2011年09月28日

榮一(えいいち)|株式会社林本店

新進気鋭 酒蔵訪問の旅 202蔵目

榮一(えいいち)|株式会社林本店

岐阜県各務原市那加新加納町2239
酒名:榮一(えいいち)、征空・楽自慢・楽市楽座 ■創業:1920年(大正9年)5代 ■杜氏:社員杜氏(諸派) ■仕込み水:軟水(長良川の伏流水) ■訪問日:2011/9/28

代表銘柄
榮一 辛口純米酒
榮一 山廃純米原酒
Eiichi Sweet
征空 特別本醸造

濃尾平野の北部に位置する岐阜県各務原市(かかみはらし)。
かつて中山道の宿場町、鵜沼宿があった他は大部分が原野であったそうです。

しかし明治初期に日本陸軍の大砲射撃場として開発が開始。
軍の飛行場が置かれたことから現在でも航空自衛隊岐阜基地が存在。三菱重工業などの関連航空機部品企業が群立し、航空ショーなども行われる飛行機の街。
その各務原にて5代続く酒蔵が株式会社林本店です。

外観

榮一(えいいち)という名の日本酒造る株式会社林本店は、1920年(大正9年)林 榮一氏によって創業した酒蔵です。

農家の家に生まれた榮一氏は米が豊富にあったことから、酒造業に参入しやすかった明治〜大正の時代に酒造業を開業。
現在酒蔵が建つ加納町に日乃出屋醸造という屋号で酒造りを開始します。
既にその当時には、陸軍の航空基地が存在し、航空隊の発展と事業の発展をかけ征空という酒名を授けます。

屋号が酒造ではなく「醸造」となっていることから、当時は日本酒だけではなく醤油や味噌なども醸造していたそうです。 軍によって誕生した街という事から軍との関わりもあり、軍御用達のお酒を納め事業を発展させていきます。

榮一 株式会社林本店|商品

現在の主力銘柄、榮一(えいいち)が誕生したのは4代目蔵元の時代、1990年代です。

級別制度が廃止され、特定名称酒が登場。
地方の蔵の中からこれを転機に、吟醸酒などを市販し活路を見出したことから多くの地方蔵が特定名称酒造りに取り組みはじめます。

当時、林本店では征空、楽自慢という酒名の酒を造っていましたが、特定名称酒のブランドに蔵の当主が世襲してきた創業者の名前「榮一」を授けます。

写真の方が5代目蔵元の林 里榮子さんです。 榮一 株式会社林本店|林里榮子

東京農業大学醸造科を卒業後、5年間大手ビールメーカーに務めた後に蔵に戻られ平成19年に5代目蔵元に就任されます。

愛知県や岐阜県は、料理に味噌を使うことが多く味付けが濃い地域。
その為、岐阜県のお酒は「濃い味付けの料理に対し相性の良い酒質の酒」が多いそうです。

そんな岐阜の酒蔵の中、里榮子さん地元の料理との相性がよいベイシックな酒造りを続ける一方、日本酒の新しい可能性を追求しドキドキワクワクできる酒を提案し続けていきたい。

「不易流行(ふえきりゅうこう)」の心で、伝統の中にも新しいチャレンジを加えていきたいとの事です。

写真の方が林本店で杜氏を勤める後藤 克伸さん。 榮一 株式会社林本店|後藤 克伸杜氏
榮一 株式会社林本店|後藤 克伸杜氏

この蔵で酒造りをしていた新潟杜氏に付き、10年間の蔵人を経て杜氏に就任。
杜氏歴は2011年の酒造期で6年目となります。
蔵元の話によると冷静沈着な杜氏だそうです。

杜氏さんに蔵をご案内させていただきました。 榮一 株式会社林本店|連続蒸米機

写真は釜場に置かれてる連続蒸米機といわれる、量が多い蒸米に威力を発揮する蒸米機です。

最近の日本酒業界は、多品種少量生産が主流になってきているため、連続蒸米機だと少量の蒸しには向いていないため、地方蔵の多くは和釜に甑(こしき)を用いている蔵が多くなっています。

林本店では、連続蒸米機と甑(こしき)の2つの方法で米を蒸しています。 榮一 株式会社林本店|甑


写真は麹室の外観。 榮一 株式会社林本店|麹室


写真は仕込み部屋を上から撮影したもの。
榮一 株式会社林本店|仕込み部屋 上から
下から見たらこうなります。
榮一 株式会社林本店|仕込み部屋 下から


吟醸酒の仕込みには空調完備の個別の部屋が用意され、小仕込み用のタンクで行われます。 榮一 株式会社林本店|大吟醸の仕込み部屋

同じ部屋には圧搾機も置かれています。
榮一 株式会社林本店|槽場
低温に保たれた部屋でモロミが搾られて酒になります。


最後に訪問の証の記念撮影。 榮一 株式会社林本店|記念撮影
「不易流行(ふえきりゅうこう)」の心で例えるところ「流行」を表現した酒、Eiichi Sweet、低アルコールの甘口の日本酒です。

地酒専門店の多くはこういうお酒を敬遠する傾向にありますが、私は人を驚かせるお酒とは、このような試みで造られた酒から現れるのだと考えるようになりました。

多様となった現在の食生活に日本酒が合わなくなってきている、と言われる事がありますが、それは合わなくなったのではなく、合う日本酒を造って来なかったからではないでしょうか。
現在の食生活との調和を模索すべく造られた酒、新しい可能性を持つ日本酒との出会いに驚く吾郎でした。




商品の購入・質問は榮一(えいいち)|株式会社林本店へお問い合せ下さい。
TEL:058-382-1238榮一(えいいち)醸造元株式会社林本店
ここで書かれているデーターは筆者が訪問した時点の情報となります。

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