2010年10月18日

原田|株式会社はつもみぢ

原田|株式会社はつもみぢ

所在地:山口県周南市飯島町1-40
銘柄:原田
創業:文政2年 12代
杜氏:蔵元杜氏(大津杜氏)
仕込み水:中硬水(鹿野伏流水)
訪問日:2010/10/19

新進気鋭の酒蔵発見!

山口県周南市の市街地に位置する酒蔵「はつもみぢ」。

蔵の周囲はビジネス街のようなマンションやビルが並ぶ都会です。
こんな街中に酒蔵があるのでしょうか?

そんな場所に姿を現したのが「原田」という地酒を造るはつもみぢです。

原田|株式会社はつもみぢ

人は見た目で判断してはいけません。
酒蔵も同様に見た目で判断してはいけません。

蔵は上記の建物以外に、隣に5階建てのビルのような建物があります。
ビールの空ビン等が山積みされています。問屋業もされているようです。
なんと1階には居酒屋がテナントとして入っています。

正気、見た目では酒造業に力を入れているように見えない蔵なのですが、実はとても魅力ある素晴らしい蔵なのです。



はつもみぢは文政2年(1819年)創業で12代も続く酒蔵です。
しかし、この蔵は20年ほど酒造りを休んでいました。

5年前の2005年。長男の原田 康宏さんによって酒造りを復活されました。



写真の方が酒造りを復活させた康宏さんです。
ところで左にあるドラム缶のような物は何をする道具か解りますか?
原田 はつもみぢ3.jpg

原料米を蒸す釜です。私が今迄見て来た蔵の中で最も小さな釜です。
何か五右衛門風呂みたい。(笑)
原田 はつもみぢ2.jpg

何故、酒造業を復活されたのでしょうか?

そのきっかけは「全国きき酒選手権大会」でした。
康宏さんは、きき酒が得意で山口県では優勝は常連。中国地区でも2回優勝された事があります。

そして全国大会で2位という成績をとった時に、新聞に載ってしまいました。

その記事を見た消費者が、きき酒能力がとても高い蔵元なので、酒も美味しいだろう。
そう思って「はつもみぢ」を口にされたのですが、残念な事に期待はずれのお酒・・。

蔵元が利き酒大会で準優勝をして新聞にまで載った。しかしその程度の酒しか造っていないのか。

消費者からそのような評価を受けた事がきっかけで、自分の蔵で酒造りができれば・・・。そして納得のいく良い酒を世に出して「素晴らしい酒だね」と評価されたい。そのような気持ちが芽生え始めたそうです。


しかし、蔵は20年も酒造りをしていません。
酒造りの道具なんて蔵に残っていません。

その上、蔵の1階部分は居酒屋に貸しています。

機材も土地もありません。

小さな蔵が酒造りを再開するにあたり選んだ手段は「四季醸造」でした。



ご覧下さい。左に並んでいるのが仕込みタンクです。
1仕込みは300キロ。
原田 はつもみぢ4.jpg
四季醸造のメリットはご覧のように小規模な仕込みが行なえる事。
一般的な寒造りだと「冬期に1年分のお酒を生産」しなくてはいけません。
10月〜翌年の3月の間に一気に酒造りを行ないます。酒造業ではそれが常識かもしれませんがパワープレーなんです。

もし1年かけて酒造りを行なう事が出来ればゆっくりとしたペースで酒を造る事が出来ます。

はつもみぢでは四季醸造の設備を入れる事によって、造りの規模を300キロという小仕込みを実現。この規模だと広いスペースが必要有りません。

造りの期間が冬期のみでしたら、300キロだと本当に少量しか造る事が出来ません。
しかし1年中製造ができれば300キロの仕込みでもそれなりの数量を生産する事が出来ます。
パワープレーを必要としないので、雇う人の数も少なくて済みます。


蔵の後継者が酒造りの技術を習得するにあたっても、1仕込みのペースを広げて、修正を加えつつ1本つづ仕上げて行く事で酒質を高める事ができます。高品質少量生産を行なおうとする、小さな酒蔵にとって四季醸造はメリットがあったのです。

