2011年04月28日

爛漫(らんまん)|秋田銘醸株式会社

新進気鋭 酒蔵訪問の旅。
164件目の訪問蔵は、
秋田県の湯沢市で爛漫(らんまん)という日本酒を醸す秋田銘醸株式会社です。

爛漫(らんまん)|秋田銘醸株式会社

所在地:秋田県湯沢市大工町4番23号
代表銘柄:爛漫(らんまん)
創業:1922年(大正11年)7代目
杜氏:社員杜氏(山内杜氏)
仕込み水:軟水
訪問日:2011/4/28

代表銘柄
爛漫 美酒パック
爛漫 別撰
爛漫 純米酒 まなぐ凧

かつて東北で生産量を1位を争った酒蔵。
湯沢で最も大きな酒蔵が、爛漫(らんまん)を造る秋田銘醸株式会社です。
爛漫(らんまん) 秋田銘醸株式会社|御嶽蔵の外観
かつて秋田県の湯沢は、院内銀山という日本一の大銀山の商業都市として栄えました。
銀山で働く人々が日が暮れた頃に、城下町の湯沢までお酒を飲みに雄物川から船に乗ってやって来たそうです。
その為、この地には多くの酒蔵があり「東北の灘」とまで言われました。
現在でも4件の酒蔵が湯沢で酒造りを続けています。

その中で群を抜いて大きな酒蔵が爛漫です。

爛漫(らんまん) 秋田銘醸株式会社|御嶽蔵の看板 現在、爛漫の敷地内には普通酒を量産する「御嶽蔵(みたけぐら)」と、その向かいには特定名称酒や吟醸酒を造る「雄勝蔵」の二つの蔵があります。写真は御嶽蔵の入口にある会社です。

秋田銘醸株式会社の誕生の経緯は、一般の酒蔵とは異なります。
秋田銘醸株式会社は大正11年、秋田県の酒蔵と地元の経済人達が出資をし設立した酒蔵です。

今のような多品種少量生産では無かった当時。
日本酒王国、秋田の酒を全国に売り込むに当たり、小さな蔵が個々に頑張ることには限界があると考えられていました。

東京市場に売り込めるだけの競争力・ブランド力を持つ巨大蔵を設立しようと、秋田の蔵元をはじめ地元の財界人ら30社以上から出資を募り、設立した会社が秋田銘醸株式会社でした。

美酒爛漫という酒名は公募でついた名前だそうです。

何故、酒蔵が競売仇となりうる酒蔵を、出資を募ってまで造ろうとしたのでしょうか?しかも競争力が強い大きな酒蔵です。そんな会社を造ったら自社にとって脅威となるように思います。

一つは、当時秋田の各蔵は地元だけではなく東京市場などで売れ始め、需要が伸びていたのですが、それぞれの蔵が需要の増加に応じて増産することが困難だったこと。

だったら各社が出資し新しい蔵を造ってしまおう、という考え方。

また昭和の高度成長の時代に入ると、「桶売り、桶買い」という制度が盛んになり、地方蔵の中にはブランド力を持った大きな蔵へ桶売りすることで、生産量の安定を図る蔵が現れてきます。

つまり東京市場に酒をガンガン売り込める強い会社を造り、出資した酒蔵へ桶売りをする事によっても、出荷量を伸ばしていこう。このような考えもあったようです。


写真は御嶽蔵(みたけぐら)の釜場です。 爛漫(らんまん) 秋田銘醸株式会社|釜場 雄勝蔵(おかちぐら)では手造りによる特定名称酒。
御嶽蔵(みたけぐら)ではレギュラー酒とよばれる大衆酒が造られています。

爛漫が製造している酒の8割がレギュラー酒とよばれる大衆酒です。
低価格のお酒を沢山作る必要があるため、御嶽蔵ではご覧のとおり設備は近代化しております。

御嶽蔵は昭和57年代に建てられた蔵で、鉄筋5階建で最上階で原料米の処理を行い、4階、3階と下に降りるに従って酒が出来上がっていく、作業がしやすい蔵になっています。


麹室は3つあります。 爛漫(らんまん) 秋田銘醸株式会社|麹室

一つは酒母用の麹を造る室、
もう一つはモロミに投入する麹を造る室、
そしてもう一つは吟醸酒に用いる麹を造る室。


写真はKOS製麹機です。 爛漫(らんまん) 秋田銘醸株式会社|KOS製麹機


写真の方が杜氏さんです。
流派は山内杜氏(さんないとうじ)、杜氏歴は4年目との事。 爛漫(らんまん) 秋田銘醸株式会社|杜氏 爛漫はとても大きな蔵ですが、どういう部分が難しいですか?の質問に

