(がっさん) 吉田酒造株式会社|田中義弘名誉杜氏
昭和37年より吉田酒造で酒造りを続け、2008年まで出雲杜氏組合の会長を務められていたベテラン杜氏です。

写真の方は現杜氏の足立孝一朗さん。名誉杜氏と共に酒造りをされています。
月山(がっさん) 吉田酒造株式会社|足立孝一朗杜氏

写真の方が時期蔵元の吉田 智則さん。
月山(がっさん) 吉田酒造株式会社|吉田智則蔵元
吉田 智則さんは全日空商事という会社で飛行機などを販売された後、オーストラリアに2年間遊学し2003年に蔵に入ります。

島根のお酒とはどのような酒なのでしょうか?
智則さんにお尋ねしたところ

「お酒の味はその地域の醤油の味から影響を受けているのでは?という仮説を持っています。中国地方は、はたまり醤油と呼ばれる濃くて甘みがある醤油が用いられています。出雲そばに関しても蕎麦つゆが結構濃かったりします。
そういった物を日本酒を飲むと、それに負けないために濃い目の酒、芳醇な酒を飲まれていたエリアかな?
どうしても濃い醤油に薄い酒だと料理に合わないんですよね。昔は島根の酒は芳醇を通り越して濃醇と言われていました。」、との事です。

写真は釜場、私が訪問した時、丁度蒸しあがってきたタイミングでした。
月山(がっさん) 吉田酒造株式会社|釜場
皆さん、このような白衣と帽子で働いておられました。
月山(がっさん) 吉田酒造株式会社|蒸米
プリプリと弾力のある蒸米が仕上がっていました。


智則さんが蔵に入られた当時、蔵が造っていた酒は「スーパー濃醇」だったそうです。
日本酒の中でも特にガツンと来るくらいの濃醇な酒であった事から、蔵に戻ってくるまで日本酒をあまり飲んだ事が無かった智則さんにとって、自身でも飲むのが辛い酒だったとか。

その月山を東京市場に売って回りますが、ウケる人にはウケるものの、自分が飲みづらいと思っている酒を売り歩きたく無いと考えるようになったそうです。

しかし島根の酒の特徴である「芳醇」を切り離す事も出来ません。 また現在の食生活はソースを使ったり、油を使ったり昔と比べて味付けが濃くなっている為、そういう意味では島根の酒は現在の食生活にも対応しやすいのではないかと考えます。

そこで島根の特徴を生かしつつ、旨味がしっかりありながら後味がさらりと飲める酒。
濃醇から芳醇な酒へと味をシフトさせ、飲んだ瞬間は旨いけど、スパット切れる酒を目指そうという方針で現在頑張っています。

原料米の大半が島根県産の「佐香錦」「五百万石」「神の舞」。県外は兵庫産の山田錦を少し用いている程度との事。

写真は麹室です。
月山(がっさん) 吉田酒造株式会社|麹室

写真は酒母タンクへ蒸米を投入している様子。
月山(がっさん) 吉田酒造株式会社|酒母
通常、酒母タンクは円筒形ですが、吉田酒造では「高温糖化もと」という製法で酒母を造るため、ご覧のような四角い酒母タンクが用いられています。

写真は仕込み部屋。
月山(がっさん) 吉田酒造株式会社|仕込み部屋
泡あり酵母を使用しているため、タンクからこぼれ出すくらいの泡が発生します。
その為、写真のような延長の筒を備えて、泡がこぼれ出すのを防いでいます。

右の奥には櫂入れをしている男性の姿があります。
私が訪問したのは11月28日で、蔵の中は寒い訳ですがタンクトップ姿で働かれています。
こういう光景を見ると酒蔵は男の職場である事を思い起こします。

写真は槽場。
月山(がっさん) 吉田酒造株式会社|槽場
今年の新酒を絞るべく、準備中でした。

最後に訪問の証の記念撮影。
月山(がっさん) 吉田酒造株式会社|記念撮影
写真は、松江藩主に伝わる、不昧流茶道の最高の水「お茶の水井戸」を貯めておくためのタンク。
水の量は豊富で、自噴する水がこのタンクに溜まっていくそうです。
レンガ作りの四角い煙突も映るために、この場所で記念撮影をしました。




商品の購入・質問は月山(がっさん)|吉田酒造株式会社へお問い合せ下さい。
TEL:0854-32-2258月山醸造元吉田酒造株式会社
ここで書かれているデーターは筆者が訪問した時点の情報となります。

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