2011年06月21日

若盛、門外不出|西堀酒造株式会社

新進気鋭 酒蔵訪問の旅 197蔵目

若盛(わかざかり)、門外不出|西堀酒造株式会社

栃木県小山市大字粟宮1452
酒名:若盛(わかざかり)、門外不出、奥座敷 ■創業:1872年(明治5年)5代 ■杜氏:南部杜氏
■仕込み水:中硬水 ■訪問日:2011/6/21

代表銘柄
門外不出 特別純米
門外不出 純米吟醸 短稈渡船
上撰 若盛

栃木では宇都宮市に次ぎ2番目に人口の多い市が小山市。
かつて滋賀県からやって来た近江商人達がこの地に次々と酒蔵を構えた事から、酒造りには適した土地だったようで現在でも4社の酒蔵が稼動しています。

その小山市にて近江商人を祖先とする、地元に愛される酒造りを続けている酒蔵が、若盛(わかざかり)・門外不出という酒を造る西堀酒造株式会社です。
若盛、門外不出 西堀酒造株式会社|外観

若盛(わかざかり)・門外不出という名の酒を醸す西堀酒造株式会社は明治5年(1872年)、西堀 三左衛門氏が創業した現在5代続く造り酒屋です。

西堀家は38代も続くという近江商人で、滋賀県の東近江市大塚町(旧蒲生町)に屋敷があり京都御所の北側で紡績業を営んでいました。
時は幕末、西堀家の33代目となる西堀 三左衛門氏が酒造業に参入すべく近江商人のネットワークを頼りにこの地に来ます。

時代は丁度、安政の大獄という時代が大きく変化している最中。幕末の尊王攘夷運動に大きな影響を及ぼしたと言われる大橋 訥庵(おおはし とつあん)という儒学者がたそうですが、訥庵を婿養子として迎えた呉服問屋が安政の大獄によって没落し、栃木県小山市の屋敷を売りに出します。
三左衛門氏は、その呉服問屋の屋敷を手に入れた後、明治5年に酒造業に参入します。
酒造業の歴史では5代という事になります。


写真は西堀家38代目、酒造業を開始してから5代目となる西堀 和男さん
若盛、門外不出 西堀酒造株式会社|蔵元

近江商人が酒蔵を営む際に必ずしも蔵に主が常駐しているとは限らず、番頭が酒蔵の経営を切り盛りする事も多かったようです。

西堀酒造も先々代までは番頭制度を行っていて蔵主の屋敷は滋賀県にあります。
現在でも滋賀県にあり、ご近所の方と普通に付き合いされているとの事です。

しかし先代から番頭制度ではダメだという事になり両親を滋賀県に残し滋賀県から栃木県に移住。
現在の蔵元は栃木で生まれます。しかし滋賀県で生活されている祖父母が高齢ということから再び滋賀と栃木を行ったり来たりの生活となり、蔵元は小学校の5年生から高校卒業まで滋賀県の実家で生活され、大学は京都だったそうです。

北関東では近江商人出身の酒蔵が多く、現在でも滋賀県と栃木県に両方に家を持つ蔵元は珍しくはありません。


写真は釜場です。
若盛、門外不出 西堀酒造株式会社|釜場

創業当初の屋号は「堺屋」、酒名は「比良の峰」「琵琶錦」という滋賀県に縁のある名前の酒を造っていました。
昭和32年に蔵が法人成りをされた際、「飲んでいただく方が若々しく盛るように」という願いから、現在の代表銘柄、若盛(わかざかり)が誕生。
そして平成5年には「門外不出」という酒が誕生。蔵の身の丈にあっただけの酒を造ろう、地元の方に飲んでいただく酒を造ろう、という考えから栃木県内をメインにした酒「門外不出」が命名されます。門外不出は全てが純米の酒です。


若盛、門外不出 西堀酒造株式会社|麹室

酒造りに用いる米は地元の五百万石の山田錦と、そして滋賀県から美山錦、短稈渡船、日本晴という米が中心。
かつては丹波杜氏が酒を造っていましたが、平成12年に継枝 邑一氏という南部杜氏が酒造りをされています。

継枝 邑一杜氏は現役最高齢の杜氏で現在84歳。昭和21年に酒蔵の世界に入り杜氏歴は51年。
今までに仕込んできた醪(もろみ)の数は7000本以上。

酒つくりで重要な事は「蔵人達との和」。蔵人を褒めることを意識し、厳しいことを言っても仕事の終には必ず「ごくろうさま」と声をかる。杜氏と蔵人の間で良い人間関係が出来、雰囲気がよければ良い酒ができるとのこと。

名杜氏と言われた波瀬正吉さんも同様に、蔵人との和を大切にされた杜氏です。とても穏やかで優しい方として知られた方で、波瀬杜氏を思い出しました。

写真は仕込み部屋です。
若盛、門外不出 西堀酒造株式会社|仕込み部屋

栃木県のこの地では、昔から甘口の酒が造られていた地域なので、西堀酒造では常に味が濃いしっかりした酒造りを続けてきました。
お酒を知らない方には「甘い酒だね」とよく指摘されるそうですが、キレが良い辛口にしていますので、杯が進む酒として評判が良いとのこと。


蔵には売店もありお酒を買うことが出来ます。一般の方の蔵見学も可能です。
若盛、門外不出 西堀酒造株式会社|売店
若盛、門外不出 西堀酒造株式会社|記念撮影

最後に訪問の証の記念撮影です。

蔵は登録有形文化財に指定されていて、レンガ作りの煙突は明治時代に造られた物。
店主が指差ししている亀裂は関東大震災の時に出来たヒビだとか。
関東大震災の爪痕が今でも残る煙突に驚く吾郎でした。




商品の購入・質問は若盛、門外不出|西堀酒造株式会社へお問い合せ下さい。
TEL:0285-45-0035若盛(わかざかり)醸造元西堀酒造株式会社
ここで書かれているデーターは筆者が訪問した時点の情報となります。

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