2011年06月14日

花垣(はながき)|有限会社 南部酒造場

新進気鋭 酒蔵訪問の旅 186蔵目

花垣(はながき)|有限会社 南部酒造場

福井県大野市元町6-10
代表銘柄:花垣(はながき)
創業:1901年(明治34年) 4代
杜氏:社員杜氏(能登杜氏)
仕込み水:弱軟水
訪問日:2011/6/14

代表銘柄
花垣 生もと純米 生もと米しずく
花垣 山廃純米 米しずく
花垣 有機 純米吟醸
大吟醸 究極の花垣

奥越前の中心地として栄えてきた城下町、福井県大野市。
1573年朝倉氏が滅亡した後、戦功により織田家の部将金森長近が大野を統治します。
それにより城が構築され、京都のような碁盤目状の城下町が建設されます。
そして越前の小京都と言われる美しい景観の街に発展していきます。

その大野に日本酒ファン注目の酒蔵があります。
花垣(はながき)という酒を造る有限会社 南部酒造場です。
花垣 南部酒造場|外観

日本酒 花垣を醸す有限会社南部酒造場は、明治34年南部 悌蔵(ていぞう)氏が創業した現在5代続く酒蔵です。

悌蔵(ていぞう)氏は、大野藩の御用商人「茶の木屋」の5代目で金物商を営んでいました。
明治20年代に大野の街は10年を待たずして2度の大火が発生。焼け野原になった後に復興したのが写真の建物です。
大火がきっかけとなり、金物商から酒造業に変更されたというのが創業の経緯となります。


蔵の建物は文化庁の登録有形文化財に指定されています。
花垣 南部酒造場|登録有形文化財

金物商「茶の木屋」は、1733年(享保18年)に七右衛門氏という方によって創業されました。

そのため家の創業は1733年、創業者は初代 七右衛門氏となり、酒造りを開始した1901年は創醸(そうじょう)と言い、酒造業の創業者は悌蔵氏と伝えられています。

蔵元によると史実では明治の後半から大正の始めにかけ、大野だけで37社の酒蔵が存在していたそうです。
大野盆地には約4000町の田んぼがあり、各村々には庄屋や地主がいて米を集めて酒蔵を営んでいたそうです。その結果、昔は37社も酒蔵が存在していたとのこと。
現在は城下の市街地に4社の酒蔵を残しています。


酒名「花垣」は創業当初から続くこの蔵のメインブランド。
花垣 南部酒造場|七間清水

越前大野は日本百名水に指定されている名水の里。
真名川・清滝川の伏流水に恵まれ、街の各所に清水が湧き出していました。
地元の人々はこの名水を御清水(おしょうず)と呼んでいます。

現在でも大野市には上下水道が無く、天然の御清水が人々の飲料水に使われています。
一般の家庭は10メートル、酒蔵は50メートルという深い井戸から水を汲んでいます。

水、酒米、そして雪深く寒冷な気候で酒造りの条件を三拍子揃えた醸造の里で酒造りを行っています。


写真の方は4代目蔵元、南部 隆保さん。
花垣 南部酒造場|蔵元 釜場

甑(こしき)は二重甑(こしき)というものを使っています。

蔵元の手の厚みの部分は空洞になっていて中に蒸気が走ります。
甑の外側というの結露しやすく、米が水分を吸ってベトベトになります。この現象を甑肌(こしきはだ)といいます。

甑の外側の層に温かい蒸気を通すことで結露を防ぎます。この甑を採用してから甑肌(こしきはだ)が出なくなった事

蔵は製造の力点を原料処理に置いており、特に「蒸し」の部分を一つづつ改善。
綺麗な蒸気を用いるために、一度蒸した蒸気を綺麗に浄化したあと再沸騰させたものを甑に入れています。

蒸しの後半を10〜15分に高温で乾燥した蒸気を送ることで蒸しあがりの表面をカラッとさせて、艶やかで弾力がある良い蒸米に仕上げているとの事。


写真は麹室の一部です。

花垣 南部酒造場|麹室

南部酒造場には写真の杉張りの麹室と、ステンレス壁の二種類の麹室があります。

杉の麹室の良い点は、木が水分を吸ったり吐いたりしてくれる事で、乾燥のコントロールを木が手伝ってくれる事。つまり杉の木が乾燥のクッショになってくれるそうです。
ステンレスだとそういう事が無いため、人間が乾燥の具合を正確にコントロールしなくてはいけません。

しかしステンレスだと、木のように呼吸しないため、人間の手によって誤差なく乾燥がコントロール出来るという利点もあります。乾燥の具合を数字で測って確かめる場合には余計なクッショが発生しないステンレスのほうが制度が上がるとという考え方があります。また清掃がしやすいというメリットもあります。

蔵はステンレスが良いのか、杉が良いのか?悩み悩んだ結果両方取り入れたそうです。

ステンの室では麹米の重さを測る装置が床に設置されており、米がどれくらい乾燥しているのかが数字で把握できるとのこと。

北陸は湿度が高いため、出麹を普通の環境にさらしておくと、麹が湿気をすい湿潤な麹になります。湿潤な麹は味のさばけが悪いため出麹の為の特別室が用意されています。乾燥させた状態で麹の温度を冷ましていきます。


写真は仕込み部屋です。
花垣 南部酒造場|仕込み部屋

蔵は昭和30年代に建てられた鉄筋3階建て。
暖冬で暖かくても冬の気温が保てる仕込蔵になっています。

旧来の開放タンクと、密閉タンク、温度管理をしてくれるサーマルタンク。 3パターンのタンクをそれぞれのお酒の特性にあわせ使い分けて酒を仕込んでいます。


この槽(ふね)で大吟醸を搾ります。
花垣 南部酒造場|槽場
槽場は明治時代に建てられた建物の中。


写真は槽のおもりです。
花垣 南部酒造場|槽のおもり

たいへん珍しい槽で、写真の錘(おもり)が落ちようとする力を、静かに油圧で伝えて酒を搾り出します。
漬物石を載せているような感じで、柔らかい圧力で酒を搾ります。
他の蔵でこのタイプの槽は見たことがありません。


花垣 南部酒造場|商品

写真は利きさ酒をしたり勉強会をする場所。ここで試飲をさせていただきました。

花垣のお酒は特徴に飛んでいます。

華やかなタイプの特選大吟醸。こちらは優等生タイプのストライクゾーンが広い大吟醸酒。
有機の純米吟醸は淡麗とは対照的な旨口の純米酒。
生もと造りの米しずくは、ワインを思わせる酸を持つ、イタリアンなど現代の食事と調和が取れそうな新しい飲み方が提案できそうな酒。
そして貴醸酒。

貴醸酒を飲んだ後の甘い舌で生もとの米しずくを口にするととても不思議な味わい。酸がとてもスッキリと感じられ舌を洗う爽やかな酒に変身します。

特徴だった楽しいお酒を前に、訪問の記念撮影をするのを忘れてしまった吾郎でした。




商品の購入・質問は花垣(はながき)|有限会社 南部酒造場へお問い合せ下さい。
TEL:0779-65-8900花垣(はながき)醸造元有限会社 南部酒造場
ここで書かれているデーターは筆者が訪問した時点の情報となります。

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