大きい蔵も、小さな蔵も酒つくりの基本は同じです。
酒造りはもちろんの事ですが、造りを行う前の掃除がとても重要。それを蔵人に徹底的に叩き込むことがかなり重要との事。

確かに蔵が大きいぶん、人も多いわけです。 全ての蔵人に高いレベルの衛生意識を植えこむのは確かに大変かもしれません。


写真は御嶽蔵の仕込み部屋を下から撮影したところです。 爛漫(らんまん) 秋田銘醸株式会社|仕込み部屋 写真は槽場です。 爛漫(らんまん) 秋田銘醸株式会社|槽場 薮田式の圧搾機が3台写真に映っていますが、実は奥にもう1台あります。
合計4台で酒を搾ります。

以上が御嶽蔵です


写真はハンドメイドで吟醸酒を造る「雄勝蔵(おかちぐら)」の釜場です。 爛漫(らんまん) 秋田銘醸株式会社|雄勝蔵の釜場雄勝蔵は、対照的にクラシックな製法で酒を造っています。

雄勝蔵の仕込み部屋です。 爛漫(らんまん) 秋田銘醸株式会社|雄勝蔵 仕込み部屋


爛漫では一般の方の酒蔵見学も可能。 爛漫(らんまん) 秋田銘醸株式会社|イベントルーム このようなイベントルームがあり、試飲販売も可能です。
近くには両関酒造、木村酒造がありいずれも蔵見学は可能です。
湯沢に寄られた際は、是非これらの酒蔵巡りをされてみてはいかがでしょうか。

爛漫(らんまん) 秋田銘醸株式会社|記念撮影最後に訪問の証の記念撮影。
見学中に、販促用であろう爛漫の大型ボトル型看板を発見し思わず、驚く吾郎でした。


商品の購入・質問は爛漫(らんまん)|秋田銘醸株式会社へお問い合せ下さい。
TEL:0183-73-3161 爛漫(らんまん)醸造元 秋田銘醸株式会社
ここで書かれているデーターは筆者が訪問した時点の情報となります。   

Posted by 佐野 吾郎 at 10:30TrackBack(0)秋田県の酒蔵巡り

2010年04月16日

太平山 | 小玉醸造株式会社

太平山 | 小玉醸造株式会社

所在地:秋田県潟上市飯田川飯塚字飯塚34-1

銘柄:太平山 (たいへいざん)
創業:1879年(明治12年)
杜氏:山内杜氏
仕込み水:軟水
訪問日:2010/4/9

代表銘柄
太平山 佳撰
太平山 本醸造
太平山 生もと純米
太平山 純米大吟醸 天巧

太平山 小玉醸造株式会社

酒は天下の太平山

酒王国、秋田の銘酒の一角を担う老舗蔵が太平山 小玉醸造株式会社

蔵の第一印象は「とにかく大きい、広い」。
「山のような大きな蔵を目指す」という所から、この名が付いたそうですが、本当に広大な敷地です。

これが蔵の地図です。
ご覧下さい、この広さ。蔵の方は「東京ドームより少し大きい位」とおっしゃっていましたが、実際にはもっと広く感じました。
太平山_地図.jpg
大きな蔵は、本当に圧巻です。
この縦に続くタンク、数え切れません。
これらは仕込みタンクです。
太平山 タンク.jpg太平山は日本酒だけではなく、お味噌も造っています。
秋田県のお味噌のシェアは40%もあるそうです。秋田県の約半分の方は小玉醸造のお味噌を食べている事になります。

味噌の蔵は、ステンレスのような金属タンクで仕込まれていました。
お味噌を搾り取る装置は圧巻でした。大きなタンクを傾けて取ります。
(申し訳ありません。写真を取り損ねてしまいました)


そしてもう一つ、驚かされたのが「醤油蔵」。
太平山はお醤油も造られています。
こちらはご覧の通り全て「木の桶」。
太平山_醤油蔵.jpg
いつの時代に造られた桶かは分かりませんが、相当な年代物です。

沢山の蔵を見て回られた日本酒ファンの皆様。
こんな光景を目にされた事はございますか?
太平山_醤油蔵2.jpg
太平山は蔵見学が可能です。
日本酒ファンの皆様。大きな蔵は…。という先入観は捨てて、是非一度訪問される事をお勧めします。
大きい蔵には小さな蔵には無い、興味深い部分がありました。

私は訪問した際、家内にこの蔵を見せてやりたいと思いました。
小さな蔵では見る事が出来ない、色々な発見があり、感動の連続でした。
太平山_記念撮影.jpg
取材・訪問日:2010/04/09

