2011年02月10日

天野酒 あまのざけ|西條合資会社

新進気鋭 酒蔵訪問の旅。
122件目の訪問蔵は、
金剛山の麓、大阪府河内長野市で天野酒 あまのざけという酒を醸す西條合資会社です。

天野酒|西條合資会社

所在地:大阪府河内長野市長野町12-18
銘柄:天野酒
創業:1718年 10代
杜氏:南部杜氏
仕込み水:中軟水
訪問日:2011/2/10

代表銘柄
天野酒 吟醸 原酒
天野酒 大吟醸 阿
天野酒 大吟醸 うん



天野酒 西條合資会社

かつて酒造りは、朝廷に造酒司(みきのつかさ)という被官があり、そこで行われていました。
やがて平安時代の後期頃から寺院で行われるようになり、寺院で造られていた酒のことを僧坊酒(そうぼうしゅ)といいます。

大阪府河内長野市にある、金剛寺で造られた僧坊酒、「天野酒(あまのざけ)」は美酒として知られ、豊臣秀吉が醍醐の花見の時に持ち込んだ酒と言われおり、金剛寺宝物館には豊臣秀吉から贈られた朱印状が展示保存されています。

しかし江戸時代に入ると、現在に続く民間の造り酒屋が次々に誕生し、僧坊酒はその役割を終えて時代から消えて行くことになります。


金剛山の麓に位置する、西條合資会社は江戸時代中期の1718年に創業した10代続く造り酒屋です。



とても美しい蔵の景観は、文化庁の登録有形文化財にもしていされています。
天野酒_登録有形文化財.jpg
かつて河内長野には4件の酒蔵があったそうですが、全ての酒蔵が濃醇な甘口の酒を造っていたそうです。

僧坊酒、天野酒はとても濃醇な甘口酒であった事から、蔵元は僧坊酒の醸造技術が地元の酒蔵に何らかの形で伝授されたのではないかと推測されています。

金剛寺の僧坊酒であった天野酒が消滅した後、河内長野に唯一残った酒蔵として、自分達の酒つくりのルーツと考えられる天野酒を今に引き継ぎ酒造りをしています。



写真の方が、西條合資会社10代目蔵元、西條陽三さんです。
天野酒_琺瑯タンク.jpg10代目蔵元に、大阪の地酒とは何か尋ねてみました。


大阪の料理は、あまり塩っ辛いものはありませんよね。
味醂を使ったりして味が甘口じゃないですか。

おふくろの料理も、きちっと出汁をとり、隠し味に様々なものを使います。その為全ての料理に旨味が多いですよ。

それに合わせていく酒は、旨味・甘みが多く無いと負けてしまいますよね。

新鮮な食材が手に入ることによって料理が美味しい、という地は全国に沢山あります。
食材を活かした料理の場合、お酒は食材の味を邪魔をしない淡麗辛口になると思います。

しかし大阪は、こと味付けに関しては手間をかけ、きっちり味を整えた料理が多いと思いす。
そんな料理には淡麗辛口だと酒が負けてしまうため、日本酒もしっかりと旨味を出した、身が濃い酒が多いのではないでしょうか。



天野酒は開放タンクによって、泡あり酵母で酒を醸しています。

天野酒_仕込み部屋2.jpg最近は泡あり酵母を使う蔵は少ないのですが、泡ありを使うほうが天野酒の目指す甘味を持つ酒になるとの事。


天野酒は濃厚甘口が基本です。

かつて僧坊酒として造られていた天野酒の味が、この蔵のルーツだと考えられています。
金剛山で造られていた天野酒ですが、現在の調査によると日本酒度が−90くらいの超甘口だったとそうです。

かない甘い酒が当時は造られていたのですが、その酒が朝廷を含めてその次代の位の高い人々に飲まれていました。
豊臣秀吉も大阪城で飲まれていて、醍醐のお花見でも持ち込まれていたそうです。

