2012年10月26日

金陵(きんりょう)|西野金陵株式会社

新進気鋭 酒蔵訪問の旅 286蔵目

金陵(きんりょう)|西野金陵株式会社

香川県仲多度郡多度津町葛原1880
蔵元のサイト:http://www.nishino-kinryo.co.jp/


酒名:金陵(きんりょう) ■創業:1789年(寛政元年)16代 ■杜氏:社員杜氏(醸造責任者) ■仕込み水:中硬水 ■訪問日:2012/10/26

代表銘柄
金陵 特別純米酒 楠神(くすかみ)
金陵 濃醇純米
金陵 上撰 国の光

金陵(きんりょう) 西野金陵株式会社|外観
西野金陵株式会社は寛政元年(1789年)に、阿波藍という染料を扱う商いをされていた8代目 西野 嘉右衛門氏が創業した現在で16代続く酒蔵です。

8代目 嘉右衛門氏は、阿波藍と言われる染料を舟を用いて売買をされていたそうで、舟の安全祈願のために琴平神社にお参りに来ます。
その時、鶴田屋という店の酒造株が売りに出ている事を知りそれを買い受けます。
それが酒造業の始まりとされています。

琴平で酒造業を営んでいましたが、昭和の高度成長と共に蔵の製造規模も大きくなり新しい場所に新蔵を建設することを計画。

良い水を求め約4年間かけて県内のあらゆる場所でボウリング調査を開始。
多度津にある葛原八幡神社から湧く「八幡の恩湧」と呼ばれる湧き水の水質が良かった事から、3年間かけて試験醸造を行い水質が変化しないかどうか確認。良い水が継続的に出る事を確かめた後に、土地を買い取り新蔵を建設。昭和44年に完成します。

蔵の敷地内には大きな木が何本も残っていますが、かつて神社の土地であった名残との事。

写真の方は製造課長の酒井 史郎さん。
金陵(きんりょう) 西野金陵株式会社|酒井 史郎さん
製造責任者、いわゆる杜氏のような存在ですが、特に杜氏組合に所属している訳ではないので、蔵では杜氏という言葉は使わず「製造責任者」と呼ばれています。

酒井さんに香川のお酒とはどういう酒なのか聞いてみたところ、

広島の酒は濃醇で甘口、太平洋に面した高知の酒は辛口。
広島と高知に挟まれた、香川・愛媛は極端な甘口ではなく、辛口でもない。
その真ん中辺りの優しい酒。

金陵が造る酒は、他の香川県の酒と比べ少し辛口、との事。

造りの特徴としては、麹造りをしっかりしよう、米をしっかり磨こうという方針で精米機では時代時代で最新鋭の装置を導入。円形の製麹機も良い機械をいれているとの事。

その結果、県内の他のお酒を比べ辛口に傾いているとの事ですが、新潟県のような端麗の辛口ではなく味にボディがある辛口。

こだわりの酒として、琴平の蔵にある樹齢900年推定の楠から採取した天然酵母をで造った金陵 特別純米酒 楠神(くすかみ)
食事との相性を考え、最近は味の濃い料理が多くなったので、それに合わせた濃醇なタイプの酒濃醇 純米。これらの酒が伸びているとの事。

写真は井戸の入り口。
金陵(きんりょう) 西野金陵株式会社|井戸
香川県は水不足で知られていますが、この地下水は豊富で、洗い物から含めて全量地下水で間に合う位の水量があるとの事。

酒造りですが精米は9月から始まり、造りは10月からスタート。
甑倒しは3月中旬。
ゴールデンウィークが始まる迄には、完全に仕込みが終了する皆造(かいぞう)したいとの事。

酒造りに用いる米は、地元のオオセトが中心、香川県が開発したさぬきよいを使用。
全量、自家製米をしているとの事。

写真は精米機。
金陵(きんりょう) 西野金陵株式会社|精米機
精米機は全部で8機あります。

金陵(きんりょう) 西野金陵株式会社|2ヘッド精米機
この精米機はヘッダー(砥石)が2つ備わっている珍しいタイプ。
細かい砥石と、荒い砥石の2種類装着されています。

米を割らないよう丁寧に磨くことを目的にしており、前半は荒い砥石で削り、後半からは細かい砥石で丁寧に磨くことができます。
もちろんコンピューター制御されていて、80%を超えたら細かい砥石といったプログラミングも可能。