商品の購入・質問は小玉醸造株式会社へお問い合せ下さい。
TEL:018-877-2100 太平山醸造元小玉醸造株式会社
  

Posted by 佐野 吾郎 at 19:25TrackBack(0)秋田県の酒蔵巡り

2010年04月16日

一白水成(いっぱくすいせい) | 福禄寿酒造株式会社

一白水成 福禄寿酒造株式会社

所在地:秋田県南秋田郡五城目町字下タ町48番地

銘柄:一白水成(いっぱくすいせい) 福禄寿
創業:1688年(元禄元年)
訪問日:2010/4/9

代表銘柄
一白水成 純米吟醸 美山錦
一白水成 特別純米酒
一白水成 純米吟醸 袋吊り生酒
一白水成 特別純米 吟の精


秋田の新進気鋭「一白水成」の福禄寿酒造を訪問しました。蔵の玄関前にて記念撮影。
一白水成(いっぱくすいせい) | 福禄寿酒造株式会社


右に映っておられる方が、一白水成を造る渡邉康衛さん。日本酒界注目の人物です。蔵を御案内して頂きました。

一白水成|渡邉 康衛さん

私が訪問した時期は新酒が完成した3月なのですが、既に今年の一白水成はほぼ予約で完売だとか…。
一白水成_蔵.jpg
歴史を感じる建物ですが、写真の通り蔵の中はとてもきれい。
整理整頓が行き届いています。

一白水成_酒母.jpg写真は釜場の天井の部分を撮った物です。この構造は蒸気を逃がす為なのでしょうか?
蔵の中のこういう部分を映した写真はあまり目にしないので撮ってみました。
一白水成_釜場.jpg
訪問して感じたことは、蔵がとても美しいことです。
撮り忘れてしまいましたが、蔵の外観がレンガ作りになっていて、とても上品な雰囲気を感じました。

そして、整理整頓の行き届いた蔵の内部。

こういう整った環境だからこそ美味しいお酒が産まれて来るのでしょう。

秋田で最も注目の若手蔵です。
なかなか入手困難なお酒ではありますが、もし何処かで見かけられましたら、是非飲んでみて下さい。


商品の購入・質問は福禄寿酒造株式会社へお問い合せ下さい。
TEL:018-852-4130 一白水成醸造元 福禄寿酒造株式会社  

Posted by 佐野 吾郎 at 19:22TrackBack(0)秋田県の酒蔵巡り

2010年04月16日

新政(あらまさ) | 新政酒造株式会社

新政 あらまさ | 新政酒造株式会社

所在地:秋田県秋田市大町6丁目2番35号

銘柄:新政 (あらまさ)
創業:1852年 6代
杜氏:山内杜氏
仕込み水:軟水
訪問日:2010/4/9

代表銘柄
新政 特別本醸造
新政 低精白純米酒
新政 佐藤卯兵衛 大吟醸


新政(あらまさ) | 新政酒造株式会社
秋田市のお父さん達の間で、高清水の次に大きい蔵元と言われているのが「新政(あらまさ)」です。

筆者も新政は大きな蔵元なのだろうと思っていました。
しかし、いざ蔵に到着してみるとビックリ。

確かに立派な酒蔵なのですが、小仕込みで丁寧にお酒を造られています。そして、「全量純米蔵を目指している」との事。凄い!

新政 愛醸蔵
「愛醸蔵」と書かれたこの部屋の中にはサーマルタンクが並んでいます。
ここで特定名称酒が仕込まれています。

上から見たらこんな感じ。
非常に清潔です。「愛醸蔵」と名付けられているだけあります。
新政 仕込み部屋
ご覧の通り小仕込みで高品質なお酒を造られています。

歴史を感じる建物ですが、中はとても清潔。この部分を見ただけでも丁寧さ、お酒に対する愛情が伝わって参ります。

新政が将来有望視されている理由に、蔵を継ぐ為に帰って来た佐藤祐輔さんの存在があります。

dancyu3月号でも紹介されていましたが、蔵に入る前はジャーナリストの仕事をされており、「東京大学を卒業された」とか。

祐輔さんと若手の蔵人が中心となって、全量純米蔵を目指しているとの事。

正に「新進気鋭の若手蔵」。日本酒の将来を担う存在です。

佐野屋は取引の有無にかかわらず、このような蔵元を進んで応援したいと思います!

日本酒ファンの皆さま、秋田の新政は注目ですよ!

