2011年06月21日

来福、真向勝負|来福酒造株式会社

新進気鋭 酒蔵訪問の旅 198蔵目

来福、真向勝負|来福酒造株式会社

茨城県筑西市村田1626
酒名:来福、真向勝負 ■創業:1716年(享保元年)10代 ■杜氏:社員杜氏(諸派)
■仕込み水:軟水 ■訪問日:2011/6/21

代表銘柄
来福 純米吟醸 愛山
来福 純米 八反錦
来福 純米吟醸 山田錦

東京都心から北へ約70km、栃木県との県境になる茨城県筑西(ちくさい)市。
田園風景が広がる小さな丘の上に、現在首都圏で売り出し中の酒「来福」を造る来福酒造があります。
来福 来福酒造株式会社|玄関

来福、真向勝負という日本酒を造る来福酒造株式会社は、享保元年(1716年)に藤村 一左衛門氏が創業した、現在10代続く約300年の歴史を持つ酒蔵です。

藤村家の祖先は近江商人であり、その4代目の藤村一左衛門氏が江戸幕府にお酒を治めるべくこの地で酒蔵を創業したと言われています。
どのような理由でこの地を選ばれたのかは不明ですが、酒造りに適した土地のようで、今から30〜40年前まで下館税務署管内に20の酒蔵があり現在も9社の酒蔵が残っています。
創業当時の屋号は「近江屋」、酒名は創業当時から現在の「来福」が用いられていたそうです。

番頭制度を取っていたため、蔵元は近江商人発祥の地と言われる滋賀県の日野町に屋敷を構えていました。
しかし先代から番頭制度を廃止。茨城と滋賀の2箇所に家を行き来し、両方の地域でご近所付き合いもされていたそうです。栃木、茨城の酒蔵には近江商人の出身が多く、同様に滋賀とこの地の両方に家を持つ人は少なくありません。

昭和46年に法人化し、現在の来福酒造株式会社となります。
現在の蔵元は茨城生まれの茨城育ち。滋賀県の家は10年ほど前に売却し茨城に定住されています。


写真の方が10代目蔵元、藤村 俊文さん
来福 来福酒造株式会社|蔵元

来福酒造は俊文さんの代になり大きく変わります。

茨城県ではお葬式の香典返しにお酒をお返しするという風習があり、茨城の酒蔵にとって需要の柱になっているそうです。
また地元の名士といった酒蔵が多く、蔵元が市長をされていたり、町長や議員をされていたり、地元の顔役というバックボーンによって問屋を通じ地元に酒を販売する蔵が多いとの事。

縁故が全くない来福酒造は、地元に問屋流通で酒を売るには不利な立場です。
しかし逆の見方をすれば「茨城県の酒蔵の多くは県外向けの限定流通を積極的に行っていない」事に俊文さんは気が付きます。

「生き残るためには品質勝負しかない」そう考えた俊文さんは「全国の名だたる酒蔵と勝負」出来る酒造りを決意されます。


そして「品質への真っ向勝負」をスローガンに「真向勝負」というブランドを立ち上げます。
来福 来福酒造株式会社|真向勝負

俊文さんが酒蔵の仕事を継がれた当時、まだ来福は地元の専門店でさえ並んでいない状況です。
そこで「県外の専門店に酒を持って行く前に地元の専門店に並べてもらわないと」そう蔵元は考えます。
諸先輩たちの中に割って入るにはどうすればいいのか?
普通に山田錦を用いて9号酵母で酒を造っても・・・。そんな事は既に県内の他の酒蔵が行っています。

そこで蔵元が着目したのが「花酵母」。これなら県内の酒蔵はまだ何処も行っていない。
そう考え茨城県の酒蔵の中で真っ先に花酵母を用いた特定名称酒を造ります。

蔵元の狙いは的中。県内の日本酒専門店に来福酒造の酒が並び始めます。


写真は来福の主力商品、純米吟醸 山田錦
来福 来福酒造株式会社|商品

当初は地元向けの商品は「来福」、県外向けの限定流通が「真向勝負」とブランドを分け販売されていました。
しかし地元の日本酒専門店などから「来福という名前はとても良い名前」という意見される事が多くなりました。
そこで蔵元は来福ブランドでも県外向けの限定流通商品の発売を開始。それによって来福が県外向けの主力商品となります。

様々な米、酒造方法にチャレンジする理由は「全国の名だたる酒蔵と勝負したい」という気持ちが根底にあります。

地元の素材だけでは全国の名だたる酒とは勝負できないので、全国から良い米を集めたい。
適地適作という考え方があり、山田錦を育てるなら山田錦にプロに任せた方が良い米が出来るだろう。
そして全部試す事で経験を積み、様々な組み合を考え来福のオリジナリティーを出していきたい。

そのような考えの元、様々な事にチャレンジ中という、青春を突っ走っているような酒造りをされています。


写真は仕込み部屋。
来福 来福酒造株式会社|仕込み部屋

全国の酒蔵と競争すべく、多くのサーマルタンクを導入。


2機の槽(ふね)と、薮田と呼ばれる3台の圧搾機で酒を搾ります。
来福 来福酒造株式会社|槽場

ご覧のとおり、とても綺麗で設備も充実。
今後の展開が楽しみな蔵元です。


最後に訪問の証の記念撮影は蔵の展示ルームで撮影。
来福 来福酒造株式会社|記念撮影
来福の主力商品「純米吟醸 愛山」の素晴らしさに、思わず手にとって驚く吾郎でした。


商品の購入・質問は来福、真向勝負|来福酒造株式会社へお問い合せ下さい。
TEL:0296-52-2448来福醸造元来福酒造株式会社
ここで書かれているデーターは筆者が訪問した時点の情報となります。

この記事へのトラックバックURL

http://sanoya.jizake.com/t1061

蔵元の熱き思いをお届けします。年間発送1万件以上 地酒のセレクトショップ 佐野屋 地酒.com
◆佐野屋 地酒.com
蔵元の熱き思いをお届けします。年間発送1万件以上 地酒のセレクトショップ。