2012年06月12日

天山(てんざん)、七田(しちだ)|天山酒造株式会社

新進気鋭 酒蔵訪問の旅 260蔵目

天山(てんざん)、七田(しちだ)|天山酒造株式会社

佐賀県小城市小城町岩蔵1520
蔵元のサイト:http://www.tenzan.co.jp/


酒名:天山(てんざん)、七田(しちた)、飛天山(ひてんざん) ■創業:1875年(明治8年)6代 ■杜氏:社員杜氏(肥前杜氏) ■仕込み水:中硬水 ■訪問日:2012/6/12

代表銘柄
七田 純米 七割五分
七田 純米吟醸 無濾過 生 七田の心
大吟醸 飛天山

佐賀県のほぼ中央に位置する小城市(おぎし)。
市の北部には標高1,046メートルの天山がそびえ、そこを水源とする祇園川には毎年5月下旬から6月の上旬にかけて源氏ボタルが乱舞するという蛍の名所。
天山山脈を背景に、祇園川の真横に位置する酒蔵が天山酒造株式会社です。

七田(しちだ) 天山酒造株式会社|外観
天山酒造株式会社は明治8年(1875年)に七田利三・ツキ夫妻によって創業された現在で6代続く酒蔵です。

明治時代以前、蔵が位置する場所は、天山のゆるやかな斜面から流れる川の水力を利用した水車業が盛んな地域だったそうです。

七田利三氏は、酒造業を行う以前は水車業をされていて、水車をもちいて製粉業、精米業や製麺(そうめん、蕎麦)を行なっていたようです。
地元で事業を譲渡する酒蔵を買い取り、酒造業に参入されたというのが天山酒造のルーツだそうです。

先月(2012年4月24日)お隣の福岡の城島の酒蔵「花の露」に訪問した際に、かつては佐賀の山間に水車があって、米をそこまで運んで精米していた、という話をきかせていただきました。
ひょっとしたら、この辺りの地域の事だったのかもしれません。

http://sanoya.jizake.com/e1689.html

現在は水車業なんて存在しないと思うのですが、かつては、谷があって豊富な水量が流れていた地域には、その水力を利用した水車業というのが全国あちらこちらにあったのでしょう。

かつては小城には4件の酒蔵が存在していたようですが現在は2社が存在。製造しているのは天山酒造の1社のみとです。

七田(しちだ) 天山酒造株式会社|蔵の由来

写真は6代目蔵元、七田 謙介さん。
七田(しちだ) 天山酒造株式会社|七田謙介氏

写真は七田 謙介さんが手がけたこだわりブランド「七田(しちだ)」。
七田(しちだ) 天山酒造株式会社|七田
佐賀県は今でも普通酒の消費が多く、芳醇で甘口の酒が多いと言われています。

そんな佐賀県の酒の中で天山酒造が造る酒は佐賀の中では辛口。
全国レベルで比較するとそんなに辛口ではないんですが、佐賀県の中では辛口に入ります。
地元の方は「天山は辛口」と言われる方が多いとの事。

何種類か試飲させていただきましたが、どの酒もかなり濃醇な味わいです。
私が特に面白いと思った酒は「天山 吟醸 夏吟」。

夏向けのライトなお酒という事でアルコール度数13%に抑えているとの事ですが、全く薄さはありません。むしろ適度に濃い酒。
私はアルコール度数は15度くらいあるのでは?と思いましたが、ラベルに13度と書かれていて驚きました。

写真は蔵の試飲コーナの一部。天山酒造では一般の方の蔵見学も受け付けています。
七田(しちだ) 天山酒造株式会社|蔵の中

仕込み水には天山山系の伏流水を使用。
蔵から少し離れた場所に湧き水があり、地中を配管して蔵まで運んでいるとの事。

水は中硬水、灘の宮水をほとど変わらない硬度だとか。
その為、発酵力が強く昔から発酵が途中で止まってしまうような心配が無かったとの事。
この水の影響で、佐賀の酒として辛口の酒に仕上がっているようです。
蔵で仕込み水をいただきましたが、確かに硬水のミネラルっぽい質感の水でした。