原田 はつもみぢ5.jpg
年間製造数はわずか100石。

昨年で普通酒の製造を廃止され、造られている酒は全て下記の特定名称酒。

原田 本醸造
原田 純米酒
原田 純米吟醸
原田 純米大吟醸

しかも純米比率が75%
いずれ全量純米酒になる日も近いのではないでしょうか。

柔らかく甘口の優しい味わいが特徴の酒だそうです。

現在は蔵元の売店と地元の山口県の一部の酒販店でしか販売されていません。

生産量が100石程度だと、あの酒屋とあの酒屋が仕入れたら直ぐに無くなりますよ。

同様に山口県には四季醸造の設備を入れる事で少量高品質生産を行なう蔵が他にもあります。

酒蔵は見た目で中身を決めては行けません。山口の小さな酒蔵は要チェックですよ。


最後に仕込み部屋で記念撮影。
原田 はつもみぢ6.jpg
仕込みタンクはブロック2段積みでこの高さです。
左側の緑のタンクを見た戴いたら解りやすいのですが、ほんとうに酒母タンク並みの小仕込みです。

商品の購入・質問は株式会社はつもみぢへお問い合せ下さい。
TEL:0834-21-0075 原田醸造元 株式会社はつもみぢ
ここで書かれているデーターは筆者が訪問した時点の情報となります。
  

Posted by 佐野 吾郎 at 14:55TrackBack(0)山口県の酒蔵巡り

2010年10月18日

金分銅 きんふんどう|金分銅酒造株式会社

金分銅 金分銅酒造株式会社

所在地:山口県下松市大字末武上1202
銘柄:金分銅きんふんどう
創業:1900年創業 3代
杜氏:広島杜氏(昨年迄南部杜氏)
仕込み水:中軟水
訪問日:2010/10/18


山口県下の日本酒蔵の中で、最も美しい景観を持つと言われている蔵が金分銅酒造
金分銅 きんふんどう|金分銅酒造株式会社

金分銅酒造は、旧山陽道の花岡宿に位置する蔵元です。
蔵のすぐ裏に花岡天満宮があり、その参道沿いに蔵があります。

参道に並ぶ石灯籠が、まるで蔵の一部のよう。
金分銅酒造2.jpg


黄色のポロシャツの方が、今回蔵をご案内していただきました毎田寿子さんです。
高齢の蔵元に代わり寿子さんが蔵を切り盛りされています。
金分銅酒造4.jpg
山口県には2つの杜氏の流派が有ります。

一つは日本海側の日置(へき)杜氏。
もう一つは瀬戸内海側の熊毛杜氏。


金分銅酒造は、代々地元の熊毛杜氏が酒造りをしてきました。
しかし杜氏が高齢化の為に酒造りを引退。

後継者の熊毛杜氏がいなかった事から、南部杜氏が酒造りを来てくれましたが、その方も高齢の為に昨年引退に。今年からは広島杜氏が酒造りに来てくれるそうです。

熊毛杜氏は最後の1名が引退され、今は存在しません。


写真は釜場の天井です。
金分銅酒造3.jpg

こちらは仕込み蔵です。
金分銅酒造5.jpg

金分銅酒造が造っている酒の量は年間でわずか150石。
その大半は県内需要だとか。

蔵が目指す酒造りは、米の味を大切にしたい酒。
その為、あえて米を白く磨きません。米の個性を伸ばす酒を造りたいとの事。


写真の真ん中の酒が、山口県産米「西都の雫」使った「閼伽坏あかつき)」という名前の日本酒。
金分銅酒造7.jpg

閼伽井(あかい)」とは神仏に供える清らかな井戸の事。
閼伽坏あかつき)」とは閼伽水を桶から器に移す杯の事を言います。

このお酒は、閼伽井(あかい)を擁する花岡八幡宮の宮水と同じ水脈を使用している事から閼伽坏あかつき)と命名されました。



では、その仕込み水を飲ませていただきました。
金分銅酒造6.jpg
(飲んでいるのは仕込み水です。)

とても綺麗でクセも無く、正に神仏に捧げる清らかな水でした。

商品の購入・質問は金分銅酒造株式会社へお問い合せ下さい。
TEL:0833-44-8605 金分銅醸造元 金分銅酒造株式会社
ここで書かれているデーターは筆者が訪問した時点の情報となります。  

Posted by 佐野 吾郎 at 12:55TrackBack(0)山口県の酒蔵巡り

2010年10月18日

五橋(ごきょう)|酒井酒造株式会社

五橋 酒井酒造株式会社

所在地:山口県岩国市中津町1-1-31
銘柄:五橋
創業:明治4年 5代
杜氏:社員杜氏 大津杜氏
仕込み水:軟水(錦川伏流水)
訪問日:2010/10/18


山口県を代表する地酒「五橋ごきょう)」。
酒屋をはじめ、駅のお土産屋さん、コンビニに至る迄、あらゆる場所で必ず置いていると言っても過言では有りません。
五橋(ごきょう)|酒井酒造株式会社