金陵(きんりょう) 西野金陵株式会社|浸漬タンク

蔵はとても広く、最盛期には3万3千石を酒を製造。
かつては若林豪さんと契約してテレビCMをされていたとこ事。
現在も地元のテレビで「お酒で話しましょ、金陵」というコピーでテレビCMされているそうです。

写真は麹室。
金陵(きんりょう) 西野金陵株式会社|麹室
多度津の工場では主に普通酒を製造。
琴平の蔵では、昔ながらの設備で特定名称酒が造られているそうです。

写真は仕込み部屋です。
金陵(きんりょう) 西野金陵株式会社|仕込み部屋

写真は槽場。
金陵(きんりょう) 西野金陵株式会社|槽場
足場が高く酒粕を回収する為のコンベアーが下に備えられています。

訪問の証の記念撮影。かつて神社であった名残の木々に感心する吾郎。
金陵(きんりょう) 西野金陵株式会社|記念撮影
私が見て思った事はとても広い事。そして以外にも敷地内に木が多かったこと。
木が多いと、落ち着くと落ち着きます。

今回は多度津にある普通酒などレギュラークラスの酒を主に製造している蔵に訪問しましたが、木が多いというだけで良い酒が造られているような印象を持ちます。

ここから車で約15分の琴平にある「金陵の郷」では特定名称酒を製造されており、「歴史観」「文化館」「讃酒館」があり、一般の方でも見学が可能。
次に香川に来たときは、是非琴平の蔵に行きたいと思う吾郎でした。




商品の購入・質問は金陵(きんりょう)|西野金陵株式会社社へお問い合せ下さい。
TEL:0877-73-4133金陵醸造元西野金陵株式会社
ここで書かれているデーターは筆者が訪問した時点の情報となります。  

Posted by 佐野 吾郎 at 16:00TrackBack(0)香川県の酒蔵巡り

2012年10月26日

綾菊(あやきく)|綾菊酒造株式会社

新進気鋭 酒蔵訪問の旅 285蔵目

綾菊(あやきく)|綾菊酒造株式会社

香川県綾歌郡綾川町山田下3393-1
蔵元のサイト:http://www.ayakiku.com/


酒名:綾菊(あやきく) ■創業:1790年(寛政2年) ■杜氏:安芸津杜氏 ■仕込み水:軟水 ■訪問日:2012/10/26

代表銘柄
綾菊 純米吟醸 国重
綾菊 讃岐
山廃仕込純米酒 よいまい綾菊

香川県といえば讃岐うどん。
有名な山越うどん、田村など、うどん激戦区に存在する酒蔵が綾菊酒造株式会社綾菊(あやきく) 綾菊酒造株式会社外観|外観
綾菊酒造株式会社は第二次大戦が終わる終戦末期に、この地域にあった5つの酒蔵が合併して出来た酒蔵。

第二次大戦中の昭和17年、戦時経済の統制強化を目的に、国の命令によって酒蔵の多くは合併させられる事になります。

蔵は創業の年を寛政2年としていますが、これは合併した4社の中で一番古い創業である苧坂(おさか)家のものを採用しため。

蔵の場所は、合併5社の中で最も良質の米が取れる「山田」に位置していた泉谷家の蔵を使用することになりました。
この場所は香川県内屈指の良質米産地で、大正天皇御即位の際に献上米産地に選ばれたそうです。

写真は釜場です。
綾菊(あやきく) 綾菊酒造株式会社外観|釜場
綾菊酒造では毎年11月頃から酒造りが始まり、3月の末頃に甑倒し。
週に1本か2本のペースでモロミを立て年間製造数は約1000石。

酒の造り手は広島の安芸津杜氏、国重 弘明氏。
1936年生まれの国重杜氏は、昭和43年に綾菊酒造の杜氏を務め、今年76歳となる今でも現役の杜氏。

13年連続で全国新酒鑑評会で金賞を受賞したキャリアを持ち、平成7年に杜氏の世界では初となる「現代の名工」に選ばれ、平成19年には黄綬褒章を受賞。

杜氏の中で、現代の名工に選ばれ、かつ黄綬褒章を得ている人は、綾菊の国重杜氏と、福島県の末廣の佐藤寿一杜氏、そして岩手県の藤尾正彦杜氏の3名のみ。
綾菊酒造の顔というべき存在です。