その天野酒というブランドを引き継いで造っている以上、甘味・旨味を持つ大阪の地酒にこだわった酒を造っておられます。



自社で精米をされています。
天野酒_精米機.jpg
また地元でたった1件残る蔵元なので地元を大切にされています。

現在の製造石数は約900石ですが、地元できっちり商売をしていたらこれくらいの量は普通に 売れててしまうそうです。

良い意味で「外に出て行かない、地元にこもる」。
大阪の地酒といえば天野酒と言ってもらえるようなブランド造りをしていきた、と語ってくれました。


中央の「天野酒 吟醸 原酒」がこの蔵の主力の一角。
天野酒_商品.jpg少し苦味を伴い、上品かつ「禁断の甘み」。

戦国武将に取って、なんとも言えない摩訶不思議な甘味に感じられたでしょう。


最後に訪問の証の記念撮影です。
国の登録文化財に指定されています蔵の建物に驚く吾郎でした。
天野酒_記念写真.jpg
商品の購入・質問は西條合資会社へお問い合せ下さい。
TEL:0721-55-1101 天野酒醸造元 西條合資会社
ここで書かれているデーターは筆者が訪問した時点の情報となります。   

Posted by 佐野 吾郎 at 18:40TrackBack(0)大阪府の酒蔵巡り

2011年02月10日

松花鶴 冨士正|藤本雅一酒造醸

新進気鋭 酒蔵訪問の旅。
121件目の訪問蔵は、大阪府藤井寺市で、松花鶴,冨士正という酒を醸す藤本雅一酒造醸です。

松花鶴 冨士正|藤本雅一酒造醸

所在地:大阪府藤井寺市2−1−10
銘柄:松花鶴,冨士正
創業:大正2年 3代
杜氏:但馬杜氏
仕込み水:軟水
訪問日:2011/2/10

代表銘柄
原酒極上 松花鶴
吟醸 冨士正
雅一
いのまなり


平成22年に酒造りを再開。吟醸酒しか造らない蔵元、藤本雅一酒造醸
松花鶴 藤本雅一酒造醸

藤本雅一酒造醸は、西国三十三箇所 第五番札所として知られる「紫雲山 葛井寺(ふじいでら)」の門前町に位置する、90年続く酒蔵です。

写真の方は次期4代目蔵元となる、藤本好章さんです。
藤本酒造_松花鶴_蔵元.jpg藤本酒造は平成14年を最後に酒造りを休んでおられましたが、昨年(平成22年)から酒造りを再開。
蔵も綺麗に改築され、今後どのような酒を造っていくのか楽しみな蔵元です。



写真は主力商品の松花鶴 吟醸 原酒。蔵は現在吟醸酒しか造っていないとの事。
藤本酒造_松花鶴_商品.jpg藤本雅一酒造醸のこだわりは、吟醸酒と長期熟成です。
長期熟成と行っても、黄色くなった長期熟成ではありません。
上品な淡熟タイプの熟成酒を目指しており、現在は平成14BYに造った酒を出荷されています。

今年仕込んでいる酒が市販されるのはまだ先になるとの事。


写真の方が藤本雅一酒造醸で酒造りをされている杜氏です。
藤本酒造_松花鶴_但馬杜氏.jpg流派は但馬杜氏になります。

「酒造歴は何年になりますか?」の質問に対し、「18で酒蔵に入って、今で82歳や。何年になるか計算してくだはれ」という回答が返ってきました。
伏見から灘から大分、小倉、中国まで、国内はもちろん海外の酒蔵でも酒造りをされてきたベテランです。

蔵に年期が入ってた「銅タンク」が置いてあったことから、ともに年期がはいっているという事で、銅タンクの前で記念撮影。



藤本雅一酒造醸では1月より酒造りを開始。
タンクの中に白いモロミが見えます。酒造りを復活されている証拠写真を撮影しました。

藤本酒造_松花鶴_モロミ.jpg

圧搾ろ過機は「昭和製作所」のものを使用されています。
藤本酒造_松花鶴_圧搾機.jpg昭和製作所は宇都宮にある会社で「搾ったあとに、ゴム臭が付かないことがセールスポイント」であった事から、実際にこの圧搾機を使用している蔵に行って、槽口から搾られてきた酒を確かめて、この機械の導入を決めたそうです。



最後に訪問の証の記念撮影です。
蔵の中に古い木桶と槽を発見し驚く吾郎。
槽は予備としていつでも現役使用できる状態であることのことです。
藤本酒造_松花鶴_記念撮影.jpg

ご覧のとおり、蔵の直ぐ近くには西国三十三箇所 第五番札所として知られる「紫雲山 葛井寺(ふじいでら)」があります。

藤本酒造_松花鶴_藤井寺.jpg現在、お酒は蔵の直販が中心です。
蔵は駅から近い場所にありますので、関西の日本酒ファンの皆様は足を運ばれてみてはいかがでしょうか?