かつて山口県の酒蔵の多くは、大手の下請けという立場で酒を造っていた為、自社ブランドとして市場で通用する銘柄はほんの数社だったとか。
その為、隣県の広島や灘の大手の市場進出を簡単に許していた状況でした。

その状況下で、山口の地酒の中で広島や灘の地酒と対等に戦えたのが五橋でした。
今でも岩国の市場シェアは多く、日本酒を置いているお店には必ず五橋が並んでいると言っても過言では有りません。

左の方が5代目蔵元の酒井佑さんです。
五橋 酒井酒造3.jpg
写真の奥の金属製のドアにご注目ください。
仕込み部屋全体が密閉可能で、このドアを閉めて空調を利かせたら一年中酒造りに適切な温度を保つ事が出来ます。私が訪問した時期はまだ造りが行なわれていませんでしたが、設備的に四季醸造を行なう事も可能です。


写真の方が五橋の杜氏(酒造りの責任者)仲間史彦さん。
大津杜氏に所属されています。
五橋 酒井酒造2.jpg
岩国の酒蔵は水に恵まれている事です。
この蔵では錦川の伏流水が酒造りに用いられていますがクセが無い軟水です。

この地域は水が良い為に東洋紡、日本製紙、帝人(繊維)といった大企業の工場も進出されています。




酒井酒造の新しい取り組みが木桶を用いた酒造り。
五橋 酒井酒造4.jpg
現在、酒蔵で用いるような大きな木桶を作る事ができるのは大阪府の堺市に藤井製桶所の1社しか存在していないとか。


酒井酒造では、仕込み用の4000リットルクラスの木桶を2つ。
生もと造りを行なう為の小さな木桶を用い「味わい深い酒。味に面白さが有る酒」造りに力を入れていいます。

木桶で醸した生もと純米酒が全米鑑評会で金賞を受賞。しかも上位のトップ3に入っていたとか。

五橋 酒井酒造5.jpg

以下が五橋の商品ラインナップ。
五橋 酒井酒造6.jpg
日本酒ファン緒皆様「五橋 生もと純米酒」を見かけられましたら、要チェックです。
アメリカ人も認めた木桶仕込みの生もと造りの純米酒の味とはどのようなものなのか?
是非、お確かめください。


最後に訪問の証として蔵の前で記念撮影。
お忙しい中、蔵元と杜氏さんにご案内していただきました。
有り難うございました。
五橋 酒井酒造7.jpg


商品の購入・質問は酒井酒造株式会社へお問い合せ下さい。
TEL:0827-21-2177 五橋醸造元 酒井酒造株式会社
ここで書かれているデーターは筆者が訪問した時点の情報となります。
  

Posted by 佐野 吾郎 at 09:55TrackBack(0)山口県の酒蔵巡り

2010年10月17日

獺祭(だっさい)|旭酒造 【再訪問】

獺祭(だっさい)|旭酒造

所在地:山口県岩国市周東町獺越2167-4
銘柄:獺祭(だっさい)
創業:昭和23年 3代
杜氏:社員杜氏
仕込み水:軟水

訪問日:2010/10/17

この日は秋の槽場汲みの為、獺祭 旭酒造に行ってきました。


新しく建てられた蔵はこんな感じです。
獺祭(だっさい)|旭酒造

土地が狭いため、上に高いのですが、これで本当に年間7千石も作る事が出来るの?と思うくらい、思った以上に大きくないです。

新蔵では精米が終わった原料米の処理から、発酵まで行ないます。
精米は遠くの別の建物で。搾りは隣の旧蔵で。貯蔵も隣の旧蔵です。

3月訪問レポートでは新蔵が完成したばかりで、まだ稼働はしていませんでした。
今は、フル稼働をしています。


獺祭 旭酒造2.jpg
ガランとしていた麹室はこんな感じ。
初めて入った方は驚いておられました。


仕込み部屋です。
左の1列以外は、全て稼働しています。
壁の向こう側にも仕込み部屋が有ります。
獺祭 旭酒造3.jpg



こちらは原料米を送り込むホースです。
精米所から運ばれて来た米は最上階で原料米処理され、1フロアしたの麹室に。
そして麹室の1フロアしたの仕込み部屋に移動されます。
最後は、1階の圧搾機で搾りが行なわれます。
獺祭 旭酒造4.jpg
この原料米の移動の作業が大変だったのですが、新蔵ではとても効率よく移動が出来るように設計されています。