国重杜氏が高く評価される理由の一つに、山田錦ではなく「オオセト」という米を用いて全国新酒鑑評会で幾度も金賞を受賞されるという点があります。

酸とアミノ酸の数値が近い、飲み飽きしないスッキリした酒を得意とされるそうです。

写真は麹室。
綾菊(あやきく) 綾菊酒造株式会社外観|麹室
国重杜氏は広島から蔵人を従えて酒造りに来る、というスタイルではなく国重杜氏のみが来られるとの事。なので蔵人は社員が中心。写真の方は蔵を案内していただいた社員の方。

綾菊(あやきく) 綾菊酒造株式会社外観|麹室2

写真は酒母室。
綾菊(あやきく) 綾菊酒造株式会社外観|酒母室

写真は仕込み部屋。 綾菊(あやきく) 綾菊酒造株式会社外観|仕込み部屋
床に正方形に空いた部分がありますが、その下にタンクの口があります。
この部屋では2000キロという中規模な仕込みが行われています。

綾菊(あやきく) 綾菊酒造株式会社外観|吟醸仕込部屋
こちらは大吟醸酒などを500キロの小仕込みが行われている仕込み部屋。

写真は圧搾機です。
綾菊(あやきく) 綾菊酒造株式会社外観|槽場

訪問の証の記念撮影。仕込み水を試飲する吾郎。
綾菊(あやきく) 綾菊酒造株式会社外観|記念撮影
最後に蔵元が話された言葉で、現在、個性が光った日本酒が市場を席巻していますが、綾菊が目指す酒は「これが日本酒の基準となる酒」。日本酒専門店には国重のような「日本酒の基準となる酒を」是非一点加えて欲しい、という言葉がとても印象に残りました。




商品の購入・質問は綾菊(あやきく)|綾菊酒造株式会社へお問い合せ下さい。
TEL:087-878-2222綾菊醸造元綾菊酒造株式会社
ここで書かれているデーターは筆者が訪問した時点の情報となります。  

Posted by 佐野 吾郎 at 11:00TrackBack(0)香川県の酒蔵巡り

2012年10月25日

川鶴(かわつる)|川鶴酒造株式会社

新進気鋭 酒蔵訪問の旅 284蔵目

川鶴(かわつる)|川鶴酒造株式会社

香川県観音寺市本大町836


酒名:川鶴(かわつる)、大瀬戸(おおせと)、吉祥翔鶴(きっしょうしょうかく) ■創業:1891年(明治24年)6代 ■杜氏:但馬杜氏 ■仕込み水:中硬水 ■訪問日:2012/10/25

代表銘柄
川鶴 さぬきよいまい 純米無濾過生原酒
大瀬戸 特別純米酒 無濾過原酒
川鶴 讃岐くらうでぃ骨付鳥 一本勝負

うどんで有名な香川県。
川鶴酒造の最寄り駅、予讃線本山駅という小さな駅にも手打ちうどん屋さんがあります。何処に行ってもうどん屋ばかりですが、香川県のもう一つの名物が「骨付鳥」。

店によって味付けのバラエテーが広く、食べごたえがあってお酒にも合わしやすい。
新たな香川の名物、骨付鳥にあう日本酒を造る蔵が川鶴酒造株式会社です。
川鶴(かわつる) 川鶴酒造株式会社|外観
川鶴酒造は明治24年(1891年)に川人 清造氏によって創業した現在で6代続く120年以上の歴史を持つ酒蔵です。

明治時代に酒造業をおこした蔵はとても多いのですが、その背景として酒造免許が得られやすかった事。西南戦争、日清・日露戦争によってお酒の需要が増え、酒造業者の景気がとても良かった事から、何らかの商売で資金を得て参入する人が多かったようです。

清造氏もそんな一人だったのではないでしょうか。徳島県の池田町で染物業を営んでいた清造氏は、酒造免許を習得。良い水が出る場所を探し、現在の場所に蔵を建てます。

屋号は長男の名前を取り、川人一治郎精醸。
ことひき正宗、福つづみ、川亀など様々な酒名の酒を造っていたそうです。
現在の主力銘柄「川鶴」は清造氏が、蔵の隣に流れる財田川に鶴が飛来した夢を見たことから命名。
創業後、間もなく誕生した銘柄だと伝えられています。

