2011年10月12日

勢正宗(いきおいまさむね)|株式会社丸世酒造店

新進気鋭 酒蔵訪問の旅 225蔵目

勢正宗(いきおいまさむね)|株式会社丸世酒造店

長野県中野市中央2丁目5-12
酒名:勢正宗(いきおいまさむね) ■創業:1872年(明治3年)4代 ■杜氏:飯山杜氏 ■仕込み水:軟水 ■訪問日:2011/10/12

代表銘柄
旭の出乃勢正宗 純米原酒 もち米四段仕込
勢正宗 もち米四段仕込み
勢正宗 本醸造

長野県中野市は人口は4万5千人ながら4件の造り酒屋が残っています。
食文化的に辛口の酒を造って来た蔵が多いのですが、1社だけ創業当初から甘口の味のある酒を造り続けている蔵があります。
その蔵が勢正宗(いきおいまさむね)という酒を造る、株式会社丸世(まるせ)酒造店です。
勢正宗(いきおいまさむね) 株式会社丸世酒造店|外観
株式会社丸世酒造店は明治3年(1872年)に、関 申七郎(しんしちろう)氏が創業した現在で4代続く酒蔵です。

申七郎氏は大きな農家の家に生まれたそうで、家は農業の他にも両替商、お茶屋、麹屋など様々な商売をされていたそうです。
当時の麹屋という商売は、麹を造って売っていたのではなく、近隣の農家の方が米を持ち込んできて、それを麹を造り工賃をいただいていたそうです。作ってもらった麹を元に各家庭ではお味噌を造ったり、醤油を造ったり自給自足の生活をされていたそうです。

写真の方は4代目蔵元、関 康久さん。
勢正宗(いきおいまさむね) 株式会社丸世酒造店|関 康久蔵元
恐らく申七郎氏は長男では無かったのでしょう。
様々な商いをされていた関家ですが、近くで売りに出されていた造り酒屋を買い取り、それを申七郎氏に与え独立させます。
そのようにして丸世酒造店が誕生します。

創業当初は「勢(いきおい)」という名の酒を造っていたそうです。
本家は現在、味噌屋として蔵の斜め向かいに存在しています。

淡麗辛口とは正反対の酒。
勢正宗(いきおいまさむね) 株式会社丸世酒造店|商品
原料米は特定名称酒には長野県産美山錦を使用。
昔の2級酒には一般米(コシヒカリが主体)。
それに餅米も使用します。
仕込み水ですが軟水を浄水器で濾過し、イオン交換樹脂を通して硬度ゼロの水にして酒造りに用います。

そして「熱掛けの餅米4段仕込み」という製造手法を用い、やや甘口で味のある酒。
蔵元が言われるには淡麗辛口とは正反対の酒を造られています。

写真は造りの時期を待つ釜場。
勢正宗(いきおいまさむね) 株式会社丸世酒造店|釜場
この蔵では酒に甘味や濃さを与えるため、先代から餅米を用いてい4段仕込みが行われてきました。
ただ先代の時代は、餅米を酵素を使って溶かして甘酒を作り、それをモロミに加えるという手法でした。

税務署の鑑定官が酒造期にこの蔵を巡回指導に訪れた際、酵素を用いた餅米4段なら他の酒蔵も行なっているので大して珍しくない手法、と教えられます。
それに対し「熱がけ」と言われる昔からの餅米4段仕込みなら、全国でも行なっている蔵は稀で、関東信越国税局(新潟、長野、埼玉、群馬、栃木、茨城)の酒蔵では1件も行なっていない、という話を聞きます。

写真は麹室。
勢正宗(いきおいまさむね) 株式会社丸世酒造店|麹室
どうせ餅米4段をするなら「熱掛け」で造って甘みと旨味を出そう。
誰もしていない事をしてみよう、と蔵元は考えますが言い出した鑑定官も製造方法が解かりません。

そこで鑑定官の先生が大正時代の文献から製造方法を発見。
蔵元はそれを読み、自分なりに解釈し、鑑定官の先生の指導も加わって「熱掛けの餅米4段仕込み」を完成。
現在この蔵の主力商品として、様々な種類が製造・販売されています。

少し試飲させて頂きましたが、4段仕込みながら甘いという感じの酒ではなく味の密度が詰まった濃醇な酒。
手つくりを感じさせる味でした。

写真は仕込み部屋。
勢正宗(いきおいまさむね) 株式会社丸世酒造店|仕込み部屋

写真は槽場。
勢正宗(いきおいまさむね) 株式会社丸世酒造店|槽場

最後に訪問の証の記念撮影。
勢正宗(いきおいまさむね) 株式会社丸世酒造店|記念撮影
大正時代、日本酒は甘口の酒が多かったそうで、その当時は酵素剤など知られていなかったので、どの蔵も「熱掛け餅米4段仕込み」が行われていたそうです。
しかし現在では、それが行われている蔵はほんのわずかだとか。

蔵元から話を聞きながら「熱掛け餅米4段仕込み」で造られた酒を手に取り驚いている吾郎でした。




商品の購入・質問は勢正宗(いきおいまさむね)|株式会社丸世酒造店へお問い合せ下さい。
TEL:0269-22-2011勢正宗醸造元株式会社丸世酒造店
ここで書かれているデーターは筆者が訪問した時点の情報となります。

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