新政2010_記念撮影.jpg商品の購入・質問は新政酒造株式会社へお問い合せ下さい。
TEL:018-823-6407 新政(あらまさ)醸造元 新政酒造株式会社
  
タグ :6代秋田県

Posted by 佐野 吾郎 at 19:19TrackBack(0)秋田県の酒蔵巡り

2010年04月16日

高清水 秋田酒類製造株式会社

高清水 | 秋田酒類製造株式会社

所在地:秋田県秋田市川元むつみ町4番12号

銘柄:高清水 (たかしみず)
創業:1944年 昭和19年
杜氏:山内杜氏
訪問日:2010/4/9

代表銘柄
高清水 精撰
高清水 本醸造 上撰
高清水 特別本醸造 特撰


秋田市でタクシーに乗って、ドライバーさんに

 「秋田で一番沢山飲まれている日本酒は何ですか?」と

質問すると、大半のドライバーさんが「高清水」と答えるのではないでしょうか。

秋田で最も沢山売れている日本酒。
秋田のお父さんに最も愛されているお酒が高清水なのです。


高清水 秋田酒類製造株式会社
訪問してビックリ。この巨大な建物。
普段、2000〜3000石規模の酒蔵しか訪問していない筆者にとって圧巻。


蔵をご案内して頂いたのが製造部長の古木吉孝さん。

高清水_古木部長さん
私が案内されたのは、「酒造道場 仙人蔵」。

酒造道場の隣に、「やすらぎ場」というイベントルームがあり、お酒を絞る槽(ふね)という道具を利用して作られたカウンターが置かれてあります。写真の通り、とてもお洒落です。

そこでお酒を飲みながら、お話を伺いました。


高清水は普通酒を普通に造りたいと考えている蔵元です。

現在、純米吟醸酒や大吟醸酒といったお酒がこだわりの日本酒として脚光を浴びています。

しかし高清水は「裾野部分の日本酒ファンに愛される酒をしっかりと守る事。」を何よりも大切に考えている蔵元です。

確かに、秋田のお父さんは、概ね好きな日本酒は?と聞かれると高清水と答えられます。

ところで、そもそも「普通酒」とは何なのでしょうか?


和賀山塊
高清水が考える普通酒の一つの形が、この和賀山塊(わがさんこん)という日本酒です。

この酒は高清水の蔵の中でも特別な場所に位置する「酒造道場」にて造られる酒。

「酒造道場」とは、その名の通り道場である修行を行う為の蔵。

この蔵の蔵人の中でも「酒造りの腕を磨きたい」という志を持つ者しか、この蔵での酒造りが許されません。

仕込みタンクが5本置かれてあり、空調設備等は何もありません。
出来るだけ自然に近い状態の中で酒を造らなくてはならないのです。そう修行です。


温度1度の違いが酒造りにおいてどれだけ大切なのか。
そういった事を心から分かってもらう為の修行の場所なのです。


精米歩合55%。
吟醸酒レベルの酒ですが、高清水は普通酒にプライドを持つ蔵です。
吟醸酒とは名乗りません。
それどころか、酒に吟醸酒らしさも表現しません。

香りが穏やかな酵母を用いて、精米歩合55%まで磨いた酒でも吟醸酒の面影をあえて残しません。

高清水にとって吟醸酒や大吟醸といった「肩書きを持たない酒」が普通の酒なのです。
現在、会社で役職が付いている人も、いつかはその肩書きが無くなります。
肩書きが無くなった時に、人間の素の姿が現れる。

日本酒も肩書きを持たず、愛される人々に愛される姿であり続けよう。
それこそが高清水が考える酒の姿ではないかと思いました。


現在、蔵にある在庫は写真の1本飲み。
既にお酒は、ビンの底10センチ足らず。


普通酒に強いこだわりを持つ高清水だからこそ造ることの出来る酒。

山田錦35%精米の普通酒を造ってみたい。

そう語られていた古木部長さんの笑顔が印象的でした。

高清水 酒造道場そしてもう一つ圧巻されたのは「酒造道場」の美しさ。

写真を撮り忘れたのが痛恨のミスですが、映画のセットのような美しい蔵でした。

写真は蔵元サイトから拝借させて頂きました。


酒造道場の隣にある「やすらぎ場」というイベントルームは一般の方がイベントに使う事も可能です。
酒造りの最中でしたら、2階の資料館から酒造りの修行中の蔵人達の様子を見学する事が出来ます。

高清水のサイトによると、一般の方の蔵見学も受け入れているとの事なので、是非一度訪問される事をお勧め致します。
様々な蔵元を訪問されたことがある日本酒ファンには特に訪問をお勧めします。

本当に圧巻です。私もビックリしました。


商品の購入・質問は秋田酒類製造株式会社へお問い合せ下さい。
TEL:018-864-7314 高清水醸造元 秋田酒類製造株式会社
http://www.takashimizu-shop.com/
  

Posted by 佐野 吾郎 at 19:17TrackBack(0)秋田県の酒蔵巡り