ここは最上階の釜場です。
OH式の和釜が用いられています。

獺祭 旭酒造5.jpg


この日は、岩国でシロヘビ祭りというお祭りが開催されていました。

写真の右側の女性は、旭酒造の社員だそうです!
なんとミス岩国だそうで町のイベントがある時には駆り出されるとか。

獺祭の社員は現役ミス岩国(右の方).jpg分析を担当されているそうです。

旭酒造は良い方を採用されましたね。
この蔵は若い男性社員が多いので、彼らにミス岩国の採用が伝えられた時は、一同が湧いた事でしょう。ニューヨークから一宏さんが帰って来たそうですよ。(冗談、ウソです)

今度、旭酒造に行った際にはもっと写真を撮って帰りますね。

最後に蔵の前で記念撮影。
獺祭 旭酒造7.jpg

休止していた蔵見学も今は再開されています。

桜井社長が話されていましたが、蔵見学はウェルカムです。
車でかなり山奥に入って行かなくてはいけませんが、是非ご訪問されてはいかがでしょうか?

獺祭(だっさい)のお求めは、旭酒造の特約店、インターネットで最も多くの獺祭を販売している
地酒.com 佐野屋 をご利用ください。 (フリーダイヤル:0120-464-135)  

Posted by 佐野 吾郎 at 17:28TrackBack(0)山口県の酒蔵巡り

2010年04月28日

獺祭(だっさい)|旭酒造

旭酒造

所在地:山口県岩国市周東町獺越2167-4
銘柄:獺祭(だっさい)

訪問日:2010/03/14
獺祭(だっさい) 旭酒造

外観は昔ながらの何処にでもありそうな地方蔵。
蔵の中に入っても、昔ながらの酒蔵の風景があると思うでしょう?

しかし違います。

実はこの蔵、中も凄いんです!



では蔵の中を少しお見せ致しますね。


獺祭 旭酒造|西田杜氏ジャジャーン。

ピッカピカ。整然と並ぶタンクの数!


こちらは仕込み蔵の一角。

これで1フロアの半分です。
同じ広さの部屋が壁の向こう側にもあります。
しかもこのフロアだけではありません。4階建てです。

機材は全て新品です。(中古のタンクではありません)
床までピッカピカ。
新しい機材に、西田杜氏の表情も嬉しそうに見えますね。



獺祭 旭酒造|仕込み部屋

こちらは麹室です。
オールステンレスで更にピッカピカ。

獺祭 旭酒造|麹室.jpg
まるでSF映画のセットみたいですね。
ここで獺祭が醸されています。
美味しいお酒が出来る訳です。

獺祭 旭酒造|麹室2.jpg
エレベーターもございます。

獺祭 旭酒造|エレベーター.jpgドアの出口のスリッパの左手に立てかけてある黒い板をご覧下さい。
赤いペンキで「ニシ」って書かれていませんか?
書かれていますよね?

エレベータのボタンを押している西田杜氏の事ではないでしょうか?(笑)

現在、獺祭は一般の方の蔵見学は行っていません。

中を見たくても見られない方の為にアップさせて頂きました。
現時点で、最新の獺祭の蔵の中の様子を映した写真はネット上、他にありません。

もし100年後までこのブログが保存されていたとしたら、
獺祭の記事を見て、「100年前の獺祭ってこんなにピカピカだったんだ」。
と感動されるのでは無いでしょうか?

今、建っている酒蔵の多くは明治時代に開業した所が多いので、100年位の歴史を刻んだ建物の中で酒造りをしています。

残念ながら、明治時代に建てられた酒蔵の新品であった頃の様子を捉えた写真は残っていません。

そういう意味では、2009〜2010年に立て替えられた獺祭の新蔵の様子を、誰もが見られるネット上で公開するという事にはとても意味があると考えました。

今後、蔵を訪問する度に写真を増やして行きたいと思います。


獺祭(だっさい)のお求めは、インターネットで販売日本一の地酒.com 佐野屋 をご利用ください。 (フリーダイヤル:0120-464-135)
地酒.com 佐野屋旭酒造株式会社と直取引を行っている特約店です。   

Posted by 佐野 吾郎 at 00:01TrackBack(0)山口県の酒蔵巡り