2011年10月11日

松尾(まつを)|株式会社高橋助作酒造店

新進気鋭 酒蔵訪問の旅 220蔵目

松尾(まつを)|株式会社高橋助作酒造店

長野県上水内郡信濃町大字古間856番地1
酒名:松尾(まつを)、戸隠(とがくし)、松乃尾 ■創業:1875年(明治8年)5代 ■杜氏:飯山杜氏 ■仕込み水:中軟水 ■訪問日:2011/10/11

代表銘柄
松尾 信乃大地 特別純米
戸隠 錦 特別純米
松乃尾 プレミアム

美味しいお蕎麦で有名な長野県の戸隠。
蔵に続くアップルラインと呼ばれる国道18号線沿いには、人が少ない山間部にもかかわらず多くの蕎麦屋を目にしました。
戸隠蕎麦を食べる際、一緒に飲みたくなる酒がこの土地の酒、松尾(まつを)です。

松尾(まつを) 株式会社高橋助作酒造店|外観
松尾という名の日本酒を造る株式会社高橋助作酒造店は、明治8年(1875年)に高橋助作氏によって創業した現在5代続く酒蔵です。

農家の家に生まれた助作氏は、家から独立するため酒蔵で酒造りを学んだ後、良い湧き水を見つけこの地に蔵を建てたと言われています。

創業当初の屋号は不明(恐らく時代的に現在と同じ高橋助作酒造店ではないかと思う?)。
創業当時、酒名はいくつもあったようですが、現在用いられている松尾も創業当時からあったと伝えられています。
蔵に残っている日記によると、商標制度が開始され明治35年には「松尾」の商標登録を行った事が記されているそうです。

2000年より純米化を進め、現在では地元で昔から続いている「松尾正宗」以外は純米化が進んでいるとの事。

写真の方は5代目蔵元、高橋 邦芳さん。 松尾(まつを) 株式会社高橋助作酒造店|高橋 邦芳蔵元
酒造りに用いる米は主に長野県産美山錦を使用。

美山錦で造った純米大吟醸で2008年、2010年、2011年の全国新酒鑑評会で金賞を受賞されています。
2006年を最後に山田錦は使っていないとの事。

蔵元が目指している酒は創業時の手造りを活かした芳醇な酒。
芳醇な味わいの酒を造るため、木で造られた抱き樽を用いた創業当時の手法による酒母を造られているそうです。

写真が木の抱き樽。
最近は職人さんがいなくなった為、木樽、木桶を手に入れるのは大変らしいです。
松尾(まつを) 株式会社高橋助作酒造店|酒母室
現在ではアルミ製の抱き樽を用いる蔵が多いのですが、高橋助作酒造店では木樽を用いた創業当時の手法で酒母を造っています。

抱き樽とは酒母を造る際、冷やしたり温めたりする為の樽です。
酒母とは仕込みのスターターとなる、酵母が元気よく発酵した状態のもので、米の糖化と同時に酵母の増殖を行います。

酵母の増殖にはその餌となる糖分が必要なのですが、困った事に糖化と発酵の適温が異なり、糖化の適温は55度、発酵の適温は15度〜20度。
酵母を増殖させるには豊富な糖分を必要としますが、温度を上げると酵母の発酵が進まなくなります。

そこで抱きダルに熱湯を入れて、酒母の一部を温めて糖化を進ませます。
糖化が進んだら抱き樽を抜いて、温度を落とし酵母を増殖させます。それを何度も繰り返し酵母の増殖を進めます。

木の桶を使うメリットは熱の伝導率が異なる点です。
金属だと熱湯を入れると表面がすぐに熱くなりますが、木の抱き樽だとゆっくり柔らかく熱が伝わります。
熱湯を入れても酒母には優しく伝わり、長時間保温ができます。
また蔵元は「木の文化を継承させたい」という意味で、木の抱き樽を継続的に使用されているとの事。

速醸だと味が綺麗なので、かつての山廃の味を知っている方には物足りない味。
そこで、いかに山廃的な味わいを残すか、という事で出来上がった手法だそうです。

速醸なら約2週間、山廃なら約4週間かけて酒母が造られますが、この蔵では3週間かけ酒母を造っているそうです。

写真は麹室の入口。中は撮影は禁止でした。
松尾(まつを) 株式会社高橋助作酒造店|室の扉


写真は仕込み部屋です。
松尾(まつを) 株式会社高橋助作酒造店|仕込み部屋
白いペイントがされた開放タンクが用いられていました。

写真は貯蔵タンクです。
松尾(まつを) 株式会社高橋助作酒造店|貯蔵庫
蔵元が話されるには、お酒はかつては神々に捧げていたとても神聖な飲み物。
酒名「松尾」はお酒の神様の松尾大社からいただいている事から、神に捧げるような気持ちで造っていきたい。
と語られました。

現在、酒造りに酵素などは使わず、純米化をすすめておられる最中だとか。
長野県の注目の酒蔵の一つ、と言える存在ではないでしょうか。

最後に訪問の証の記念撮影。
松尾(まつを) 株式会社高橋助作酒造店|記念撮影
木の暖気樽を用いた独特の手法による酒母造りですが、かつての飯山杜氏の技を継承した、現在29歳の若い杜氏がこの手法で酒母を造られているとのこと。
蔵元から木の抱き樽による酒母の造り方の説明を受け感心する吾郎でした。




商品の購入・質問は松尾(まつを)|株式会社高橋助作酒造店へお問い合せ下さい。
TEL:026-255-2007松尾、戸隠醸造元株式会社高橋助作酒造店
ここで書かれているデーターは筆者が訪問した時点の情報となります。

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この記事へのコメント
松尾は関西でも浴いただいてるお酒で

大好きです 木樽をあえて使いはる所がいいですね!
Posted by こがんだ at 2011年10月31日 19:36
こがんださん、お久しぶりです。
最近はジェネシス塾が無くなったのでお会いする機会がございませんね。
ブログでは相変わらず大阪グルメ三昧のようで何よりです。

また藤崎さんたちと飲みに行きましょう。
Posted by 佐野 吾郎佐野 吾郎 at 2011年11月01日 16:29

蔵元の熱き思いをお届けします。年間発送1万件以上 地酒のセレクトショップ 佐野屋 地酒.com
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