商品の購入・質問は藤本雅一酒造醸へお問い合せ下さい。
TEL:072-955-0018 松花鶴,冨士正醸造元 藤本雅一酒造醸
ここで書かれているデーターは筆者が訪問した時点の情報となります。  

Posted by 佐野 吾郎 at 18:33TrackBack(0)大阪府の酒蔵巡り

2011年02月09日

淀菊 穂谷 富士霞|重村酒造醸

新進気鋭 酒蔵訪問の旅。
120件目の訪問蔵は、大阪府枚方市で、穂谷,淀菊,富士霞という酒を醸す重村酒造醸です。

淀菊 穂谷 富士霞|重村酒造醸

所在地:大阪府枚方市穂谷3丁目4−5
銘柄:穂谷,淀菊,富士霞
創業:昭和元年 4代
杜氏:蔵元杜氏 無所属
仕込み水:軟水
訪問日:2011/2/9

代表銘柄
穂谷 しぼりたて原酒
穂谷 にごり原酒
淀菊 純米酒
富士霞 上撰

枚方市に最後に残る造り酒屋、重村酒造醸
淀菊 穂谷 富士霞|重村酒造醸

枚方市を含む北河内と呼ばれる地域は、生駒山系の良質な地下水があった事から、幕末頃には15の酒蔵が酒造りをしてた、と言われています。

1970年代までは、池尻酒造「成功正宗」、小北酒造場「菊人形」、重村酒造醸穂谷」「淀菊」、田中酒造場「谷川」、津田酒造「みや鶴」の5つの蔵が酒造りをしていましたが次々に廃業。

そして現在は残る蔵元は、穂谷にある重村酒造醸ただ一つです。
重村酒造_外観.jpg重村酒造醸の位置する「穂谷」とは、大阪府と奈良県、京都府の県境に位置する山間部で、キャンプ場がある事からハイキングコースや森林公園のようなイメージを持つ方が多い地名です。

蔵の近くには「氷室」と呼ばれる地域があり、かつて朝廷が管理していた氷室があったと言われています。

宅地開発の波に今も飲み込まれること無く、山の斜面に静かに佇む旧家の一つが重村酒造醸です。
こんな場所で酒造りをしている蔵がある事など、地元の枚方市民でさえ、大半の人は知らないのではないでしょうか?


重村酒造醸の主力商品が穂谷という名の地酒。
写真は蔵の玄関にディスプレイされていたものを撮影。
重村酒造_穂谷.jpg重村酒造醸の酒つくりは4代目蔵元、重村 隆男さんと、地元の季節雇用の蔵人によって毎年11月からスタートしまし。
そして12月の末には造りを終えてしまうという、極めて少ない製造量。

・穂谷 一番しぼり原酒
・穂谷 しぼりたて原酒
・穂谷 にごり原酒

上記の3種類の新酒が年末に仕上がり、販売されます。

残念な事に、重村酒造醸には後を継ぐ人がいません。
現在、蔵元は普通の会社ならとっくに退職されている年齢です。

重村 隆男さんが酒造りが出来なくなった時は、いよいよ枚方市の最後の酒蔵が消えてしまうかもしれません。


写真はこの蔵のメインブランドであった富士霞。
上撰と書かれていますが普通酒です。
重村酒造_富士霞.jpg
こちらは特定銘酒酒(純米吟醸)の淀菊。
蔵にディスプレイされていたものを撮影しただけで、今は製造ているかどうかは不明。
重村酒造_淀菊.jpg枚方市民でさえ、その存在を多くに知られていない重村酒造。
それ故、枚方の酒屋で、これらのお酒を手に入れるのは困難です。

お酒の入手は蔵に直接買いに行くのがベストです。

ただし、蔵には従業員はおらず蔵元一人で切り盛りされています。
1日じゅう、ずっと事務所に待機しているとも限りません。

お酒の購入のため、蔵に行く前には必ず電話でアポ取りをされる事をお勧めします。


商品の購入・質問は重村酒造醸へお問い合せ下さい。
TEL:072-858-2515 穂谷,淀菊,富士霞醸造元 重村酒造醸
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Posted by 佐野 吾郎 at 22:18TrackBack(0)大阪府の酒蔵巡り

