2011年06月20日

十一正宗|森戸酒造株式会社

新進気鋭 酒蔵訪問の旅 194蔵目

十一正宗|森戸酒造株式会社

栃木県矢板市東泉645
酒名:十一正宗,たかはら ■創業:1874年(明治7年)5代 ■杜氏:蔵元杜氏(諸派)
■仕込み水:軟水 ■訪問日:2011/6/20

代表銘柄
十一正宗 純米酒
十一正宗 尚仁沢 純米吟醸
たかはら 本醸造

栃木県の北部に位置する矢板市。
市の北部に位置する高原山は「水源の森百選」「森林浴の森100選」などに選定され、そこを水源とする「尚仁沢湧水」は全国名水百選に選ばれているという100撰ずくしの場所。

大変良い水に恵まれたこの地で「十一正宗(じゅういちまさむね)」という地酒を造る酒蔵が森戸酒造株式会社です。
十一正宗 森戸酒造株式会社|外観

日本酒、十一正宗(じゅういちまさむね)を造る森戸酒造株式会社は、明治7年(1874年)に森戸清平氏によって創業した現在5代続く酒蔵です。

幕末の時代、現在の鹿沼市にて宮司の次男として生まれた森戸清平氏は、明治維新後の酒造免許が取りやすかった時代に、酒造りを行おうと良い水を探し求めた末にこの地にたどり着きます。

この場所は地名に「東泉」と「泉」が付くとおり、水に恵まれた土地で那須連山の高原山の伏流水を利用した穀物の栽培地帯です。

特にこの村は地形が低かったことから、浅い井戸でも綺麗な水が沢山湧きでてくるという、酒つくりには最適な場所。かつては4件の酒蔵と3件の豆腐屋と味噌蔵が1件、建っていたそうです。

清平氏はこの地の庄屋が営んでいた江戸末期に建てられたという醤油蔵を買取り酒造りをスタートさせます。

今でも水がきれいなことから夏になると自然の蛍が家の中まで入ってくるくらい飛んでくるそうです。


写真は江戸末期に建てられたという蔵
十一正宗 森戸酒造株式会社|貯蔵庫
新しい柱は東日本大震災の修復跡です。震災ではタンクが全部倒れてしまったそうです。現在は貯蔵庫として使われています。


十一正宗(じゅういちまさむね)」は創業者が名付けた明治時代から続く創業酒名。
十一正宗 森戸酒造株式会社|商品

珍しい酒名「十一正宗(じゅういちまさむね)」は創業者が名付けた明治時代から続く創業酒名です。

酒名の由来は「十一じゅういち)」とは「プラスマイナス」だそうです。
日本酒の醸造用語に「日本酒度」というのがあり、日本酒度がマイナス数値のお酒は甘口、プラスになると辛口と表現される事があります。

かつての日本酒は日本酒度がマイナス10以上の甘口の酒が主流でしたが、昔から森戸酒造ではプラスマイナスゼロの酒を造っていそうです。

正宗(まさむね)は「せいしゅ」と読める事から、「甘からず、辛からず飲み飽きしない日本酒」という意味で十一正宗が命名されたそうですが、当時の酒飲みにしてみればプラスマイナス0という酒は、かなり辛口に感じられたのでは無いでしょうか。

一度聞くと頭に入ってしまう酒名の由来です。明治時代は今よりもユーモアーな人が多かったのかもしれませんね。


写真は5代目蔵元、森戸康雄さん。
十一正宗 森戸酒造株式会社|仕込み部屋
蔵に来られるお客様の100人中97人くらいが、十一正宗を「といちまさむね」とお読みになるそうです。
蔵元はウチはサラ金屋じゃないので「といち」ではありません。「じゅういちまさむね」です。とご説明されているそうです。


酒造りに用いる原料米の93%が栃木県産米を使用。その半分が契約栽培で、五百万石、栃木酒14号、日本晴を使用。
県外では広島の八反錦と兵庫の山田錦のみ。
5代目蔵元が自ら酒造りをされています。

酒のコンセプトは創業当初から続く「甘からず、辛からず飲み飽きしない日本酒」。

本醸でも日本酒度は+2〜3、純米吟醸では+3〜+4。
派手ではなく味を重視し、まとまりの良いバランス良い酒を目指されています。

新しい試みとして、矢板の特産品のリンゴの花から採取したリンゴ酵母による酒造りをされています。 リンゴの甘酸っぱい酒を表現するため、酸が2.5度、日本酒度はマイナス5と、この酒に関しては日本酒度がマイナスの酒を造られています。


写真は50年以上使われている釜
十一正宗 森戸酒造株式会社|窯場
シーズン終了後、サラダオイルでで磨き上げるため、ご覧のようにとても綺麗です。


栃木には下野杜氏がいますが、その立ち上げの際、蔵元は技術部会の部長としてカリキュラムの作成や認定をどう行うかの裏方の仕事をされていたそうです。
下野杜氏を認定する側の立場が受験しては駄目だろう、という事で現在に至っても下野杜氏の資格を受けていません。

栃木の若い蔵元が盛り上がり全体が良くなるため、下野杜氏誕生の裏方の仕事を引き受けられたそうです。

現在では下野杜氏は16人に増え、栃木の酒も盛り上がってきたので、やって来て良かったと語られていました。


十一正宗 森戸酒造株式会社|麹室
最後に訪問の証の記念撮影です。
十一正宗 森戸酒造株式会社|記念撮影
1874年、庄屋から買取り酒造業を開始したと伝えられる蔵の前で記念撮影。
東日本大震災を始め、数々の災害に耐えぬいた木造の建物を見て感心する吾郎でした。



商品の購入・質問は十一正宗|森戸酒造株式会社へお問い合せ下さい。
TEL:0287-43-0411十一正宗醸造元森戸酒造株式会社
ここで書かれているデーターは筆者が訪問した時点の情報となります。

この記事へのトラックバックURL

http://sanoya.jizake.com/t1056

蔵元の熱き思いをお届けします。年間発送1万件以上 地酒のセレクトショップ 佐野屋 地酒.com
◆佐野屋 地酒.com
蔵元の熱き思いをお届けします。年間発送1万件以上 地酒のセレクトショップ。