酒造りに用いる米は地元の米を中心に使用。
佐賀県産の山田錦と「さがの華」、レイホウ、日本晴など。

地元の10数件の農家と「天山酒米研究会」という組織を作り契約栽培をされているそうです。
一部、低精白シリーズという酒を造っていて、それには岡山の雄町、兵庫の愛山、山田穂という米が使用されていますが、全体の大半は佐賀産の米との事。

地元の米の味を引き出したい。
その理由から純米に力を入れておられ、現在では純米酒の比率が半分を超えたくらい。

純米酒への取り組みは随分前から行われていて、純粋日本酒協会に加盟し35年以上も前から純米酒を市販されていたそうです。

米の味わいをしっかり感じていただけるような酒。旨味と酸のバランスを大切にしたい。それが地元の料理はもちろん世界中の料理に合う酒になると考えておられるそうです。

最後に訪問の証の記念撮影。
七田(しちだ) 天山酒造株式会社|記念撮影
蔵はご覧の通り伝統的な建物の中で酒造りが行われています。
特に写真の部分は、写真では判りにくいのですがL字型のような変形した部屋になっていて梁の構造が特殊だそうです。
蔵の説明を聞きながら、先人の優れた建築技術に感心している吾郎でした。




商品の購入・質問は天山(てんざん)、七田(しちだ)|天山酒造株式会社へお問い合せ下さい。
TEL:0952-73-3141天山、七田醸造元天山酒造株式会社
ここで書かれているデーターは筆者が訪問した時点の情報となります。   

Posted by 佐野 吾郎 at 15:00TrackBack(0)佐賀県の酒蔵巡り

2012年06月12日

天吹(あまぶき)|天吹酒造合資会社

新進気鋭 酒蔵訪問の旅 259蔵目

天吹(あまぶき)|天吹酒造合資会社

佐賀県三養基郡みやき町東尾2894
蔵元のサイト:http://www.amabuki.co.jp/


酒名:天吹(あまぶき) ■創業:元禄年間(1688〜1704年)10代 ■杜氏:蔵元杜氏(諸派) ■仕込み水:中軟水 ■訪問日:2012/6/12

代表銘柄
天吹 吟乃紅衣(ぎんのくれない)
天吹 裏大吟醸 愛山
天吹 純米吟醸 いちご酵母 生

天吹(あまぶき) 天吹酒造合資会社|外観
JR久留米駅からタクシーで約10分、金額的には1200円少々の場所に位置する天吹酒造

天吹酒造には以前、嵐の大野智さんが体験蔵人として蔵で酒造りをされた事があります。タクシーに乗って「天吹酒造お願いします」というと「嵐の大野君が行った蔵だね」という返事が返ってきました。

蔵は佐賀県に位置しますが、久留米市にもとても近く、佐賀市にも比較的近いため、佐賀市街と久留米市街の両方を商圏にできる便利な場所。

久留米の繁華街を歩いていると、天吹の看板がかかっている飲食店が多く、私は入ったお店の中でも天吹を置いている店は結構あります。

写真の方が10代目蔵元、木下武文さん。
天吹(あまぶき) 天吹酒造合資会社|木下武文蔵元
蔵の歴史はとても古く、資料が残っていたいため具体的な創業年や蔵元の代数は不明。
ただ蔵元の後継者、木下常務が調べたところ、古い資料に元禄年間(1688〜1704年)に蔵が存在していたことを表す資料が発見され、どうやらその頃から酒蔵を続けていたようです。

現在の蔵元は10代目。おそらく創業の時代から考えると10代では無いと思うので、解っている代からカウントして10代ではないでしょうか。

江戸期は庄屋であり、蔵元のおじいさんの話によると3階立ての建物から見える田んぼは全部自分の土地だったとか。

天吹を造るの蔵人達。
天吹(あまぶき) 天吹酒造合資会社|蔵人達
今から14年前の1988年、蔵元の長男の木下 壮太郎さんと、弟の大輔さんが天吹酒造に入ってこられます。