2010年11月27日

利休梅 りきゅうばい|大門酒造株式会社

新進気鋭 酒蔵訪問の旅。
105件目の訪問蔵は、大阪府交野市の利休梅 りきゅうばい 大門酒造です。

利休梅 りきゅうばい|大門酒造株式会社

所在地:大阪府交野市森南3-12-1
銘柄:利休梅 無垢根(むくね)
創業:文政9年 1826年 7代
杜氏:蔵元杜氏 南部杜氏所属
仕込み水:軟水
訪問日:2010/11/27

代表銘柄
利休梅 純米吟醸
利休梅 大吟醸 花散里
むくね青天
むくね残月


大阪の梅田から電車に乗って約30分。
都会に近くにありながら、昔ながらの景色が残る旧家の中に、大門酒造が静かに佇んでいます。
利休梅 りきゅうばい|大門酒造株式会社

蔵のすぐ裏には山があり、清水ヶ谷の湧き水を酒造りに用いてます。
蔵には自社栽培田があり雄町を育てているとか。

梅田から30分の場所にこんな場所がまだ残っているんですね。


写真の方が大門酒造の6代目蔵元、大門康剛さんです。
daimon5.jpgかつて大門酒造では、現在活躍されている横道杜氏、フィリップ杜氏が酒造りをしていました。


今は蔵元自らが杜氏として酒造りに携わり、今年で四造り目になるとの事。
南部杜氏協会に県外会員として登録されているとの事です。


大門社長に「大阪の地酒とはどういう酒なのか」お伺いしてみました。

daimon1.jpg難しい質問ですね。
「大阪の酒は、こういう酒が特徴」とまとめる事は難しいと思います。

歴史的に大阪の街は商都であり、全国から多くの人々があつまる町でした。
その為、情報量が多く、商人文化が発展していた事から、全国の様々な食文化を受け入れてきたので、お酒も多様性が現れたのではないでしょうか?

また上方の商人は、社交として酒をたしなむ事が多かったため、酒量はそれほど多くなかったと思います。

あえて大阪の酒の特徴をあげるとしたら、少ない酒量でも満足できるよう、芳醇で旨口の酒が多いように思います。




確かに、大門社長のおっしゃる通りで、大阪の酒ですが高知のような淡麗辛口ではありません。

居酒屋で飲む時も同様ですが、飲み過ぎると、お店からの請求金額も大きくなります。
酒量をコントロールする為に、飲み応えがある旨口の酒を選んだのかもしれません。


では大門酒造はどのような酒を目指しているのでしょうか。
daimon6.jpg大門酒造は、発酵の素晴らしさ、日本酒の製造技術の素晴らしさ、今でも進歩を続ける技術発展の素晴らしさ。この素晴らしさを多くの方に伝えたい。

先人が開発した日本酒の醸造技術も素晴らしさものですが、今でも技術進歩が続き、若手の蔵元が次々に台頭してきます。頑張ってその流れに乗って付いていきたい。

酒質的には、飲み飽きしない酒、飲み疲れしない酒、味わいのキレのバランスが取れている酒を目指されているそうです。


写真は大門酒造の自慢の設備、三菱製の自動製麹機です。
daimon2.jpg同じ機械を、蓬莱泉の関谷醸造、真澄の宮坂醸造でも見た事があります。

中はこのように、麹蓋と思われる箱が並べられています。

この製麹機は、特定名称酒に用いられる箱麹で自動製麹を行なうのが特徴です。

daimon3.jpgこの機械を用る事で、プログラミングによって積み替え作業を自動的が出来る為、深夜の2時や3時に起きて積み替え作業をする、というのが楽になります。


もちろん、機械だけではなく手造りによる麹室も用いています。
daimon4.jpg

最後に大門酒造の酒をブラインド試飲させていただきました。
大門酒造でのきき酒は、ご覧のようにお酒を新聞紙でくるだ状態で、ブラインドで行ないます。

daimon7.jpgこれだと先入観が入らず純粋にお酒の実力を計る事が出来ます。

私が試飲して一番気に入ったのは「B」と書かれた酒。
大吟醸の1年熟成酒でした。

お酒の素晴らしさに感動している吾郎でした。

商品の購入・質問は大門酒造株式会社へお問い合せ下さい。
TEL:072-891-0353 利休梅醸造元 大門酒造株式会社
ここで書かれているデーターは筆者が訪問した時点の情報となります。  