写真の方は6代目蔵元、川人祐一郎さん。
川鶴(かわつる) 川鶴酒造株式会社|蔵元川人祐一郎さん
創業当時(明治時代)に建てられた有形文化財に指定されている蔵の中で撮影。

川鶴酒造では現在、川鶴(かわつる)、大瀬戸(おおせと)、吉祥翔鶴(きっしょうしょうかく)の3つのブランドの酒を製造されています。
全体の9割をしめる川鶴が現在の主力銘柄。

社員や蔵元ではなく、但馬から来る杜氏が酒造りを行い、毎年10月20日頃から仕込みが開始。
甑倒しは3月上旬。完全に仕込みが終了する皆造(かいぞう)は4月半場。
年間約1500石の酒を製造されています。

酒造りに用いる米は県内産の米ではオオセト、香川産山田錦、さぬきよいまい。
県外では岡山の雄町、2011年からチャレンジ開始した玉栄。

これら5種類の米の特徴を最大限に引き出す「旨口」の酒を造ることが川鶴酒造の目標。

膨らみがあって、厚みがある味。
綺麗な酸で最後、喉越しをキュっと絞める。
力強さと爽やかさを兼ね揃えた酒を目指されているそうです。

写真は釜場です。 川鶴(かわつる) 川鶴酒造株式会社|釜場
筆者は夕方に訪問しましたが、翌朝に蒸す米がスタンバイされていました。
1階で蒸した米は、クレーンで2階まで吊り上げます。

川鶴酒造は最盛期には今の6倍以上の9600石の製造をされていたそうで、蔵には1万石のサイズに合わせた設計がされています。今では使用しなくなった量産時代の設備がところどころ残った状態。

一万石のサイズに設計された蔵の中、現在の小仕込みを行うのはとても非効率で毎年戦いのような仕込みが行われているそうです。

蔵をコンパクトな仕込みに合わせるよう作り替えるのが今後の課題だそうです。

写真は麹室。
川鶴(かわつる) 川鶴酒造株式会社|麹室
奥に見える銀色の箱は、ハクヨー社の吟醸五段製麹機。

写真は仕込み部屋。
川鶴(かわつる) 川鶴酒造株式会社|仕込み部屋

川鶴(かわつる) 川鶴酒造株式会社|大吟醸の仕込み部屋
仕込み部屋は「大吟醸の仕込み部屋」と「その他の仕込み部屋」の2つあります。

仕込み部屋は750キロ仕込みが行われる吟醸の仕込み部屋(写真下)と、1000から1500キロ仕込みが行われる仕込み部屋(写真上)と2種類。

仕込み部屋の壁に付いているカビ等はあえて清掃しないとの事。

見た目は悪く不衛生な印象を持つかもしれませんが、蔵はこれらを蔵付き酵母だと考えています。
かつて酒蔵では、蔵の中に漂う蔵付き酵母によって酒が製造されていましたが、壁には様々な蔵付き酵母が住んでいます。今では培養酵母を用いて酒を造るのですが、何らかの関連があるのかもしれない、とあえて清掃はしていないとの事。

防空壕を利用した地下貯蔵庫。
川鶴(かわつる) 川鶴酒造株式会社|地下貯蔵庫
かつて防空壕だったという地下室を貯蔵庫として利用しています。
ここの貯蔵庫は商品化されているお酒ではなく特別な酒が貯蔵されています。

斗瓶で囲っている長期熟成酒がメインで、一番古いお酒昭和43年に製造されたもの。
室温5度で貯蔵されているそうです。

最後に訪問の証の記念撮影。
川鶴(かわつる) 川鶴酒造株式会社|記念撮影
さぬきよいまいで造られた純米酒に感動する吾郎。

蔵で川鶴を何種類か試飲させていただきましが早々に完売したという、さぬきよいまいで造られた純米酒は秀逸でした。
さぬきよいまいという米は香川県の米で、香川の酒蔵しか用いられていません。
香川には7社しか酒蔵がなく、この米で造られる酒というのは希少です。
もし何処かで見かけた際にはぜひお勧めします。




商品の購入・質問は川鶴(かわつる)|川鶴酒造株式会社へお問い合せ下さい。
TEL:0875-25-0001川鶴、大瀬戸、吉祥翔鶴醸造元川鶴酒造株式会社
ここで書かれているデーターは筆者が訪問した時点の情報となります。  

Posted by 佐野 吾郎 at 17:00TrackBack(0)香川県の酒蔵巡り