当時は普通酒を中心に造られていた蔵だったそうですが、東京農業大学で花酵母で造られた酒に出会います。
日本酒を口にしない学生さんが「この日本酒は美味しい。これなら買ってでも飲みたい」といって試飲する様子を見て「花酵母なら新しい世代の人々に日本酒の美味しさに気付いてもらえるかもしれない」と考えます。
当時は花酵母を使って酒を造る蔵が無かった事から、花酵母を用いた酒つくりを始められます。

写真は釜場です。
天吹(あまぶき) 天吹酒造合資会社|釜場
天吹酒造では最盛期には7000石、現在は約2000石の量の酒を造られています。

花酵母を用いて仕込む特定名称については、米と花酵母の組み合わせを沢山試みることで、新たな発見が出来ないか、という考えで原料米は20俵単位で仕込みます。
正確なデーターを取るために使用する米は「単一農家が造った同じ田んぼで収穫された米」に限定しています。

20俵だと55%精米で660キロ、大吟醸だと480キロになります。
1仕込みが最大でも660キロなので米の輸送はそう大変ではないとの事。

釜場の隣には酒母室があります。
純粋に花酵母だけを培養したい理由で「高温糖化もと」で酒母造りが行われています。

写真は仕込み部屋です。
天吹(あまぶき) 天吹酒造合資会社|仕込み部屋
花酵母は全てこの大きさのタンクで仕込まれています。
最初はタンク5本からスタートしたそうですが、現在は15本のタンクが並びます。
年間でタンク30本分の酒を仕込んでいるとの事。

写真は麹室です。
天吹(あまぶき) 天吹酒造合資会社|麹室
蔵は研究熱心で現在3種類種麹を使っているそうです。それが混ざらないよう、とにかく掃除を徹底しているとの事。

自分たちの造りにあう種麹を見つけるために、世の中で良いと言われている酒のたね麹を様々試した結果、現在は3種類に落ち着いたそうです。

箱麹の温度計はコンピュータにつながれデーターが送られています。
その為麹の状態がわかるので、室に入る前から自分たちがすべき仕事が解ります。

写真は「駒」といわれる、箱麹の下にスペースを造る為の下駄。
天吹(あまぶき) 天吹酒造合資会社|駒
以前、島根県のヤマサン正宗(酒持田本店)でも、同じ道具を見かけました。 こちらの蔵では三角形になっています。

三角形にすることで高さの調整が出来ます。
天吹(あまぶき) 天吹酒造合資会社|駒の使用例
斜面を利用して高さを調節したり、斜面を使わず横に寝かしていれたり。
三角形にすることで使い道が増えます。
蔵元が見学にくると、とても好評との事。

写真は槽場です。
天吹(あまぶき) 天吹酒造合資会社|槽場
天吹酒造では花酵母で造られる酒は全て槽でしぼります。 ヤブタではなく槽を用いる理由は、別酵母で造った酒の香味などが混ざらないようにするためです。

花酵母で造られる酒は吟醸香も持ち味です。
折角、珍しい吟醸香をが得られても他の酵母の香りが混ざると台無しです。

酒袋は搾った後に水洗いをした、アルカリに1日漬けて更に水洗いをし、酸につけて1日置いてまた水洗いするいう徹底して清掃します。

造られた酒はこの貯蔵庫で保管されます。
天吹(あまぶき) 天吹酒造合資会社|貯蔵庫
この貯蔵庫は、丘だった場所を掘って作られたものです。
当初はコンクリート打ちっぱなしでしたが、2009年に発泡ウレタンで塗装したそうです。
入り口が大きくリフトも入ることができます。
なかなか立派で広い貯蔵庫です。

最後に訪問の証の記念撮影。
天吹(あまぶき) 天吹酒造合資会社|記念撮影
様々な花酵母による酒を真剣に利く吾郎。

天吹酒造は一般の方に開放的な酒蔵で、花酵母で造られた日本酒の有料試飲が行われています。
嵐の大野智さんが蔵に来た当時は、とても多くの女性客が蔵に訪問されたそうです。
建物はとても歴史があるのですが、綺麗に維持されているので、むしろ垢抜けた感じがします。
近くに行かれた際には訪問をおすすめする酒蔵です。




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Posted by 佐野 吾郎 at 12:00TrackBack(0)佐賀県の酒蔵巡り