Posted by 佐野 吾郎 at 20:05TrackBack(0)大阪府の酒蔵巡り

2010年11月20日

片野桜 かたのざくら|山野酒造株式会社

新進気鋭酒蔵探しの旅。
104件目の訪問蔵は、大阪府交野市の片野桜 かたのざくら 山野酒造です。

片野桜 かたのざくら|山野酒造株式会社

所在地:大阪府交野市私部7-11-2
銘柄:片野桜 富楼那(ふるな)
創業:昭和2年 5代
杜氏:南部杜氏
仕込み水:軟水
訪問日:2010/11/17

代表銘柄
片野桜 山廃仕込 純米酒 無濾過生原酒
純米吟醸 かたの桜
富楼那 純米大吟醸 袋吊り雫酒 無濾過原酒


いつもアクセスしていただき有り難うございます。
佐野屋の佐野 吾郎です。
gorou2.jpg今回は私の自宅から最も近い場所にある、大阪府交野市(かたのし)の山野酒造に、当日アポ取りの飛び込み訪問をしてきました!

大阪府は、昭和50年頃には約40以上の酒蔵が稼働していたそうですが、現在大阪府の稼働中の酒蔵は、わずか13蔵。

大阪府と奈良県の県境にある交野市(かたのし)にて、2件残る蔵元のひとつ、山野酒造株式会社に訪問してきました。

片野桜 かたのざくら|山野酒造株式会社

>山野酒造は、大阪府交野市にて昭和2年より酒造業を開始。蔵元の中では比較的新しい蔵です。

現在は「片野桜かたのざくら)」という主力ブランドと、地元の会員制の富楼那ふるな)という日本酒を造られています。
katano1.jpg

写真の方が、5代目の蔵元の山野 久幸さんです。今回蔵をご案内していただきました。
katano2.jpg
山野酒造は現在、年間約500石の日本酒を造られています。

蔵元に「大阪の地酒」についてきいてみました。

大酒の酒はバラエティーが豊かなのが特徴です。
日本で一番、方向性がバラバラに向いている地域と言えるのではないでしょうか。

その背景には、大阪には他県のような「酒造技術試験所」がありません。
酒造好適米の開発もされてなければ、オリジナルの酵母も存在しません。

酵母を入手するにしても、それぞれの蔵元が、それぞれの手段を用いて他県から取り寄せています。
例えば、隣の大門酒造では島根県の堀江先生から指導を受けておられますが、各蔵がそれぞれ指導者が異なるんです。




こちらは仕込み部屋です。
吊り天井という工法で建てられた蔵で、木造ですが柱が1本もありません。
katano3.jpg阪神大震災の時にもこのあたりはかなり揺れたのですが崩れませんでした。柱が無くても丈夫な物ですね。



方向性がバラバラと言える大阪の地酒の中で、山野酒造が造るのは「旨口」の酒です。

大阪という土地は、日本酒をそう多くの飲む土地柄ではありませんでした。
その為、高知のように量が飲めるスッキリ辛口とは対照的に、味のある旨口タイプの酒が好まれる傾向があります。

その結果、他県の酒と比べると、甘味、旨味が味の特徴と言えるのではないでしょうか。

口に含んだ時には、華やかな香りが広がり、甘味と旨味を感じつつ、後味はスキッと絞まる酒。
味にふくらみがある酒、味に山と谷がある酒。

純米酒には純米酒らしい味の姿があります。同様に純米吟醸酒にもそれに相応しい姿があります。
そして例えば大吟醸酒を造るとしたら、大吟醸のあるべき姿を持つ酒を造りたい。

それによって、飲まれる方の期待に最大限応えられる酒を造って行きたい、と語られました。




写真の方が、山野酒造で杜氏を勤める、浅沼 政司さん(南部杜氏)です。
なんと、南部杜氏組合の理事を勤めておられる凄い方です。
katano4.jpgかつて山野酒造は杜氏を何度も変わった時期があったのですが、浅沼杜氏とは相性が良かったのか、浅沼さんが来られてから造りが良くなってきました。
現在、この蔵で12年間酒造りを続けられています。

サーマルタンクです。
katano5.jpg


麹室は杉ばりです。
katano6.jpg

最後に訪問の証の記念撮影です。
醪(もろみ)の美しい香りに驚く吾郎でした。
katano7.jpg
商品の購入・質問は山野酒造株式会社へお問い合せ下さい。
TEL:072-891-1046 片野桜醸造元 山野酒造株式会社
ここで書かれているデーターは筆者が訪問した時点の情報となります。  

Posted by 佐野 吾郎 at 17:50TrackBack(0)大阪府の酒蔵巡り