2011年10月12日

岩清水(いわしみず)|株式会社井賀屋酒造場

新進気鋭 酒蔵訪問の旅 225蔵目

岩清水(いわしみず)|株式会社井賀屋酒造場

長野県中野市大字中野1597
酒名:岩清水(いわしみず) ■創業:1853年(嘉永6年)6代 ■杜氏:蔵元杜氏(諸派) ■仕込み水:軟水 ■訪問日:2011/10/12

代表銘柄
岩清水 純米五割麹
岩清水 無濾過生原酒
岩清水 本醸造 辛口

北信州の中心に位置する長野県中野市。

この土地の食文化は山菜が中心で、えのき茸、タラの芽、コシアブラ、野沢菜といった山菜が今でもよく食べられています。
しかし最近では食文化に変化が見られ、リンゴで育てた信州牛、新農ポーク、信濃地鶏といった肉文化が登場。
特に若い世代から支持を受け、週末になるとすき焼き屋さんには若い世代の方で混在しているとの事。

食の変化と共に日本酒も変化しなくては。
そう考えた蔵元が、肉料理にもガッツリ寄り添える日本酒造りにチャレンジ。
中野の新進気鋭、良い意味で異端というべき注目の酒蔵が株式会社井賀屋酒造場です。 岩清水(いわしみず) 株式会社井賀屋酒造場|外観
清水(いわしみず) 株式会社井賀屋酒造場|外観
株式会社井賀屋酒造場の歴史は長く、現存している史跡によると嘉永6年(1853年)には酒造りが行われていたそうです。

明治3年に「中野騒動」と言われる大規模な百姓一揆が起き、その際に天領地に建っていた蔵は焼けてしまい、古い資料の多くを焼失。
よって詳しい創業の年代や、蔵元の代数などは不明ですが、解っている範囲では嘉永6年(1853年)には酒造業が行われていて、家の代数も6代前までは判明しています。その為、創業は嘉永6年で代数は6代と発表していますが、蔵に残る石の灯篭には文政12年(1825年)と刻まれている事から、酒造業が行われていたことは定かでないとしても、井賀屋という店はかなり古くから続いていたと思われます。

蔵元の話によると、当時は酒造業の権利は売買されており、その際に屋号も同時に売買される事もあったようです。 井賀屋という屋号は、様々な家によって引き継がれてきた屋号で、現在の小古井家が伊賀屋の屋号を引き継いだのは明治34年との事です。

小古井家の先祖は飯山藩の3家老の一人でした。
しかし藩主に跡継ぎがなく御家が断絶。
その後は笠蔵という場所で領主のような事をされていたそうです。

そして明治以降に岩船の開拓をするため、この地に移住。
明治34年に小古井諦造氏によってに正式に伊賀屋の屋号が小古井家に引き継がれます。

現在の主力銘柄「岩清水」が誕生したのも丁度、小古井家に引き継がれた明治34年。
それ以前は「福美人」「末広」という酒名の酒を造っていたそうですが、商標制度が始まった際に、他社が先に商標登録を行ったので、使えなくなります。その結果、蔵主が交代した際に酒名「岩清水」が誕生し現在に至ります。

現在蔵が立っている場所は、中野騒動が起こる前は県庁があった場所だそうです。

写真の方が6代目蔵元、小古井宗一さん。
清水(いわしみず) 株式会社井賀屋酒造場|小古井宗一蔵元
以前は季節雇用の飯山杜氏がこの蔵の酒を造っていました。
しかし平成17酒造年度から、蔵元の小古井宗一さんが自ら酒造りをされています。

原料米は信州産の酒造好適米のみを使用。
品種は白樺錦、ひとごこち、金紋錦、美山錦。
仕込み水は岩舟の天然水で、かなりの柔らかい軟水だそうです。

写真が新たな主力銘柄、岩清水 純米 五割麹
清水(いわしみず) 株式会社井賀屋酒造場|五割麹

以前はスッキリと辛い酒を中心に造っていた井賀屋酒造場ですが、小古井宗一さんはこの地の食の嗜好が変化している事に気が付きます。

そのきっかけは市内に、信州牛という牛肉を食べさせてくれるすき焼き料理店が現れた事です。
その店が若い世代の人々で大繁盛しているとのこと。
宗一さんはそのお店に足を運び信州牛を食べた所、とても美味しいと感じられたそうです。

食の変化と共に日本酒も変化しなくては。
そう考えた蔵元が、肉料理にもガッツリ寄り添える日本酒造りにチャレンジ。

肉料理に合う日本酒を造るにはしっかりした酸が必要。
酸を基調にした酒を造るため、通常は日本酒を仕込む際に用いる麹米の比率は2割程度ですが、麹の比率を増やします。
試行錯誤の末に、純米 五割麹という酒が完成します。

蔵元の説明では、「肉を食べるには丁度よい酒。米の味が出てきてご飯を食べているような感じの酒になる。」とのこと。
また燗酒との相性もよく、熱燗(とびきり燗 55度)がお薦めだそうです。
熟成させたほうが美味しくなる事から、地元の酒販店からは「古い酒から出荷してくれ」というオーダーをされるそうです。
他社にはない酒なので、これを主力にしたいとの事。

写真は麹室。
清水(いわしみず) 株式会社井賀屋酒造場|麹室
この部屋の中で、5割麹に使われる麹が造られています。

写真は仕込み部屋。
清水(いわしみず) 株式会社井賀屋酒造場|仕込み部屋
静かでお落ち着いた仕込み部屋の中、酒が静かに醸されます。

写真は酒母室です。
清水(いわしみず) 株式会社井賀屋酒造場|酒母室

写真は槽場。 清水(いわしみず) 株式会社井賀屋酒造場|槽場

清水(いわしみず) 株式会社井賀屋酒造場|槽
佐瀬式の昔ながらの槽、1機でモロミを絞っているそうです。

最後に小古井宗一さんは、

新しいことに恐れないでチャレンジしたい。失敗しても自分の糧になる。
始まりが伝統になる。一滴、一滴魂を込めて酒を造りたい。

自身で酒造りを始めて、ようやく自信が持てる酒が1種類完成しました。
まだ1種類ですがこれを2種類、3種類と増やせるよう頑張って行きます。

とお話されました。

まだ大都市圏の地酒専門店や酒マニア達からその存在を知られていない長野県の新進気鋭の発見です。
様々な蔵を歩くと、思わぬ出会いがあります。

最後に訪問の証の記念撮影。
清水(いわしみず) 株式会社井賀屋酒造場|記念撮影
煙突は明治34年つくったもの。
その当時、この煙突を作るのに、校長先生の年収くらいのお金がかかったそうです。
レンガ作りの煙突には四角い物が多いのですが、珍しい丸型を見て驚く吾郎でした。




商品の購入・質問は岩清水(いわしみず)|株式会社井賀屋酒造場へお問い合せ下さい。
TEL:0269-22-3064岩清水醸造元株式会社井賀屋酒造場
ここで書かれているデーターは筆者が訪問した時点の情報となります。

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